記事

【東芝と原発】

きょうは大晦日。ニューヨークでは有名なカウントダウン(New Year’s Eve Ball Drop)が行われますね。そのオフィシャルスポンサーが東芝。相当なお金をかけていると思います。 1年後にはもう出せないかもしれません。



東芝が心配です。アメリカの原発事業で数千億円の損失が出る可能性があると 27 日に発表。年末の株価は283円10銭でした。

株価が急落したことを踏まえてWSJは Toshiba Shares Plunge Over Problems at Nuclear Power Subsidiary (東芝株、原発関連会社の問題を受けて急落)と報じています。

東芝に限らず、■世界的に原子力発電所の巨大プロジェクトの建設運営が難しくなっていること、■原発の建設方法の変化(現場で一から建設するのではなく、工場でモジュールを作り、それを現場で組み立てる工法の導入)が巨額損失の背景にあると伝えています。ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


(WSJ)

2006年にライバルに競り勝って Westinghouse を54億ドル(今の為替で約 6200 億円)で買収した当時、東芝は世界的な原子力ルネサンスから利益を上げるのは確実と見られていた。

その賭けは東芝を沈没させようとしている。コストの増加や建設の遅れの結果、東芝は数千億円の損失が出る可能性があると明らかにしたのだ。投資家が一気に株を売ったため、東芝価は今週に入って急落。先の不正会計スキャンダルから復活するはずだったのに。

ウエスチングハウスを取り巻く厳しい環境を見れば、原子力産業の世界規模の成長という夢が打ち破られた理由が分かる。ウエスチングハウスは、アメリカと中国の両国で次世代の原発の建設契約を取った唯一の会社で、ごく最近まで業界のトップランナーと見なされていた。

しかし、相次ぐ失敗と想定外の問題で、ウエスチングハウスを始め、Arevaや GEといったライバルの原発プロジェクトは混乱に陥っている。

World Nuclear Industry Reportの年次報告書によると、現在、世界では13 か国で54の原発が建設中で、このうち33 が大きく遅れている。地域やデザイン(沸騰型か加圧型か)、建設コンソーシアムがどこかにかかわらず、トランブルが相次いでいる。

建設のコストを下げてスピードを上げるために、ウエスチングハウスとライバル各社は、工場で大きなモジュールを作った上で、現場で組み立てるという"紋切り型のプラント"を作る工法を編み出した。顧客ごとにカスタマイズスするからコストがかさむわけで、それをやめたのだ。

しかし、この戦略こそが裏目に出た。原子力の専門家は「現場で起きていたトラブルが工場に移っただけで、品質管理という根本の問題を解決しなかった」と指摘する。さらに、同じものを作る"紋切り型"なので、一度ミスがあると何度も繰り返しミスすることを意味した。

フランスではアレバが重要な部材をめぐって記録をごまかし、その部材がフランスやアメリカなどに使われたため、スキャンダルの対応に追われていている。科学者は「原発のプロジェクトマネージャーは、建設にかかる時間とコストをあまりに少なく見積もり過ぎていた」と語る。

ウエスチングハウスは去年12月に、 CB&I Stone & Webster を2億2900 万ドル(約 3300 億円)で買収

ウエスチングハウスと下請け会社は最近、CB&I ストーン・アンド・ウェブスターが手がけていた南部ジョージア州とサウスカロライナ州の原発建設現場で、建設の責任を引き取った。東芝の説明によると、関連会社の人員の作業効率が予想以上に悪かったことなどがコストを膨らませた。

ウエスチングハウスは、原子力発電所に使われるユニットを構成する大きなモジュールを南部ルイジアナ州のレークチャールズにある施設で作っていたが、それがうまくいかないため、CB&I ストーン・アンド・ウェブスターを買収した。

しかし、■熟練の建設作業員の確保、■品質の管理、さらに■さまざまな厳しい原子力規制をクリアするための部材調達に必要なサプライチェインの利用がうまくできなかった。

東芝の綱川智社長は会見で、この問題により数千億円の損失が発生する可能性があると述べた。東芝はアメリカと中国で現在、8 つの原子力発電所を建設している。財政事情の悪化が完成に影響するかどうかは明らかになっていないが、今回の発表で予想よりも状況が悪化していることが示された。

このうちアメリカでは、ウエスチングハウスはジョージア州とサウスカロライナ州で、電力会社のSouthernと SCANAが建設している原子力発電所に部材を納めてきた

ジョージア州で進められているSouthern の Vogtle3号機と4号機の現場では何か月も前から資金が問題になっていたと、労働組合の IBEW (International Brotherhood of Electrical Workers) 第1579 支部の代表は指摘する。

彼によると組合員のうち約 500人の電気技術者(electricians )が現場で働いているが、組合は最近、■これ以上雇用を増やさないこと、■適正な人員を検証するという通知を受けたという。

Vogtleの原発をめぐって、電力会社Southern のTom Fanning最高経営責任者は、過去の過ちを繰り返さないことを強調していた。過去の過ちとは、膨らんだコストを原発のベンダーに代わって補償するという"コストプラス契約"をベンダーと締結してきたことだ。

代わりに、価格を固定する契約 (fixed-price contracts)を通じて、自らが負担するコストを抑える努力をした。その結果、コスト増加のリスクの幾分かはベンダーに転嫁することができるという。

Southern の広報担当者は、この知恵は今週明らかになったと強調した。巨額の建設リスクをコントラクター(=ウエスチングハウス)に転嫁することで、電力会社のお客さまを守ったというのだ。

一方、ペンシルバニア州ピッツバーグが拠点の電力会社SCANA は、電力発電所の建設に対する金銭的な影響を精査していて、近く報告するという。ウエスチングハウスはコメントを控えると回答した。

あわせて読みたい

「東芝」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    前原氏が代表になれば民進終わる

    猪野 亨

  2. 2

    下村氏の無責任さ 元秘書の嘆き

    文春オンライン

  3. 3

    24時間TV直前にスタッフ飛び降り

    NEWSポストセブン

  4. 4

    村本のツイートは自衛官に失礼

    岡田真理

  5. 5

    橋下氏 東京都の情報黒塗り批判

    橋下徹

  6. 6

    「あくまで個人の感想」違法に?

    永江一石

  7. 7

    まるで漫才師 憲法学者の特殊性

    篠田 英朗

  8. 8

    鈴木五輪相に政治資金疑惑が浮上

    NEWSポストセブン

  9. 9

    意識高い系バカにした50代の末路

    PRESIDENT Online

  10. 10

    昭恵氏秘書イタリア赴任の大出世

    国家公務員一般労働組合

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDまたはYahoo!IDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。