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安倍・プーチン会談、北方領土問題で「前進があった」と言えるこれだけの理由

12月16日、安倍晋三首相とプーチン大統領との歴史的な会談が行われた。明けて17日の新聞各紙は、この会談について、「経済協力優先、北方領土の溝埋まらず」「領土進展なし」「進まぬ返還、経済優先」など、否定的な報道が多かった。

本当に会談は失敗だったのか。安倍首相が、一方的にやられただけなのか。僕は、北方領土の問題で、一定の前進があったと思っている。

17日、「激論!クロスファイア」に出演した鈴木宗男さんは、今回の会談を、「大きな第一歩だ」と明言した。鈴木さんは長年、日露関係に深く関わってきた。北方領土の問題に誰よりも詳しい人物だ。

2001年まで、日本政府は「北方領土返還」、つまり四島すべての返還を目指してきた。しかしこの年の3月、当時の森喜朗首相とプーチン大統領が会談した。そこで発表されたのが、イルクーツク声明だ。実は、このとき日本は「二島返還論」へと方針を大きく転換したのだ。これに対してロシアも、かなり好感触だったという。しかし、その後の小泉純一郎内閣の時代に、「二島返還論」を否定した。またも「四島一括論」に戻してしまったのだ。

ロシア側が、7日に行われたインタビューで、「日露が平和条約に向けて進めてきたことを、否定したのは日本だ」とプーチン大統領が強調したのは、この点を踏まえている。もちろん、ロシア国内に向けてのアピールもあるだろうが、事実は事実である。今回の安倍プーチン会談に至るまで、このような経緯があった。

ロシアは「領土問題はない」と言う。正当に得た領土だということだ。日本は「北方領土は不当に占拠された」と考えている。相反する意見を持つ二国が、それぞれ自分の主張ばかりしていては、未来はないだろう。だから過去にとらわれない、新たなアプローチをしようというのだ。

現在、北方領土は、ロシアが実行支配している。そこを、両国の「特別な制度」のもと、共同経済活動を行うと決定したのだ。だから、鈴木さんは、「大きな一歩だ」と言ったのである。

今回の日ロ両首脳の会談について、「領土問題置き去り」だと非難するような報道が多い。だが、決してそうではない。山口で安倍首相とプーチン大統領は、通訳のみ同席で95分、話している。極めて微妙なことを話し合ったはずだ。日本とロシアは、戦後71年の間、平和条約すら結んでいない。この状態が異常だと、両首脳は百も承知のはずなのだ。

「『私たちの世代』で解決したい」と両首脳は強調した。安倍首相が、2018年9月の自民党総裁選で再選される可能性は高い。すると、総理大臣の任期は、さらに3年、2021年9月までになる。一方、プーチン大統領もまた、2018年の大統領選で、ほぼ間違いなく再任されるだろう。任期は2024年までになる。

お互いに細かな条件を詰めに詰めて、早ければ2018年秋に予定されているウラジオストクでの会談、あるいは2020年ごろまでに、北方領土問題解決、平和条約締結への道筋をつけるのではないか。僕は鈴木宗男さんの話を聞いて、大多数の報道とはまったく逆に、おおいに希望を持ったのだった。

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