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企業向けサービス価格指数(SPPI)はこのまま膠着状態が続くか?

本日、日銀から11月の企業向けサービス物価指数(SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で見て、ヘッドラインSPPIは+0.3%、国際運輸を除くコアSPPIは+0.5%と、小幅ながら前月統計から上昇率が縮小しています。でも、まだプラス領域にはあります。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

11月の企業向けサービス価格指数、前年比0.3%上昇 伸び率縮小
日銀が26日発表した11月の企業向けサービス価格指数(2010年=100)速報値は103.3で、前年同月比0.3%上昇した。伸び率は10月確報値の0.5%を下回った。広告や宿泊サービスの伸びが鈍った。前月比では0.1%上昇した。
品目別に見ると、広告価格が上昇幅を縮めたことが指数の重荷になった。10月にはスポーツ特番向けや金融機関の再編に伴う広告出稿がテレビ・新聞広告の価格上昇につながったが、11月は反動が出たという。

宿泊サービス価格の伸びも鈍った。日銀は「10月の大幅上昇をけん引した広告や宿泊費が元の水準に戻った」(調査統計局)として、基調に変化はないとの見方を示している。

一方、外航貨物輸送はマイナス幅を縮小した。石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産への思惑から原油価格の先高観が広がったほか、前年に比べて円高の進行幅が縮小したことも影響した。土木建築サービス、労働者派遣サービスは人手不足を背景に、人件費の上昇が続いた。

対象の147品目のうち、価格が上昇したのは49、下落した品目は62で下落した品目の方が13多かった。上昇と下落の品目数の差は、下落が8品目多かった10月から拡大した。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

このところ、企業向けサービス物価(SPPI)の前年同月比上昇率は、ほぼ0%台前半から半ばで膠着状態にあり、大きな変化は示していません。先月統計では+0.5%まで上昇幅を加速しましたが、今月は+0.3%に逆戻りしてしまいました。ただ、この程度の違いであれば、どこまで統計的に有意かは疑問であり、ひょっとしたら計測誤差と見なすべきなのかもしれません。

ただ、引用した記事にもある通り、先月も今月も広告が物価変動の無視しえない部分を占めており、今月については寄与度で見て、インターネット広告が+0.02%の物価押上げ方向での寄与を示した一方で、テレビ広告▲0.07%と新聞広告▲0.07%が逆方向の寄与を示しています。ほかに、外航貨物輸送が+0.03%のプラス寄与をしているのは、国際商品市況における石油価格の反転に伴う動きを反映している可能性があります。

また、12月以降については、決して、ダイレクトな影響ではありませんが、円安が間接的に一般物価水準を引き上げる可能性があります。国際商品市況の動向と併せて、こういった対外要因が物価を引き上げる可能性があるものの、国内の需給要因はサッパリだったりします。

例えば、本日公表された10月31日から11月1日にかけて「展望リポート」を審議した際の日銀政策委員会の議事要旨が公表されているんですが、「基調的な物価について、最近の消費の弱めの動きを映じて企業の価格設定行動が慎重化する中、弱含んでいる」と、また、「中長期的な予想物価上昇率の弱含みの局面が続いている」との指摘が複数の政策委員から出た旨が明記されています。

物価が本格的に上昇し、消費者物価(CPI)上昇率で日銀の物価目標である2%に達するのはまだまだ時間がかかりそうです。

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