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2017年の金融相場をみる上で注目すべきポイント

 2017年の金融市場の動向を占う上で注目すべきポイントをまとめてみたい。最初に注意すべきは1月20日に就任する米国のトランプ大統領であろう。11日のトランプ氏の記者会見では、ロシアとの関係を問う質問が大半を占め、減税などの具体的な経済成長促進策は示されなかった。しかし20日に就任後はある程度、具体的な政策が打ち出されるとみられる。これまでのトランプ氏の発言等からはその柱となりそうなのが雇用面である。

 トランプに標的にされたトヨタは今後5年で対米に向け100億ドルの設備投資を行うと発表した。大統領選挙期間中にトランプ氏と衝突したアマゾンのベゾス氏は米国で10万人強を採用する計画を発表した。

 これらの動きはトランプ氏の顔色を伺いながらのもの、と見えなくもないが、大手企業のグローバルな投資戦略に変化が訪れてきている事も確かなのかも知れない。中国の急激な経済成長にブレーキが掛かり、中国では大気汚染も拡がるなど副作用も出ている。中国政府は元安を食い止めようと色々と策も講じるなど、いわゆる中国の時代がいったん終焉を迎えつつある。このようなタイミングでのトランプ大統領の登場が世界経済だけでなく政治のパワーバランスにどのような影響を与えるのかも注目される。

 米国市場動向を占う上では、FRBの利上げの行方も気になる。2015年12月に最初の利上げ、追加利上げは2016年12月とFRBは結果として慎重に利上げのタイミングを計ってきた。それは今後も同様もみられ、経済状況次第の面はあるが、今年も1回もしくは2回程度の利上げがあるとみている。その際にはトランプ氏が指名するであろう空席のFRB理事の人選などにも注意したい。トランプ氏が為替政策をどうみているのかも気になるところではある。いまのところある程度のドル高は容認しているように見える。

 昨年の英国のEU離脱問題、イタリアの国民投票の結果などを受けてのユーロシステムが継続可能なのかも焦点となる。英国はハードブレグジットへの懸念も出ている。英国のメイ首相は今月17日の演説で、英国の欧州連合(EU)離脱に向けた計画について説明するとしている。この演説も大きなポイントとなる可能性がある。

 今年3月にオランダの総選挙が予定され、4~5月にフランスの大統領選挙が行われる予定。6月にはフランスの国民議会選挙も予定されている。さらに9月にはドイツの連邦議会選挙がある。これらの選挙の結果次第ではユーロというシステムに大きな影響を及ぼしかねない。

 今年は原油価格の行方もキーとなりそうである。1月1日に発効した協調減産が守られるのか。OPECは決して一枚岩ではなく、むしろ対立も激しくそこにロシアなどの非OPEC諸国の影響も考慮する必要がある。結果として減産はせざるをえないとみられ、原油価格が再度大きく下落するようなことは考えづらいか。

 国内では衆院解散総選挙の可能性も指摘されており、年内に選挙があるのかどうか、仮に選挙となったとしていまの盤石ともいえる安倍政権の行方に変化が出てくるのか。東京オリンピックにむけてさらに体制を整えてくるのか、そのあたりも焦点となる。

 その安倍政権と二人三脚で歩いて来た日銀の金融政策の行方は直接、債券市場に影響を与えかねないので注意したい。日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和はこれまでの政策をすべて付け足したものとなるなど、かなり無理を重ねている。かつては日銀が操作できないとしていた長期金利を操作対象に置いた。これにもかなり無理があり、外部環境の変化次第、特に金利に上昇圧力が加わりかねない場面では、市場参加者と日銀が対峙する懸念もある。日銀の今後の動向にも注意が必要となろう。

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