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オリンピック調達方針のパブコメが今日までです。

オリンピック水産物の調達方針(案)が先日公開されました。ロンドン以降のオリンピックでは第三者が透明性を持って、持続性を確認した食材のみを提供することになっていたのですが、東京大会は「国産の水産物は漁協の自己チェックでOK」という驚愕の内容になっています。このままでは日本は水産物の持続性に関心が無いということを世界に示すことになりかねません。この件についてのパブリックコメントが今日の17時まで受け付けられていますので、本文を読んで共感された方は、是非投稿してください(投稿用の例文は文末に準備しました)。

背景

「なぜ、オリンピックで水産物の持続性なのか」という背景から説明します。ロンドン以降のオリンピックでは、レガシーという概念が重視されています。オリンピックのような大規模イベントは、どうしても環境に負荷を与えてしまいます(下図の緑線)。しかし、大会をきっかけに人々のライフスタイルが改善できれば、長い目で見れば環境にプラスなイベントにすることが可能です(下図の赤線)。つまり、レガシーとは、オリンピックが、未来の世界に対して有益なイベントになるためには不可欠なのです。

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ロンドン大会のレガシーの中には、水産物の持続性も含まれています。ロンドン大会以前は、英国における持続的な水産物は単なる言葉だけのものでした。だれも魚の生産プロセスに関心を持っておらず、公共設備や高級レストランを含む至る所で、絶滅危惧種の魚が提供されていました。

ロンドン大会では、持続的な漁業や環境負荷が小さな養殖業に由来する水産物のみを提供することにしました。未来に続いてくような漁業を応援し、それをサポートする文化をレガシーとして残そうとしたのです。そして、ロンドン大会をきっかけに、英国では持続的な水産物が一気に普及しました。

ロンドンオリンピックの持続的な水産物の基準を英国全体に広げるために「持続的水産物都市」という新しいプログラムが立ち上げられました。消防署など多くの公共機関の食堂で、持続的な水産物が提供されることになった。交通局400万食、警察500万食。これは始まりに過ぎない。主要なケータリングサービスで、オリンピック基準が採用された。学校、刑務所、軍隊など多くの場所で持続的な食が提供された。これらを合計すると2億食になる。2012年のフードレガシーは現在でも至る所で実感できます。

リオ大会でもロンドン大会を踏襲し、透明性が高く世界的に評価が高いMSCのエコラベルを調達方針としました

これまでの議論

魚食大国の日本はどのようなレガシーを東京大会で残すのか。世界の注目が集まっています。私も日本の消費者が水産物の持続性に関心を持つきっかけになれば良いと期待をしていました。つい先日公開された調達方針(案)は、輸入についてはこれまでどおりMSC認証を要求する一方で、国産については漁協の自己申告でOKにしようという明らかなダブルスタンダードです。

問題点についてはこちらに整理しました。

外部のサイト(シーフードレガシー)ですが、こちらも良くまとまっています。

水産物の調達基準(案)は、以下の点において、持続性が示されたもののみを提供するというIOCの基本理念に反しています。

1)加工品については、主原料すら調達基準が適用されない
2)国際基準に準拠しているとは言い難い国内の業界団体認証(MEL/AEL)を採用している
3)認証がない水産物であっても、漁協や行政の自己チェックのみで調達可能としている

私としても、東京大会は国産の食材でおもてなしをしたいという気持ちはあります。だからといって、これまで五輪が培ってきたレガシーを無視して良いことにはなりません。オリンピックは国際イベントですから、国際的な基準を尊重する必要があります。国産品が調達しやすいように恣意的にハードルを下げたならば、日本全体のイメージダウンは逃れられません。

パブコメ例文

このままでは、後に残るのは負の遺産ばかりになってしまいます。このままではまずいと思う人は、パブコメに意見を送ってください。(パブコメの詳細はこちら

エクセルファイルで提出をしないといけないので、こちらで記入済みのものを準備しました。

パブコメ例文ファイル:ダウンロードはこちら

御自分の名前と連絡先を記入したうえで、メールに添付して、sustainability@tokyo2020.jpまで送ってください。メールの件名は、「持続可能性に配慮した調達コード(案)に関するご意見」と記載ください。

私たちの声で、東京五輪をより良い大会にしましょう!

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