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金融市場は年明け早々、トランプ発言等で波乱含みの様相に

私は昨年1月当初のコラムに「2016年は年明け早々に金融市場は世界的に波乱含みの展開となった」と書いていたが、今年も「2017年は年明け早々に金融市場は世界的に波乱含みの展開となった」と書かざるを得ない状況となりつつある。

 英国のメイ首相は17日の演説で、英国が欧州連合(EU)の単一市場から撤退し、代わって関税についての合意を目指す考えを表明した。これはほぼ事前に予想された内容となり、大きく売られていたポンドは急速に買い戻された。これはポンド安を好感していたロンドン株式市場には逆風となって作用した。しかし、市場はこのメイ首相の演説よりもトランプ氏のコメントに過剰反応した。

 ウォールストリート・ジャーナルが17日に掲載したトランプ次期大統領とのインタビューで、われわれの通貨が強過ぎるので、米国の企業は(中国)に勝てないと強調し、ドル高が進んだ場合には「価値を引き下げる必要があるかもしれない」と述べ、ドルを安値に誘導する可能性を示唆した。

 実は前日書いたコラムで下記のようなコメントを書いていた。

 「またトランプ氏は外為市場でのドルに関しても発言を控えている。いずれ外為政策についての言及があるとみられるものの、政策のなかの優先順位はあまり高くないようにも伺える。」

 もしかすると為替への言及は控えていたのではなく忘れていただけかもしれないが、中国を念頭に置いた上でのドル高については抑制する可能性が出てきた。そうなれば11日の記者会見でトランプ氏が貿易不均衡の相手先として中国とメキシコとともに日本も名前を挙げていただけに、日本も意識される可能性がある。

 ドル円はトランプラリーとかトランプ相場と呼ばれた動きにより、昨年12月には118円台まで上昇していたが、その後上値が重くなり、今回のトランプ氏によるドル高牽制発言も受けて一時112円台にまで下落した。その後買い戻されて114円台後半をつけている。

 ドルばかりでなく、米長期金利や米国株式市場の上昇も昨年末あたりで、いったんピークアウトした格好となっている。ダウ平均は2万ドルがかなり厚い壁となってしまった。このためある程度の調整が入ることは予想されたが、今回のトランプ氏の発言でドルなどが再び上昇トレンド入りするのかどうかが微妙な状況となってきた。

 もちろんドル高の背景には米長期金利の上昇があり、その米長期金利は米国経済や物価動向の影響と、それを受けてのFRBの動向に影響を受けやすい。イエレン議長は18日の講演で、完全雇用に近づき、インフレ率が2%に向かうなか、FRBが緩やかな利上げを実施していくことは理にかなうと述べた。18日に発表された12月の米消費者物価指数は前年比プラス2.1%となり、11月の前年比プラス1.7%から0.4%も上昇し、2%台に乗せていた。FRBの物価目標はPCE価格指数での前年比2.0%ではあるものの、今年中にFRBが複数回の利上げをてくる可能性はある。

 その意味では米長期金利の上昇はまだ道半ばとみている。しかし、その見方を変えざるを得なくなるのか。20日に就任するトランプ大統領の今後の発言に対して市場が過剰に反応する可能性もあり、金融市場は今年も年初から波乱含みの展開となりそうな予感がする。

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