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「少女像」社説で日本政府批判する朝日新聞にその資格はあるのか

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 久しぶりに社説読み比べをいたしましょう。

 お題はもちろん、釜山総領事館前「少女像」であります。

【朝日社説】韓国との外交 性急な対抗より熟考を

http://www.asahi.com/articles/DA3S12736091.html?ref=editorial_backnumber

【読売社説】少女像釜山設置 日韓合意を損なう不法行為だ

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170105-OYT1T50182.html

【毎日社説】釜山の少女像 合意の崩壊を危惧する

http://mainichi.jp/articles/20170107/ddm/005/070/019000c

【産経社説】釜山の慰安婦像 反日では墓穴掘るだけだ

http://www.sankei.com/column/news/170107/clm1701070002-n1.html

【日経社説】日韓の合意をほごにするな

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11321280V00C17A1EA1000/

 社説のような短い論説の主旨を素早く掴むのに使うテクニックのひとつに、結びの文章を抜き出して比較することがあげられます、それぞれ、誰に対して何を訴えているのか、一番つかみやすいのが結びの文であることが多いからです。

 短い論説の結びの文は落語でいえば「落ち」に当たります、読者に一番訴えたいことを最後にぶつけることが多いわけです。

 各紙の結びの文を見ていきましょう。

【日経社説】

 だが、朴氏の疑惑と政権の政策は別問題だ。朴氏の早期退陣は不可避だろうが、仮に政権交代後に慰安婦合意を含めた国際的な約束事がほごにされれば、韓国は国際社会での信認を失う。韓国政界にはこうした負の影響を十分に考慮に入れた慎重な言動を求めたい。

 日経は韓国に対して「負の影響を十分に考慮に入れた慎重な言動」を求めています。

【産経社説】

 核実験やミサイル発射など北朝鮮が暴挙を繰り返し、日米韓のより緊密な連携が必要な時期であることを忘れてはなるまい。

 バイデン米副大統領は6日の安倍晋三首相との電話協議で、日韓合意が「双方によって着実に履行されることを強く期待する」と述べた。安倍首相は「逆行することは建設的ではない」と応じた。

 大統領失脚で国内が混乱しているときだからこそ、真の敵を見失ってはならない。

 産経も韓国に対して「真の敵を見失ってはならない」と警鐘を鳴らしています。

【読売社説】

 日韓関係は、合意を契機に改善に向かいつつあった。新たな少女像の設置が、その動きに冷や水を浴びせた。日本国民の嫌韓感情が再び高まるのは避けられまい。

 日本との歴史問題を名分にすれば、国内法、国際法や他国との取り決めを順守しなくても許容される。そうした韓国の独善的な体質は、対外的なイメージを低下させるだけである。

 読売も韓国に対して「独善的な体質は、対外的なイメージを低下させるだけである」と批判しています。

 以上、日経・産経・読売の3紙に対して、毎日・朝日の社説の結びは少し明らかに趣(おもむき)が異なります。

【毎日社説】

 だが実際には、合意に基づいて設立された財団による元慰安婦らへの現金支給事業は順調に進んでいる。合意時点で生存していた元慰安婦の7割超が事業を受け入れた。韓国ではほとんど報じられていないが、当事者の意向はもっと重視されるべきだ。

 慰安婦問題は日韓ともに国民感情を刺激しやすい。両国は、嫌韓と反日という不毛な感情的対立を生まないよう冷静な対応に努めてほしい。

 毎日は、韓国だけではなく日本も含めて「両国は、嫌韓と反日という不毛な感情的対立を生まないよう冷静な対応に努めてほしい」と訴えています。

【朝日社説】

 日韓合意は、元慰安婦らの心の傷をいかに癒やせるかを双方が考え、知恵を出し合った結果であり、いまの両政府の関係を発展させる出発点でもある。

 この合意を侵食するような行動は双方が慎むべきだ。

 両政府は合意の精神を着実に実践し、両国民の理解を深めるよう心を砕いてもらいたい。

 朝日も、日韓両国に対して、「両政府は合意の精神を着実に実践し、両国民の理解を深めるよう心を砕いてもらいたい」と訴えています。

 ・・・

 各紙韓国による「少女像」の設置行為に対しては批判的ですが、その色合いはまちまちですね、興味深いです。

 社説の内容をもう少し細かく分析して、韓国に対して厳しい論調の順に並べると、

 読売>産経>日経>毎日>朝日 

 と、まあ大方の読者の予想通りとなるかと思います。

 で、結びの文の訴えだけで比較しますと、韓国批判のみの読売・産経・日経に対して、日韓両国に自制を促す毎日・朝日との色分けができるのであります。

 が、しかしです。

 実は毎日社説と朝日社説には海より深い相違点があるのは誰が読み解いても明らかなことであります。

 単純にカテゴライズさせていただければ、

 読売・産経・日経・毎日 >>>>>>>>>>>>>> 朝日

 と、こんな感じで、朝日社説だけが完全に浮きまくっているのであります。

 今回の件で、5紙の社説で、韓国以上に日本政府の対応を批判しているのは朝日新聞ただ一紙だけなのであります。

 日本政府の対抗措置を「冷静さを欠いている」と批判いたします。

 ここまで性急で広範な対抗措置に走るのは冷静さを欠いている。過剰な反発はむしろ関係悪化の悪循環を招くだろう。日本政府はもっと適切な外交措置を熟考すべきである。

 また日本政府の行動は、「少女像問題をきっかけに経済協議や人的交流も凍結するというのでは、自らの主張と行動が反対になる。今後の対韓交渉で説得力を失う」と痛罵いたします。

 日韓政府間ではこれまでも、歴史認識問題のために関係全体が滞る事態に陥った。

 だからこそ、歴史などの政治の問題と、経済や文化など他の分野の協力とは切り離して考えるべきだ――。そう訴えてきたのは、当の日本政府である。

 少女像問題をきっかけに経済協議や人的交流も凍結するというのでは、自らの主張と行動が反対になる。今後の対韓交渉で説得力を失うものだ。

 極めつけは次の一文です。

 ここまで日本政府を批判したうえで「日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い」とこうです。

 日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い。一昨年の日韓合意では、ソウルの日本大使館前にある少女像の扱いについて、韓国政府が「適切に解決されるよう努力する」ことが盛り込まれた。

 「日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い」

 韓国政府の責任は日本政府とおなじぐらい重いのだって、すごい表現です。

 なんだこの「不平等なほどの喧嘩両成敗」的平等主義は!!

 ふう。

 明らかに朝日社説は、韓国のみならず日本政府への批判にかなりの字数をさいていることが理解できます。

 というか、この局面で日本政府批判を展開している社説は主要紙の中で朝日新聞だけなのであります。

 ・・・

 今現在、釜山総領事館前「少女像」を見て当ブログが思うところは、一連の朝日新聞従軍慰安婦ねつ造報道がなければ、もしかしたらこの「少女像」はここに設置されていないだろうに、という虚しい虚脱感なのであります。

 「日本軍関係者がいたいけな少女を強制的に連行して慰安婦とした」という出鱈目な朝日新聞ねつ造記事さえなければ、日本領事館の前に「少女像」は設置されてはいなかった可能性を思うとき、この「少女像」設置の諸悪の根源は朝日新聞にあるとすら、思えてくるのであります。

 ここから朝日新聞の「大罪」を再度検証しておきます。

 1991年8月11日付け朝日新聞記事の書き出しです。

日中戦争や第二次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」(尹貞玉・共同代表、十六団体約三十万人)が聞き取りを始めた。

 <「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」>、普通の日本語能力があれば、読者はこの書き出しは極めて事実報道記事としてあいまいなことに気づきます。

 いったい誰がこの気の毒な女性を連行し売春を強いたのか、肝心の主語がないのです。

 この主語がない書き出しが極めて意図的で重要なのであります。

 この問題の記事冒頭部分に関して、朝日新聞は3年前の12月、実に掲載より23年の長きを経て、「誤りとして、おわびして訂正します」と謝罪、過去記事データベース上も「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」との事実無根との「おことわりをつけます」としました。

 つまり、<『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、>の部分は、朝日新聞自身が「誤りとして、おわびして訂正します」、「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」と、謝罪して訂正すべき事実無根の文章であったことを認めています。

 実際はこの女性はキーセンに40円で売られ養父に中国に連れていかれたことが12月6日の裁判の訴状でも明らかになっているのですが、その事実を隠し、本人が言ってもいない<『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、>と付け加えていたことこそが、本記事が単なる「誤報」ではなく「捏造」記事であると批判されてきた所以です。

 で、このねつ造記事は朝日新聞のねつぞう第二弾だったわけですが、それはねつぞう第一弾記事のつじつまをあわせるためだったわけです。

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