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「水中に沈む」野田幹事長が天皇退位特例法で強気な理由

 年明け解散がなくなり、当面の最大の政治課題となったのが、天皇陛下の退位に向けての法整備だ。水面下では、既に“暗闘”が始まっている。

 安倍政権は、陛下一代限りの特別措置法(特例法)とすべく調整を進めているが、これに真っ向から反対しているのが、最大野党・民進党の野田佳彦幹事長(59)だ。

 野田氏は、恒久的に退位が可能となる皇室典範の改正を主張。昨年末の記者会見では「毎回特例法だと、感度の悪い政権がほったらかしていたらどうするのか!」と珍しく語気を強めた。12月29日には漫画家の小林よしのり氏との対談で「皇位継承者に嫁ぐ女性は、男の子を産む機械にならなければならないのか」などと、皇族の「人権問題」にも切り込んだ。

 踏み込んだ発言を続ける理由を、宮内庁関係者が語る。

「野田氏は首相在任中にも皇位継承の問題に取り組んでいた。女性宮家の創設に積極的だったのは、陛下のご意向に沿ったものと見られています。宮中、中でも陛下の信頼が厚いと言われています」

 民進党関係者も「世論も特例法ではなく、恒久的な制度を望む声が圧倒的で、野田氏は宮中と世論を味方にしている」と指摘する。

 さらに、すっかり鳴りを潜めていた自民党の石破茂前地方創生担当相(59)も、特例法に反対の立場だ。

 石破氏は昨年12月のラジオ番組で「私は特措法(特例法)というものにあんまり得心していない。(皇室典範を)変えていかなきゃいけない」と明言した。石破氏は自身の派閥で、退位をめぐる議論を独自に進める考えだ。

 野田、石破両氏が特例法反対で足並みをそろえたが、皇室の問題だけに、国会で全面対決するわけにはいかない。

 ただ、安倍晋三首相を支持する右派も、特例法反対の論客が多い。

「官邸は当初、退位問題をなるべく事務的に処理する方針で杉田和博官房副長官が調整にあたっていました。ところが、政府の有識者会議に呼ばれた右派の論客たちが退位に猛反対。さらに、陛下のご意向が特例法反対であることは公然の秘密となっており、一つ間違えれば、コアな支持層や世論の反発を受けかねない」(官邸関係者)

 民進党の現状については「水中に沈んでいる」と自虐する野田氏だが、珍しく強気を貫けば、思わぬ政局となりそうだ。

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