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もう一つのアナログ音源「カセットテープ」に再注目 若者人気もじわり

[写真]日立マクセルが昨秋発売した音楽用カセットテープ「UD」デザイン復刻版

 スマートフォンでデジタル音源の音楽を聴くのが当たり前の時代ですが、アナログな「カセットテープ」の人気が盛り返してきています。電子機器が苦手な高齢者の需要だけでなく、「コンパクトでかわいい」とファッションに敏感な若者層がレコードショップでテープを手にする姿も目立つといいます。昨年11月末には日立マクセルが1970年代に活躍したカセットテープのデザイン復刻版を限定6万本発売、順調な売れ行きを示しており、幅広い層でその魅力が再認識されているようです。

ラジカセやカーステの定番だった

 カセットテープは70年代から80年代を中心に音楽用の記録メディアとして人気を集め、当時はアーティストもレコードと並行してミュージックテープをリリースしていました。ラジカセやカーステレオの定着もあり、自分の好きな音楽を編集してテープに録音する若者も多くいました。ですが90年代に入ってCDやMDが台頭し、次第に市場規模が縮小。2000年代以降は圧縮技術の進化でデジタル音源が気軽に配信される時代となり、カセットテープの生産を打ち切るメーカーも出ていました。

 しかし、ここ数年欧米でレコード盤などアナログ音源の音の良さを見直す動きが広がり、それに呼応してカセットテープも再注目されています。

 2014年8月にはアナログレコード、CDを扱うレコード店「HMV record shop 渋谷」(東京)がオープン。最初は店の一角で扱っていたミュージックテープですが、最近では売り場面積を拡大しているといいます。HMVでは昨年10月に渋谷に続いて「HMV record shop 新宿ALTA」(同)も立ち上げ、約1000本のテープ商品をそろえているといいます。

 新宿店の竹野智博店長は「当初渋谷店で90年代のロックのミュージックテープを置いたところ、反応がかなりよかった。2015年3月にはテープのイベントを実施したところ朝から数十人が行例して、商品を品定めする姿を見て手応えを確信した」と話します。売れ筋はオアシスやニルバーナなど90年代のロックや、大滝詠一、山下達郎などのアルバム作品。90年代はテープからCD、MDに以降した時代でミュージックテープが希少という背景もあり、こうした商品が人気になっています。

「小さくてかわいい」と新鮮

 購買層はテープに慣れ親しんだ40~50歳代が中心のようですが、「ファッションが好きで、おしゃれに敏感な若者層が、小さくてかわいいとデザイン性の高さに注目しているようだ」と竹野店長は指摘。「テープ独特のこもった音が耳になじむという面がかえって新鮮なようで、若い女性が一人で見て選んでいることも多い」といい、カセットテープを知らない世代にも広がっています。

 国内アーティストも最近ユニコーンやサニーデイ・サービスがカセットテープ作品を発表したほか、大貫妙子が約40年前に発表したセカンドアルバム「SUNSHOWER」をカセットテープで再販しました。アイドル業界でもでんぱ組.incなどが新譜をテープで出しています。

70年代の人気モデルを復刻

 1966年に国内初のカセットテープを製品化した日立マクセルは発売50周年を記念して、昨年11月末に70年代の人気カセットテープモデル「UD」シリーズのデザインを復刻した製品を限定6万本発売しました。オープン価格ですが60分テープで390円程度といいます。「カセットテープになじみ深い世代にはノスタルジーを、若い世代には新鮮さが感じられる製品。発売前から問い合わせも多く、順調な売れ行きを示している」(同社)。

 日本産のカセットテープの品質は高く評価されており、特にメタルテープはネットオークションで高値で取引されているといいます。

 一方、テープをどのように再生するかという問題があります。再生のみができる数千円のプレーヤーもあるようですが、より音を楽しみたいというユーザーは数万円単位のビンテージラジカセを購入する人も少なくないようです。「2017年前半には国産メーカーが1万5千円程度のハードを投入するという話もあるようだ。デザイン性の高いハードが登場すればよりカセットテープに注目が集まるのではないか」(竹野店長)とみています。

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