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ワセジョは如何にして”残念”となりしか

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こんばんは、「ワセジョ」の紫式子です。

今回は「女の非モテ」問題のひとつの切り口として、「ワセジョ」について考えてみたいと思います。

「ワセジョ」をご存知ですか?



日本人なら誰でも知っている……という言葉ではないので、若干の解説をば。

「日本語俗語辞書」様の「ワセジョ」の項には、以下のように定義されています。
大抵は早稲田大学に通う女子大生を意味し、勉強ばかりでマジメ、一般的に女子大生が好むとされる。ファッションやスイーツにもあまり関心がなく、女っぽさに欠けるといった負のニュアンスを込めて使われることが多い。

http://zokugo-dict.com/44wa/wasejyo.htm
また『ワセジョ図鑑』というフリーペーパーによるユーモアを交えた定義は以下の通り。
早稲田大学に通う女子学生の総称 ←→慶應ガール

高田馬場から早稲田にかけて多く生息し、所沢などにも亜種が確認されている。一般的にお洒落に疎く、ファッションには無縁の存在と見なされる。俗に男勝りで可愛げがない様を表す言葉として使われることもある。 

 【用例】

 『女子大生はカクテル、―はビール』

 『―って残念だよね』

 【諺】

 『世の中には、男と女と―がいる。』

http://bizukan.exblog.jp/
「ワセジョ」という言葉をご存じなかった方も、何となくイメージを掴んでいただけましたでしょうか。ざっくりまとめると「女として残念な存在」というイメージで使われている呼称です。

当然のことですが、早稲田大学在籍/出身の女性が全員上記の定義に当てはまっている訳ではありません。個人的にも、恋愛上手で『CanCam』や『JJ』風のファッションを好み、キラキラデコグッズを持ち歩く「女っぽい」同窓生を、何人も知っています。「ワセジョ」という言葉自体を知らない方がいたり、普段の会話に出てこなかったりすることから、

「ワセジョ自身が自分で意識しているほど、世の中の人々はその女性がワセジョであることを意識していない」

「ワセジョを自称すること自体、ワセジョの自意識過剰なのではないか」

という見方もできます。

とはいえ「ワセジョ」という言葉が出来てしまうくらい、早稲田大学在籍/出身の女性に「ワセジョっぽい」タイプの女性が多いのは確かだと思います。実際に私の身近にいたのはそんなんばっかでした(・・・)。

他のあらゆるレッテルと同様、「ワセジョ」にも「非常にワセジョらしいワセジョ」もいれば「ほとんどワセジョっぽくないワセジョ」もいる、”程度の差がある”ものだということを前提としてご理解いただければと思います。

リアルワセジョの「ワセジョっぽさ」:ジェンダー



上述した通り「女として残念」とされるワセジョですが、実際のところどうなのでしょうか。

ワセジョ本人や、ワセジョの知人をお持ちの方々に伺ってみました。

★ジェンダー観への疑念・抵抗
「同期の男性に対抗心バリバリなかわいげのなさに、自分のワセジョっぷりを感じずにはいられない……」

(Iさん・第一文学部卒・女性)

「男性と知的に対等でありたいという願望を持つ女性。」

(Mさん・法学部卒・女性)

「性別に対して意識的で『女性らしさ』の押しつけを嫌う。関係ないかもしれないけど、レズビアンやバイセクシャルも多かったですねえ。」

(Yさん・第一文学部卒・女性)
「ワセジョ」という呼称がわざわざ「女子」に限定されていることから歴然ですが、性別は「ワセジョ」を語る上で欠かせないキーワード。中学・高校と成績優秀者として育ってきて、自分より「下」の男子も多く見てきているワセジョたち。高校でジェンダー関連の書籍を読んでフェミニズム思想に触れているケースもあり、「保守的な」性別役割分担には懐疑的です。私も上野千鶴子は高校時代、恩師の勧めで読みました。

★ジェンダー観への……無頓着?

性別役割分担への反発心が行動に現れ、意図的であれ無意識的であれ、「これはちょっと本人が思っている以上にジェンダー規範を外れてるんじゃね?」という事例もご紹介。
「牛丼屋、ラーメン屋に一人で入れればワセジョとして一人前かと思う。元カノがワセジョだったが、飲みに行ったときに『一杯目の生中うめぇ』と言っていた。」

(Tさん・法学部卒・男性)
私も行きましたね。

一人吉野屋。

一人松屋。

一人やすべえ(※1)。

一人がんこ(※2)。
「一人で二郎(※3)に行く。卒業してもワセ飯(※4)を求めて早稲田に行く。」

(Cさん・第一文学部卒・女性)

「早稲田の学内イベントを見ていると、女の子でも体を張ったギャグ・仮装をすることが多い印象。慶應の女の子だったら、絶対嫌がるだろうなと思うこともやる。100ハイ(※5)の時、池袋の駅にどこかのサークルの女の子が10人くらい全身タイツと白塗りでウロウロしてて、『これは慶應の女子じゃ出来ないな』と思った。あと、喫煙率・麻雀愛好率・パチスロ率は、他大の女子に比べて高いと思う。」

(Uさん・慶應卒・男性)
★アンチ「モテ志向」

上記のようなジェンダー意識を持っている結果、「モテ」に対するスタンスは以下のようになります。
「自分の行動からはことさらに『女性らしい』(=男性に好まれる、男性に媚びる)要素を排除しようとし、そのような要素を持っている他の女性に対しては、嫌悪、敵意、軽蔑、劣等感などを抱く。」

(Mさん・法学部卒・女性)

「モテメイク、モテ服など男のウケを狙う類のものを嫌悪し、我が道を進む。」

(Cさん・第一文学部卒・女性)

「流行に乗ってて華やかで可愛いくて群れるいわゆる”女子”をバカにしてる女。」


(Yさん・商学部卒・女性)
”お洒落に疎い””ファッションに無頓着”という言われ方をされていますが、実際は単に”モテ系のファッションをしない”

というだけで、ワセジョにはむしろファッションにこだわるタイプが多いと思います。

ただ個性派のおしゃれさんが多いと言いましょうか、「モテるためではなく、自己表現をするために」「自分なりのおしゃれ」

を追究するので、選ぶ「我が道」がエスニックやゴス、古着系などの総じて「モテにくい」スタイルになっているのかなと思います。

まぁ学生時代の私のワードローブの話なんですけどね!!

結果として以下のような評価が生まれます。
「垢抜けていない。合コンに連れて行ったら華がないし自分の興味分野について語りだしそうでリスキー。職場の早稲田OB・慶應OBのおじ様方にとってもワセジョは『芋臭い人種』だそう。」

(Rさん・第一文学部卒・女性)
また、これは私個人の印象になってしまうのですが、早稲田の女子でいわゆる「モテ系」の身なり・嗜好の子たちも、それを当然のことだと思っている訳ではなく自覚的・意図的に選択しているようでした。

「男性の顔を立てる自分」を言語化して意識しているんですよね。

以前「フェミニスト・フェミニズムが嫌い」というモテ系ファッションの同窓生と話をしたことがあります。既存の性別役割分担を演じ続けていた方が自分も楽に幸せになれるし、相手の男性のプライドも傷付けずに済んで充実感を感じさせることができる、というのが彼女が「モテ系」を「選択」している理由でした。

そういった「あざとさ」「計算高さ」は、ワセジョっぽさではないとはいえ、高偏差値大学の「らしさ」だなぁ、と思っています。

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