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親日国で最も頼りになる国とは? - パスカル・ヤン

 ロシア人の同僚が、産休から戻ったら聞いてみようと思うことがある。かの国の教科書には日露戦争の記述がないと読んだ。この戦争は日本では知らない人はいない。トルコやフィンランドでも有名で、世界有数の親日国になったそうだ。フィンランドには、日本海海戦の立役者東郷を記念したTOGOビールまであった。

日露戦争の宣戦布告が解けていない?

 かなり前に、旧ユーゴスラビアのモンテネグロに行くといったら、物知りの友人が「気を付けろ、あの国は日露戦争の時に、友国ロシアが日本と戦争状態となったとき宣戦布告をして以来まだ解けていない。日本人とわかれば殺されるか逮捕される」というのだ。一度はユーゴ連邦となり再度、モンテネグロになったので、そんな珍事もある。だとすれば日露戦争はあったという証だろう。

 敵がいれば見方もいる。敵の敵は味方だということもある。トルコのイスタンブールに、ペラパラスという超有名ホテルがあった。小が付くがアジアで最初のエレベーターが設置されたホテルだそうだ。アガサクリスティーのオリエント急行殺人事件はここで執筆された。現在は博物館になっているこのホテルに泊まったとき、粗相をしてしまったが、日本人と聞いて最善の対応をしてくれた。ホメイニ革命時、JALが躊躇したテヘランからの退去便を飛ばしたのはトルコ航空だそうだ。

 話は飛ぶが、昭和天皇の大喪の礼の際、参列者の席次トップはベルギーのボードワン国王にきまっていた。在位年数とアルファベットの組合せで公平に決めたことになっているが、一番の親日王室であったベルギー国王が最前列になるように決めたらしい。西欧型公平であり、この決定に卑下することはない。だがベルギー王室は戦後二回も生前退位のあった王室として、現在参考にしているようだが、退位の意味合いが全く違うことを知っているのか心配になる。

 話を戻す。『独りぼっちを笑うな』(角川oneテーマ21、蛭子 能収)という本が売れているが、国家としては同盟国のほかに親日家の多い国が少ないと困る。それも地球の裏側ではよくない。遠い親戚より近くの他人というが、近いところに友人の少ない日本だと困る。あちこち出張って、ご迷惑もおかけしたのが理由かもしれない。いいことはすぐ忘れ、嫌なことはなかなか忘れないのが人情だ。

 その印象を直そうとしても時間がかかるのは、人間同士の関係を見ればわかる。今売り出しのユーラシアのイアン・ブレーマー氏から直接聞いた話は、日露関係の強化は日本に有利だと。我々と会った後に、安倍晋三首相とも会うといっていたので、安倍さんもわが意を得たりだったのだろう。しかし、米・中・露は生臭すぎる気がする。そんな時に大切な国を忘れていることに気が付いた。

 この冬休み、毛布にくるまれてベニスでゴンドラに乗った人もいるだろう。沖縄で水牛車に揺られた人も多いだろう。しかし、一番気持ちよかったのは、ベトナムのシクロではないだろうか。前進する全面に遮るものはない。音もなく走るのは、ゴンドラも水牛車も同様だが、交通渋滞の中、熟練の腕、いや足で巧みに難を逃れながら走るシクロに勝るものはない。 

  ハノイの旧市街なら一時間も走ってもらえばすべて見ることができる。日本人の観光客がバブル時代に価格を釣り上げたのだろうか、1000円程度の運賃だが納得もできる。街の人やほかの旅行者から見れば、間抜けな奴にしか見えないが、幸い自分で自分の姿は見えない。

 フランスの香りのするベトナムにも、現在は日本製品があふれている。その製品の強固さなのか、三度のインドシナ戦争を勝ち抜いたボウグエンザップ将軍をひそかに指南した新ベトナム人と呼ばれた旧日本軍将校のお陰を思ってかわからないが、とにかく親日国だ。地図を見るまで気が付かないが沖縄から札幌に行くのと変わらないのがベトナムの主要都市だ。

 3.11で世界中から寄付が届いた。もちろん大国からはたくさん、台湾からもたくさん来た。しかし、ベトナムからは、国の経済力から考えて異常値の金額が届いたそうだ。

 友国の話にもどろう。ベトナムこそが若くて頼りになる近所の青年に思えるがいかがであろうか。

いつまでベトナムは日本を好いてくれるのか?

 町一番の交差点でも信号を守るバイクは少ない。自己責任でどんどん行く。比べてわが国では真夜中、田んぼの真ん中の信号機も必ず守る国民性だ。数百のバイクが信号もない交差点を無事横切りあう姿は、何度見ても感心する。近頃は、その最中にスマホいじりをしている青年男女まで出現中だ。日本の交通警官が見たらその場で卒倒するに違いない風景が日常茶飯事となっている。

 日本も昭和の30年代はこんな風だったのだろう。車にウインカーもなかった。あっても壊れていた。したがって、手信号をみんな知っていた。50年するとベトナムも今の日本のようになるかもしれないが、今は違う。

 どこにも水を差す人はいる。彼曰く。“既にベトナムの日本贔屓は終わりつつある。優秀な成績の青年が日本企業に入って粗末にされ失望。勤勉で米国に挑んだ日本が好きなのに、そもそも、そんなものも消えつつあるから日本熱も風前の灯火だね。” 

 国民の平均年齢と人口を調べてみよう。宗教色も穏便だ。

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