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マクドナルド、中国戦略見直しの勝算

By JACKY WONG

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米国の資本主義の象徴であるマクドナルドが中国で国家統制に服そうとしている。

 ファストフード大手のマクドナルドは、中国事業の株式80%を同国国有複合企業の中国中信(CITICリミテッド)率いる企業連合に売却することで合意した。この取引では、中国と香港で2640店余りを手掛ける中国事業全体の価値が20億ドル(約2320億円)前後と評価された。

 中国中信は金融子会社と共同で同事業の52%、米プライベートエクイティ(PE)のカーライル・グループは28%を取得する。マクドナルドは残り20%を保有し続ける。

 中国ファストフード業界は食品の品質を巡る不祥事や激しい競争を背景に伸び悩んでいる。マクドナルドは中国事業の見直しで米ヤム・ブランズに続いた。「KFC」や「ピザハット」などのブランドを手掛けるヤムは昨年、中国事業をスピンオフ(分離・独立)した。同事業は2012年以降、成長が横ばい状態にあった。

 だがマクドナルドは完全撤退するわけではない。中国事業の株式20%の保有を続けるほか、20年間にわたりロイヤルティー料として売上高の6%前後を受け取る。同社は中国での売り上げを内訳で示していない。だが当地の事業規模はヤム・チャイナのおよそ3分の1だ。ヤム・チャイナの時価総額が約100億ドルであることを踏まえると、20億ドルという評価はやや低そうだ。ただ、ヤム・チャイナが元親会社に支払うロイヤルティー料は3%と、マクドナルドの半分にすぎない。

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 長期的に見れば地元の提携先、特に国が後ろ盾についている提携先に事業執行の詳細や設備投資を任せ、ロイヤルティーという形で地元経営の恩恵を手にした方がマクドナルドには有利な可能性がある。

 例えば中国中信が支配株主であれば、南シナ海問題を巡り発生したような反米デモの対象にならないかもしれない。マクドナルドは昨年7-9月期(第3四半期)の中国の既存店売上高が減少した要因として抗議活動を挙げていた。

 マクドナルドには「ハッピーミール」になりそうだ。

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