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「子供授かる貴重な時間、無駄にしないで」ダイアモンド☆ユカイさんが語る男性不妊

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「子供授かる貴重な時間、無駄にしないで」ダイアモンド☆ユカイさんが語る男性不妊

土屋:「土屋礼央のじっくり聞くと」、今日はダイアモンド☆ユカイさんをお迎えして、男性の不妊治療についてうかがいます。

2011年に発行した著書「タネナシ。」で、無精子症であることを発表したわけですが、実は僕、男性の不妊治療についてはユカイさんの話を聞くまで知らなかったんです。

今回は、お話を聞いて「自分も検査を受けてみようかな」と考える人が増えてくれればいいと思ってます。

まず、男性不妊とはどういうものなんですか。

■100人に1人が「無精子症」


ユカイ:精液の中に精子が含まれていない「無精子症」というものがほとんど。それ以外にも精子があまり動いてない「精子無力症」とかいくつかあるんだけど、大半は無精子症だね。

さらにその中に「閉塞性無精子症」と「非閉塞性無精子症」というのがあって。普通は精巣で作られた精子が精管を通って出るんだけど、その精管が詰まった状態が「閉塞性無精子症」。これって、精液は出るし痛くも痒くもないし、自分ではまったくわからない。ところが精液を検査すると、精子がゼロっていうもの。100人に1人の割合でいる。

「非閉塞性無精子症」というのはちょっとやっかいで、精巣の中で精子が作られていない。精子の成分みたいなものは存在するんだけど精子は存在しない。「非閉塞性無精子症」の人の確率はもっと低いんだけどね。

土屋:これは、生まれつきなんですか?

ユカイ:それがね、わからないんだよね。俺の場合は…これは推測なんだけど、鼠径ヘルニア(脱腸)を子供の頃に2度経験してて。調べると、無精子症の原因のひとつに「鼠径ヘルニアだった人」「手術したことがある人」っていうのがあるの。

当時の鼠径ヘルニアって、必ず手術してたんだよね。腸と精管をつないでねじって、それで詰まった可能性がある。精管は2本あるんだけど、俺は2回手術してるから、それで無精子症になった可能性があるんじゃないかと。こればかりは、本当の原因はわからないんだけど。

■男性の不妊手術はそんなに大変じゃない


土屋:100人に1人の「閉塞性無精子症」だと診断されて、最初はどう思いました?

ユカイ:俺はロックンローラーだから、そういう「オトコ」をウリにしてきたし、ブリブリのバリバリで生きてきたわけだよね、女性もブイブイ言わせてさ。

で、避妊はしてたけど、「ちょっと失敗したな」って時もあったわけ。それでも子供ができない。「できちゃった」って言われたことも何度かあって、その時は検査も何もしてないから焦ったよ。でも相手の話を聞いていると、どうもつじつまが合わないわけ(笑)。

そんな俺が無精子症だと知った時は、「全て終わった」ってくらいの落ち込みだった。「俺は男じゃなかった」ってね。だって子供を授かる能力がないってことだから。

それでぶち当たったのが、男性不妊治療。その時に俺は「男として」ってことを突きつけられた。

土屋:ユカイさんが治療していた頃、治療費はいくらくらいかかったんですか。

ユカイ:今は助成金が出るようになったんだけど、俺の場合は何十万かかかったと思う。全部合わせると100万円くらいかな。

土屋:具体的にはどういう治療をするんですか。

ユカイ:まず、男性不妊の手術をしなくちゃいけない。手術の方法も2通りあって、精管を元に戻すのと、精巣を切ってその中から精子を取り出す方法。精巣を切ったほうが簡単なんだけど、その手術というのが男子にとってはちょっと恐怖だよね。俺は恐怖感の塊だった。

土屋:(恐る恐る)全身麻酔ですか。

ユカイ:部分麻酔。そのくらい簡単だってことなんだよ。俺も「全身麻酔してくれ」って言ったんだけど(笑)。

土屋:そこからどんな手術が?

ユカイ:俺の場合、最初はTESEと言う手術をして、その後にMESAって手術をした。MESAっていうのは特製のスポイトみたいなもので精子を吸うんだよね。術後の回復も早いから、そんなに怖がらなくても大丈夫。

この手術で精子を取り出してから、本当の不妊治療が始まる。体外受精ってことだよね。精子を普通に子宮に入れる方法(人工授精)もあるけど、卵子を取り出して外で受精させたものを子宮に戻すほう(体外受精)が確率が高い。体外受精の中でも「顕微授精」っていうのがあって。これは一番元気のいい精子と元気のいい卵子を顕微鏡で見ながら体外受精させて受精卵として子宮に戻す方法。

土屋:その「顕微授精」で、成功率は何割くらいなんですか?

ユカイ:一応、20%って言われてるね。

土屋:女性側の体の負担も大きいですよね。

ユカイ:そう。男性の場合は、人にもよるんだけど1回の手術で何回分かの精子が採れてるから、それを保存しておけばいい。でも女性の不妊治療を見てると、もっと壮絶なんだよね。男の比じゃないくらい辛いんだよ。卵子をとったり、ホルモン注射を打ったり。で、うちは2回うまくいかなかった。

土屋:奥さんのメンタルにも、相当ダメージがあったのでは?

ユカイ:顕微授精で受精卵を作って子宮に戻すじゃない? そうすると不思議なもんでさ、もうお腹にいるんだよ。俺は女性じゃないからわからないけど、「お腹の中で育ってる」って気持ちが大きいみたいで。

だから「結局、着床しませんでした」って医師に言われた時のショックは、男性の比じゃないよね。体も傷ついてるし、お金もかけてるんだからね。だから、流産するのと同じような感覚じゃないかなと、俺はそこまで言えないけど…思う。

土屋:それが2度も続くと…。

ユカイ:不妊治療をやってる人はわかると思うけど、2度目が終わった時は「このままこれが続くのか」って思った。人生が不妊治療みたいになっちゃう。

一緒にいるパートナーとして、ずっとそこに関わっていくさけだからさ。やっぱり、苦労している女性の姿を見てると放っておけないし、ホルモン注射を打つと、人によっては更年期障害みたいになったりするからね。

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