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サービス産業の生産性とおもてなし文化

 「長時間労働」について議論をすると、よく出てくるテーマとして日本のサービス産業の生産性の低さの議論があります。生産性が低いので、同じ収益を得ようとするための労働量が多いわけです。それは通常は長時間労働になります(外国のサービスとの競争性が相対的に低い産業では人を手厚く配することで対応している所もあります。)。

 これはモノづくりの街に住む者としては、とても気になります。モノづくり産業は極限まで効率化を追求しているのを地元で実感しています。一方でサービスについては、「サービス貿易」という言葉がある通り、どんどん国際化が進んできていますが、それでも日常生活に絡むかなりの部分は地産地消である事が多いです(この表現が良いかどうかは分かりませんが)。

 私がサービス産業の比較で一番違いを感じるのが「空港」です。何故、日本の空港にはあんなに働いている人がたくさんいるのだろうかと思います。そして、外国の空港で色々なサービスを頼むと、すべて結構なお値段を取られます。その中には、日本の空港であれば無料でやっていただけるものがかなりあります。

 そういう中、私が気になるのが「おもてなし文化」です。日本におもてなし文化がある事はとても大事です。特に私は世界のあちこちに行っているので、その文化のありがたさを痛感しています。フランスでも、スイスでも、イギリスでも、ともかく人の手を介すれば介する程、どんどん待たされ、コストが上ります(特に労働の流動性が低いスイスはそれを感じました。)。勿論、日本でもそうなのですけど、比較になりません。

 「おもてなし文化」を日本は求めすぎているところはないだろうかと思います。それは言い直せば、他国であれば1人で済むサービスを1+α人配置して実現しているという事になります。αの部分が正にサービス産業の生産性の低さに直結します。そして、同じ利益を得るために外国であれば1人で済むところが済まなくなっており、それが長時間労働に繋がっているという流れになっているはずです。

 経済学的に見れば、その部分は本来コストが掛かっている以上、対価を求めるべきものです。しかし、自発的にやっていただいている(ことになっている)「おもてなし」に対価を求める事は難しいでしょう。

 であれば、サービス産業の生産性を上げ、長時間労働を抑えようとすると、我々日本人が諦めなくてはならないものが出て来ます。それはおもてなし文化による心地よさや便利さの内、世界標準を過度に超える部分です。その議論から逃げてはいけないでしょう。長時間労働を抑えるためには、日本の文化も幾許かの変容を迫られるという事です。

 長時間労働を抑える事は喫緊の課題です。そのために必要なのはサービス産業の生産性向上だと思います。だからこそ、すべてにおいてバラ色の世界を描くのではなく、サービスを受ける側にもそれ相応の心構えが必要だと思うのです。

 かなり雑駁な議論ですが、どう思われますか。

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