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AIの方が林業に向いている?

先日、大学の同窓生(というと、語弊がある。私は留年したので卒業年次が違った)が大阪に仕事で来たので会って飲んだ。

 
彼は、学生当時ワンダーフォーゲル部の主将で、現在は田舎の高校で国語の教師をしている。以前はしょっちゅう大阪に出てきて一緒に飲んでいたが、今回は久しぶりだ。
 
飲んでいるうちに、彼がセミナーでAI、つまり人工知能の研究に触れたことを語った。そして、「教師という職業は、そのうち人工知能に取って代わられる」というのである。
 
えっ? と私は驚いた。さまざまな仕事が機械によって取って代わられる時代だが、人間にとって最後の拠り所?はクリエイティブ、つまり創作的な仕事と、対人間相手の仕事ではないか。とくに子供を相手とする教師は、最後まで生身の人間が担当するんじゃないの?
 
しかし、彼はいうのである。教える技術は、テクニックの蓄積が進めば機械の方が上手く教えられる。情操教育だって、テクニックで補える……。
 
私は反論した。私自身は科学技術を信奉しているが、同時に人工知能の限界というか、現時点での脳科学の研究レベルからすると、まだまだ、数百年から1000年くらいかけないと人間そっくりの知能はつくれないと思っているからだ。一つの謎を解けば10の新しい謎が生れる世界である。
加えて知識を教えるだけの役割ならともかく、情操となると対生徒の心を読んで的確な反応を行わねばならない。それも表情や言葉の抑揚、しぐさまで含まれる。そんな機械が、そう簡単につくれるとは思えない。いや、そもそも相手(生徒)が、この教師は機械なのだ、ロボットなのだと思えば、どんな適切なアドバイスもしらけるのではないか。。。
 
何より情操を重んじる国語教師が、AIに負けると自嘲的になられたら困る。
 
 
まあ、その時はそれで終わった話題だが、考えてみたら人間の教師だって完全に生徒を導けるわけではないし、むしろでき損ない教師が多いといわれる時代(~_~;)。平均点を争ったら機械に負けるときが意外と早く来るかもね、と思い返した。
 
 
そこから連想したのだが、生徒という人間=生物を相手にするのが難しいのは、あまりに複雑で個体差も自然環境条件の微細な影響があって予測不可能な面があるからだ。それは人間だけではなく、動物や植物全般に言えることかもしれない。
 
アメリカのメディアラボでは、農業のデジタル化を研究しているそうだ。多数のセンサーによって作物と環境の反応を記録して、素人でも完璧な農業をできる世界をつくろうという試みらしい。勘に頼る農業が限界に来ているという認識だ。
それは閉鎖空間の植物工場なら、ある程度は効果があるかもしれない。しかし露地栽培ではどうだろうか。
 
ならば林業はどうだろうか。農業以上に条件は多様だ。しかも地形や地質、草木、菌類まで含めた生態系、気象環境……自然そのものとも言える森林が相手だ。そこに完全無人の林業機械は登場できるだろうか。
 
しかし、よくよく考えると、伐採対象の樹木の形状や枝葉の状態から重心を判断するのは精密なセンサーで樹木を計測することで可能であり、それは人間の見た目より確実だろう。
さらに伐採業だけでなく、どの木をどのように伐って運び出すのが、もっとも低コストで一番高く売れるか判断できる。1本ずつ木質や長さなど特徴を計測して市場動向も瞬時に計算して需要を判断することも可能になる。もっとも有利な出荷先も決められる。森林生態への負荷を可能な限り減らす方法も選べる。面倒だ、と嫌がることもない。事故も減るだろうし、疲労から誤った判断を下すこともない。
 
……なんだか、今の人間の林業の方が機械的に作業しているような気がしてきた。現在の林業現場は、作業員に判断させることなく、一律の伐採(列状間伐が最たるものだ)を行ったり、需要を考えないで大量に出荷して、材価を下げてしまっている。
人間の方が、全然きめ細かな作業をできていないのだ。それこそが林業不振の理由の一つでもある。
 
機械の方が人間的?になる進歩というのも有り得る……そう気がつくと情けない気持ちになった。
 
しかし、意外とAIに任せた方がよい仕事分野は多いのかもしれない。私自身は政治こそAIに任せた方が、イデオロギーや好き嫌いの入らない政策判断ができて今よりマシじゃないかと思っているのだが。。。

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