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セールスフォース・ドットコムに学ぶ「目指したいのは自主的な選択。『完全在宅勤務化』から『出産・育児支援だけじゃない女性支援』まで。」

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【連載第5回】「働きがいのある会社」ランキング(2015年)で16位となったセールスフォース・ドットコム。本連載では、CRMソフトウェア世界市場におけるシェア1位を誇る同社の「顧客をファンにする働き方」をテーマに、Employee Success(人事部)ヴァイス・プレジデントの石井早苗氏にお話を聞きました。 本連載のインタビュアーは、自身もワーキングマザーとして働きながら、クラウドを活用したワークスタイル変革に取り組む、古川いずみ氏に担当いただきました。

本連載は書籍『エバンジェリストに学ぶ 成長企業のためのワークスタイル変革教本』(2016年7月発行)の内容をもとにお届けします。本書籍では先進IT企業で働くエバンジェリストの皆さんにその「働き方の可能性」についてお聞きしています。ご自分の会社でも使えるかも??と思っていただけたらぜひ書籍版もご覧ください。


目指すは「完全在宅勤務化」

古川:勤務時間の自由化やリモートワークを導入するときに、社内で反発とは言わないまでも、何か課題となったことはありますか?

石井:あります。やはり管理の問題ですね。特に課題になっているのが「完全在宅勤務化」です。始めは週2日程度からの導入で、誰でも在宅勤務を可能にすることを検討していますが、やはりマネージメントが心配するのは、安全面やセキュリティの問題です。家の中で事故が起きたときに労災となるのか、PCを家に持ち帰ったときに破損したり情報漏洩が起きたらどうするのか、などです。

こうした管理の難しさや、マネージャーの負担が増えるのではないかという懸念、リスクをどう回避するかはずっと宿題となっていて、今最後の詰めにきています。また緊急事態で話をしたいときに連絡が取れないのは困るというビジネス上のニーズがあるので、どこで折り合いをつけるかという運営上のルール作りや、仕組みの部分の詰めも最終段階にきています。 古川:在宅勤務は、社員の何割くらいの方が行える環境にあるのでしょうか。

石井:現時点では、PCと社用スマートフォンを支給されている社員がほとんどなので、基本的には全員可能です。と言っても、「通常は会社に来て、集中作業がしたいときや子供の行事があるときなど週に2日くらい在宅で働きたい」という声が多いようですので、まずは全員に対して、週2日程度から始めてみる、という試みをしてみようと思っています。

古川:石井さんご自身、外資系企業と日本企業での勤務経験がおありですよね。それぞれに会社、そして従業員の考え方なども違うと思うのですが、両者のワークスタイルにおける違いを感じたことがあれば教えていただけないでしょうか。 石井:外資系企業と日本企業、それぞれに良いところがあります。外資系企業のことを話すと「じゃあ日本企業はダメなのか」と捉えられがちですが、私は日本企業に10年ほど勤務しまして、やはり日本企業で学んだことがすごく自分の糧になっており、しかもそれは後々効いてくるものだと強く感じています。

外資系企業の働き方の良さといいますと、そもそも性別や人種、宗教などの違いで人を評価するということがない文化がありますので、女性か男性かとか、外国人か日本人かという入り口のところの苦労は少ないと思います。「誰でもいいので、能力だけ見せてください」というスタンスですから。そういった意味ではすごく働きやすいと思います。また、基本的に個人主義なので、働く時間等々を全社員均一化しなくてはいけないという考えもありません。様々な人がいて、その人それぞれの働き方があることが当たり前。宗教上この期間は働けないとか、皆で同じ食事ができないことも当然ありますので、それはやむなし、ただ仕事においては、求められるパフォーマンスを出してもらうというスタンスで運営している企業が多いです。

日本企業の場合は、様々な制度で社員を守ってくれたり、バックアップをしてくれるということが大きなメリットです。また外資系ですと役割が明確なので、自分でどこまでできるかという責任の下、業務に当たらなくてはいけませんが、日本企業は上司や同僚など周りが助けてくれたりカバーしあったりできる。そこが良い面だと思います。
 

スキルアップは自主的、自律的に

古川:セールスフォース・ドットコムさんでは、社員のスキルアップのための勉強会やセミナー参加の資金補助などが充実されていますね。それは、会社のほうから「スキルアップをしなさい」と背中を押していくというよりも、「スキルアップがしたい」という社員の意欲を応援する、すなわち社員の自立を目指していらっしゃるのでしょうか。 石井:そうですね、基本は自ら自律的に手を上げてほしいと思っています。
グローバルトレーニング、リーダーシップトレーニングなどマストで受けなければいけないものもあるのですが、やはり皆本来の業務が忙しく、最後の最後に出られなくなってしまうことが多いのです。ですから必須のものはできるだけ数を少なくしたいと考えています。

さらに言えば、部門ごとに磨くべきスキルが違いますので、この部門はプレゼンテーションの力が必要だとか、この部門は英語が必要だとかを見極めて、部門長がトレーニングを計画し、人事部門と一緒に計画してやる、という自由度を持たせています。
いちばん大きいところは、学習補助という制度がベネフィットでありまして、その枠の中であれば、自分で英語を学んだりビジネススクールで受講することができ、会社から金銭的な支援を受けられるようになっています。 古川:私も過去にビジネススクールを受講したことがあるのですが、会社からの支援が難しかった記憶があります。 石井:費用はすべてご自身で支払われたのですか? 古川:大半は自費負担としておりました。受講者の半分くらいは会社から費用負担がされていて、残りの半分の方は自費で通学していました。
どちらかというと、自費で学ばれている方のほうが積極的に、貪欲に学ぼうという姿勢だったように思います。
ただ、御社の場合は会社から「ビジネススクールに行きなさい」と強制しているわけではなくて、「行きたい」という社員を補助して、費用負担をしてくださるわけですよね。 石井:弊社でも、コースの完了書を貰わないと最終的に支給はしない仕組みです。それはやはり古川さんのおっしゃる通り、「会社が出してくれるのだから、仕事が大変だから、今日はいいや」というようなことがないようにしています。とはいうものの、基本的にはやりたい人が手を挙げて制度を有効利用しています。

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