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観光立国へ 第3期「日本遺産」申請開始 地方の文化力の結集を

参議院議員 赤池まさあき 国政ニュース

文化庁 日本遺産一覧

1月10日(火)に、平成28(2016)年一年間に、わが国を訪問した外国人旅行者数が、前年比22%増の2403万9000人だったと国土交通省が発表しました。前年を上回ったのは5年連続となります。政府は「2020年に4000万人」の目標を掲げています。

http://www.nikkei.com/article/DGXLNSE2IEC01_Q7A110C1000000/

●不法残留者対策を強化

多くの外国人が訪問してわが国の魅力、まさに光を観ること(観光)は、経済や地方創生はもちろん、安全保障上にも資することになり、国策上とても重要だと思います。一方、気になる課題は不法残留者です。わが国には20年以上前には30万人、10年前に20万人の不法残留者がいましたが、関係機関の努力があり、平成26年には6万人を切りました。しかし、直近は外国人観光客の急増によって、減少から微増に転じています。観光客等が不法残留して、治安やテロ上の問題を起こさないように、関係機関が連携して取締りを強化するよう、督促していきたいと思っています。

●観光大国の4条件

最近メディア等で文化や観光、経済問題で精力的に発信している在日英国人にデービッド・アトキンソン氏がいます。氏は英国で生まれ、オックスフォード大学で日本経済を学び、27年前に訪日して経済アナリストとして活躍、現在文化財・歴史的建造物、美術工芸品の修理、施工を手掛ける小西美術工藝社の社長を務めています。

アトキンソン氏は、わが国は観光潜在力があり、世界一二の観光大国になれるとし、2030年に年間8千万人以上の外国人旅行者の訪日も夢ではないと発言しています。さらに、その実現のための条件は4点あり、①気候、②自然、③文化、④食事だと言うのです。世界の観光大国はこの4条件が揃っており、わが国はその条件があるにもかかわらず、十分活かされていということです。(同氏著『新観光立国論』東洋経済新報社2015より)

●文化財行政の転換 保護から活用へ 「日本遺産」

文化行政を司る文化庁は、今までは文化財を保護することが目的でした。近年、経済再生、地方創生、観光立国が国の方針になる中で、文化財行政を転換し、保護はもちろんですが、活用も視野に入れるようになってきました。

その文化財の活用政策の一環が、「日本遺産」認定事業です。世界遺産や今までの指定文化財が「点」として価値づけを行い、保護することを目的にしていました。一方、日本遺産は、各種文化財を「面」として、地域の歴史的魅力や特色を通じて文化・伝統を語るストーリーに対して、認定するものです。従来の文化財保護行政にととどまらず、文化財の活用を通じて、観光振興、地方創生につなげようというものです。

●日本遺産は現在37件認定

既に、平成27年度に第1期として18件、28年度に第2期として19件、計37件が認定されており、文化庁からは魅力発信のための予算や専門家派遣等の支援を実施しています。

日本遺産の詳細はこちらへ。写真は一覧表。

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/nihon_isan/ichiran.html

日本遺産の認定を受けて、国内外の観光入込客が増加したり、地域の住民や子供たちが地域の良さを再認識する機会となったり等々、効果が出ていると聞いています。その一方で、いまだ具体的な成果が見えない地域もあると聞いています。

●日本遺産の課題は?

私は、機会あるごとに、認定を受けた各地域を視察させて頂いております。そこで感じた課題は次の3点です。

①ストーリーを半日、1日、1泊等、滞在時間や季節に合わせて体感できるコースの組み方、受け手本位の広報の在り方

②滞在時間を延長させるための飲食や宿泊機能の強化

③ガイドの育成や将来に渡る人材育成の仕組みづくり等

日本遺産認定を受けたから、それが到達点(ゴール)というわけにはいきません。認定地域は、文化庁からの支援予算の切れ目が、事業の切れ目にならないように、引続き日本遺産の魅力を向上に取り組んで頂ければと存じます。

●日本遺産の未認定は13都道府県 第3期公募締切は2月2日(木)

今年度まで2年間で、37件の日本遺産認定を行ったわけですが、いまだ日本遺産の認定を受けていない都道府県が存在しています。具体的にいうと、北海道、青森県、岩手県、秋田県、埼玉県、東京都、山梨県、静岡県、愛知県、大阪府、山口県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の13都道府県です。文化庁では、五輪東京大会に向けて、100件程度の認定を目指しています。平均すると、各都道府県で2か所程度という計算になります。空白県の奮起を促したいところです。

ちょうど新年1月4日(水)から、文化庁が認定する「日本遺産」の第3期の申請が始まりました。文化庁から各都道府県教育委員会委員長宛に依頼通知が発送され、締切は2月2日(木)となっています。

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/nihon_isan/index.html

ぜひ地域の力を結集して、「日本遺産」に挑戦して頂ければと存じます。そして、地域の文化が光となって輝き、国内外の人々を魅了し引き寄せて経済に繫がり、住民にとっても愛着が増し、誇りをもって暮らしていくことになればと念願しています。

私は、わが国の伝統的な精神、勇・仁・智の「三徳」「和をもって貴しとなす」「万機公論に決すべし」に基づき、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」をモットーに、全ては国家国民のために、全身全霊で取組みます。

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