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NYタイムズ、オフィスの半分近くを又貸しへ

広告収入減少に苦しみ経営不振に陥っている米国の新聞業界を象徴する、ちょっと切ない話です。おそらくは世界で最も知名度の高い新聞の一つ、ニューヨークタイムズ(NYT)が、52階建ての本社ビル内で使用していたオフィススペースを大幅に縮小し、他のテナントにサブリース(又貸し)するとのことです。

Politicoの記事では、又貸しされるのは”少なくとも8フロア分”だと、NYTの最高幹部が社員宛のメモで明言した内容が紹介されています。ニューヨークの不動産専門誌The Real Dealによると、NYTが使っているのは19フロアだそうですから、なんと”少なくとも”4割以上、半分近くものスペース削減になる計算です。

これによって、年明け早々にも社員の一部400人がが近くのビルに一時的に引越し、オフィスの作り直しを始め、完成は2017年末だとか。その作り直しでは、これまでビルの角ごとに巨大なスペースを占めていた発行人やCEOなど幹部の専用ルームが無くなると、メモでは示されています。

私も現役時代、編集局内の作り変えで、取材チームごと隣のビルに一時的に移ったことがありましたが、その時は、編集局全体の面積が縮小されるわけではなかったので、「作り変えが終わって戻れば前より快適かも」と気楽でした。でも、NYTの場合は、「少なくとも4割以上、半分近く」のスペースがなくなるわけで、社員は気が気じゃないでしょう。それでも、そこまでやる狙いは何か。

先のPoliticoの記事で紹介されている、社主のサルツバーガー発行人、トンプソン社長・CEO連名のメモによると、「オフィス縮小によって、節約になり、賃貸収入が入り、同時に編集局のコラボが高まる」「時代に合わせてビル内をよりダイナミックに、モダンでオープンな仕事場にする」「部門を超えるコラボより進めるために、スペースの再デザインに相当な投資をする」などと述べています。これらはまあ、表向きで、実際には、経営難の折、サブリース収入を得て、オフィス賃料の負担を減らしたいというのが本音のように見えます。

私はNYT内部を見たことがないので、確かなことは言えませんが、アメリカ映画で見るように、各記者が個室や個人ブースで仕事をするスタイルから、日本の新聞社のように、編集局内では、基本的に他の部との仕切りがなく、記者同士が机を並べて仕事をする形式を模範にしようということでしょうか?違うかな。

先のThe Real Deal誌によると、NYTビルは1フロア3万6千スクエアフィートでNYTが占有しているのは19階分で68万4千スクエアフィート=6万3545平方メートルです。今、日本の大手紙で最も新しい読売新聞社の延べ床面積は8万9650平方メートル。NYTの部数が「紙」と有料オンライン読者を加えても5分の1に過ぎないことを勘案すれば、やっぱり、ちょっと”ゼイタク”だったのかも。

なお、「又貸し」というのは、Bloombergの記事によると、新ビルに移って2年後の2009年に、2億2500万ドルでそのスペースを不動産会社に売却し、同時に買い戻しオプション付きで15年間のリース契約を結んでいるからです。リースしているスペースの一部を第三者に又貸しするのをサブリースといいます。

本社ビルを売却して、そのままリース契約した大型案件としては2001年のKDDIのケースが思い起こされます。この時はKDDIは約1900億円を得て、2兆円を超える巨額な負債返済に充て、再生のきっかけになりました。NYTにも、オフィススリム化、編集局活性化で、復活のきっかけを掴んで欲しいものですが。

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