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成人式のニュースでは、新成人のことはわからない。

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成人式のニュースを見ると、自分の時のことを思い出す。と書きたいところだが、殆ど思い出せない。出席してないし、関心もなかったからだ。どうしてたかな?と訊ねたりSNSに書いても、同世代の反応はそんな感じだった。

所属していたサークルの大イベントが年明け早々にあってそれどころじゃない、という個人的な理由もあるけれど、それほど熱心になるようなイベントではなかった気がする。

成人の日は、1999年までは1月15日だった。これがまた微妙な日程で、年末年始に帰省した人は、さすがに戻りにくい。成人式は原則として、現住所の自治体が主催しているもの参加するから、たとえば北海道出身の人が東京都大田区の成人式に出ることになる。

大学や勤務先が、故郷と離れていれば足を運びにくいかもしれない。

僕は都立高校に通っていたが、同級生の中には在学中に郊外に引っ越した者も結構いた。彼らにとっては、そういう町の成人式に行っても知り合いは殆どいないわけで、あまり出ようとは思わなかったのではないか。

だから、いまでも成人式が盛り上がるのは人の流動性が低いエリアなのだろう。自治体単位で式をおこなうのだから、「昔からの知り合い」がミッシリと住んでいる方が盛り上がる。代々にわたって家業を継いでいるような人がいれば、なおさらいいのだろう。

そう考えてみると、「20歳の居住地に知り合いがたくさんいる」という人は、どれだけいるのだろうか。もっとも、「友達はいなくても式には行く」人もいるだろうけれど、それでは盛り上がらない。

そして、中学から私立に通ったりすると、その時点で地域社会との関係は希薄になる。その上、先に書いたような「20歳までに転居」という人もいる。

成人式をいくら報道しても、新成人のリアルは見えない気もするし、ましてやその現象だけで「いまの若者」を語るのは意味がないように感じる。

そんなことをSNSに書いてたら、私立女子高などでは「成人の日の同窓会」をやっていて、そちらの方が盛り上がっていんじゃないか?という話があった。

都心のホテルなどでおこなわれていて、別室には母が集まるらしい。私立中高の濃密な感じから行けば、容易に想像はつく。

成人式の同窓会プランなどは、たくさんあるようだ。ただし、いろいろ調べてもそうした同窓会のことはよくわからない。私的な会なのだからニュースの対象にもならないから、メディアはみな公的な「成人式」ばかりを取り上げる。

でも、そこには映し出されない新成人たちもたくさんいるのだろう。

僕自身は20歳の時に何を考えていたのか?それを思い出すのは難しいが、読んでいた本は覚えている。こんなことを書いていて思い起こしたのは成田美名子の『エイリアン通り』(エイリアン・ストリート)というコミックだ。

ロサンゼルスの大豪邸に住む学生のもとに、フランス人留学生が転がり込んできて、イギリス出身の執事や日本人の娘と織りなしていくという、まあ身も蓋もない表現だけど「青春ものの一大傑作」だと思う。

そして、舞台は米国。当時はちゃんとした情報もないままに、半ば無理やりにも国外へと眼を向けさせられていて、その気になっていた。

それがいいかどうかは分からないけれど、たしかに「地元の成人式」に行く気分ではなかったのかもしれない。

ただ、このコミックは時代を超えた「芯のある」作品だと思ってる。

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