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コレは欲しい! 未来家電目白押しのCES──コデラ総研 家庭部(80)

テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第80回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「コレは欲しい! 未来家電目白押しのCES」。

文・写真:小寺 信良

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1月2日から10日まで、CES取材のために米国ラスベガスに出張している。CESとは世界最大のコンシューマ家電のショーで、今年が50周年だそうである。

家電のショーとはいえ、これまでの展示はテレビやスマホなどデジタル/モバイル機器が多かった。だから多くのデジタル系ライターが詰めかけているわけだが、最近は生活家電もロボット化したりIoT化したりしているので、そういうものも徐々に展示されるようになっている。

今回はそんなCESの中で見つけた、自分でも欲しくなった家電をいくつかご紹介ししょう。

現実路線をまじめに進むLGエレクトロニクス

デジタル機器から家電まで作る総合家電メーカーは、すべてがIoT化されたデジタルホームのビジョンを描いてみせるところが多かった。基礎技術はすでに積み上がっていて、あとはいつそれを製品にして売るか、と言う段階になってきているが、その中にあって韓国のLGエレクトロニクスは、もっと現在に近いアイデア家電を多数展示していた。

洗濯機の「TwinWash」シリーズは、上部がドラム式、下部に小さい縦型の洗濯槽を備えている(写真1)。これ、ドラム式洗濯のユーザーで、子供がいて自分が洗濯を担当する人ならよく分かると思うのだが、靴下や体操着など、どうしても縦型の洗浄力でガツッと洗わないと落ちないものが少量ながらあるものだ。

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写真1:上下2段の洗濯槽で洗える「TwinWash」

普通なら手洗いで頑張るところだが、それが1台の洗濯機で済ませられるのならそれに越したことはない。すでに米国では投入されているようだが、日本では発売されていないようだ。文化の違いやコストも含めていろいろハードルはあるだろうが、子供が元気に服を汚してくる間に、一度使ってみたいものである。

同じ洗濯物でもスーツや制服などは、自宅で気軽に洗うことは憚られる。梅雨時など匂いが気になるときは、ハンディースチーマーなどを使ったりしているわけだが、「LG Styler」はハンガーに掛けた衣類をスチームでクリーニングしてくれる機器だ。細長い冷蔵庫のような形で、およそ20分でシワを伸ばしたり匂いを取ったりしてくれる(写真2)。

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写真2:スチームでデリケートな衣類もメンテナンス

スチームを使うと、すぐ着るときにしっとりして気持ちが悪いが、乾燥機能もある。風を送りつつハンガーにかかった衣類をゆらゆら揺らしながら乾かしてくれるのだ。価格的には2000ドルぐらいするので、ある意味贅沢品ではあるのだが、価格がグッと下がって10万円台まで落ちてくれば、すぐに着たい服の匂いが取れるというところで費用対効果が合うポイントが見つかるだろう。

新しい調理の形を提案するパナソニック

パナソニックブースでは、開発中の技術をふんだんに盛り込んだダイニングキッチンのコンセプト展示がなかなか興味深かった。以前からデジタルサイネージ用として開発している透明な有機ELパネルを、家庭用ワインセラーの扉に使うことで、棚ごとの庫内温度を管理したり、ボトルを取り出したときにそれをスキャンして、その味に合う料理のレシピを提案したりしてくれる。

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写真3:ワインセラーの扉も情報ディスプレイに

すべての酒を把握するのは大変だろうが、データベース次第、あるいはレシピサイトと連携次第では実現できそうな機能である。

コンロもIH化を極めれば、調理台とコンロとの境目がなくなる。テーブル上の広い範囲でIHによる鍋料理ができるのだが、好きな位置に鍋が置ける(写真4)。また調理中に邪魔になったら、鍋の場所を動かすこともできる。鍋がどの部分にあるのか、鍋をどこに移動したかは上部の換気扇部分に埋め込まれた複数台のカメラで把握する(写真5)。

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写真4:テーブル上のあちこちにIHの調理スポットがある

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写真5:換気扇部分にカメラが埋め込まれている

ダイニングテーブルにも、調理機能を持たせることが可能だ。テーブルトップに埋め込まれた目印のところに未調理の具材を載せたお皿を置くと、電子レンジ機能が動作して目の前で調理が進む(写真6)。これまで電子レンジは箱状のものという固定概念があったが、空間の中でも安全に使用できる技術を開発したという(写真7)。

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写真6:マーク部分に皿を置くと、電子レンジ調理ができる

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写真7:フタには特に秘密はなく、調理時のハネを受け止めるもの

これまでの家庭の食事は、作る人が1人で頑張って、できたらみんなを呼ぶというスタイルだった。仲のいい友人を招いてのパーティも、結局は調理している人だけ話に入って楽しむことができない。だがこのような調理家具が登場すれば、家族の団らんやホームパーティの様相も変わっていくのではないだろうか(写真8)。

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写真8:火を使わないダイニングキッチンの未来はこうなるかも?

問題は、これだけの規模のものを一気に導入するとなるともはやリフォーム程度では済まず、家を建てるときから設計しなければならないところだろう。おそらく最初は高コストなので、本当にソーラーパネルでも積んだ新築一戸建てでしか導入できないだろうが、部分的にでもアフターマーケット向けにリファインしてくれれば、みんながライフスタイルの進化を享受できるようになる。実用化は3、4年後というが、今から楽しみにしておきたい。(つづく)

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