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トランプ会見と米長期金利、2017年利上げ回数について

昨年暮れから今年に入って国際金融に大きなボラを発生させるような出来事は(想定どおり)全くなく、11日のトランプ会見にしても然り、といったところ。まぁ念のため、というか一応観てましたよ、トランプの会見。 明けおめ。

政策や外交について具体的言及はなく、会見途中、トランプ自身が経営する会社の経営権を息子に譲る、といった場面では集まったマスコミ、並びに世界中の視聴者が面食らう形で女性弁護士が登場した。まぁ「遠い視聴者」からすればコメディのようなものです。

残った事実としては、トランプは①マスコミ批判を繰り返し、対外的なところでは②中国を名指しで批判した。この2つに対するスタンスは鉄板であり、改めて確認したのはここのみ、といったところになる。

こういった事から米財務省が公表する為替報告書に中国が為替操作国として認定される、といった報道もチラホラ見かける事があるが、中国政府から米企業への仕打ちや中国の購買力を考えればトランプの周囲がその行為(中国を為替操作国へ指定)を回避させることになるだろう。本格的な貿易戦争、ネガティブな乱打戦になりますからね。そのあたりは通商担当トップであるピーターナバロが他ブレーンとも協議の上、回避することになるだろう。

トランプ会見をマーケットの視点から振り返れば、この「マスコミとのケンカ会見」によって米長期金利が2.5%を超えてグングン上昇する事はないし、仮に伸びたとしても別の理由によるもの、といったところになるだろう。13日にはイエレンスピーチがあるが、12月利上げによって金融市場が「スベる」事がなかったことから、安堵に満ちた内容になるだろう、ここは昨年とは違う。

ただしかし、「今年~度の利上げの可能性」といった地区連銀のコメントと重複するような発信は13日だけでなく、それ以降もしない。自らの首を絞めることは避け、無難なコメントに終始することになるだろう。

FOMC、というかFRBリサーチスタッフの経済ならびに2017年の利上げ見通しとしては現時点で「3度」という事になっている。昨年はこの時点で「4度」だった。

そういう中、当ブログでは昨年1月4日の記事では「今年の利上げは実質1度(利上げ) 」としてた。その後の記事も、(日経)19,000円は考えられない(1月24日)としていたが、実質的にはそうだったわけでしょう?ヒラリー当選だったらこの予想は鉄板だったと感じている。今年は何度か?

トランプの安直ながらも本質を突いたスタンスを考えれば、金融政策担当のスタッフを介して(FRBに)圧力を掛けてくる可能性は否めない。昨年はFRBを口撃していたが現在は違うだろう、雇用の創出・労働市場のスラック解消といったところで、真意的なところではFRB高官と一致しているように映る。このあたりに関しては仮にヒラリーが大統領に当確しても同じだっただろうが、つまり何が言いたいのかといえば、「誰もドル高を望んではいない」という事。

トランプの圧力で「利上げ3度見通し」は崩れるだろうし、実際、3度も利上げするほど、または皆が思っているほど米国のインフレ率は上昇しない。昨年、11月下旬にOPEC総会にて減産合意が為された時も、諸々の理由から「近くて遠い55ドル」と明記していたが、実際、1月12日現時点まで55ドルには到達していない。

米国ではエバンス筆頭とする地区連銀総裁がインフレ懸念および利上げペースの加速化(年3度)に警鐘を鳴らしているが、上記諸々の理由から、それら懸念シナリオは杞憂に終わる可能性がある。上記リンクにあるように、当ブログでは昨年最初の記事では「実質は1回あるかないか」といった。今年は「1.5回」を予想する。2度目が実施されても驚く事はないが、「現時点では」昨年・一昨年に続き「年1度」で終わる可能性の方が僅かながらに高い、という意味合い。 さらに目先の話をすれば昨年のように1月下旬(1月FOMC)以降、国際金融市場が「滑り台」となることはないだろう、突発的な地政学リスクでも起こらない限り。 そんなわけで今年もよろしく。

そうそう、一見、トランプ会見は取りに足りないものだった、と早くもいわれているが、個人的に印象に残った場面は倫理的なコメントの箇所。「私はこのようにメディアの誤報に反論する事ができるが、多くの人は反論できずメディア誤報によって人生を台無しにする」(なので誠意をもって事実を報道しろ)とマスコミを批判した箇所。ここは印象に残った。

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