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ドイツの電力輸出

自民党のエネルギー関係の部会では、自分で考えることもせず、経産省の作った「ご発言要領」そのままを発言する議員がいてため息が出ます。

それだけではなく、事実関係をまったく間違えている、あるいは意図的に事実と違うことを発言している議員も見受けます。

その場合、本来、経産省が事実関係を訂正すべきなのに、自分たちに都合のよい間違いはスルーすることが目立ちます。

その中に「ドイツは脱原発というが、隣のフランスから原子力の電力を輸入して脱原発している。電力料金も高くて困っている。」となぜか誇らしげに発言する議員がいます。

今年の一月に出された「The energy transition in the power sector:State of affairs 2015」(agora-energiewende.de)を見ると、2015年にドイツはフランスに対して13.27TWhの電力を輸出し、3.84TWhの電力を輸入したことがわかります。

差し引き9.43TWhの「輸出」超過です。

ドイツはフランスの原子力の電力を使って脱原発をしているわけではないのです。

フランスだけでなくオーストリアには44.89TWhの電力を輸出し、13.56TWhを輸入しています。オランダにもやはり16.61TWhの電力を輸出して、0.55TWhを輸入しています。

2015年で合計すると60.9TWhの電力をドイツは隣国に輸出しています。

なぜドイツがこんなに電力を輸出できるのかといえば「ドイツはスカンジナビアに次いで電力価格が安い」からです。

2015年の月別の電力価格をみると、ドイツの電力価格は常にフランスより安くなっています。

確かにドイツの家庭用電力料金は上がっています。

2007年に20.1ユーロセント/kWhだったのが2015年には29.1ユーロセント/kWhになっています。

しかし、その内訳をみると発電や送配電のコストの合計は5.9ユーロセント/kWhだったものが7.1ユーロセント/kWhに上がっているだけで、あとは賦課金や税です。

そしてこのエネルギー改革はとても重要だ、重要だという割合は常に90%を超えていて、ドイツ世論が支持していることがわかります。

ちなみに次の20年から30年のエネルギー供給を何に頼ったらよいかという質問に対して、太陽光85%、風力77%、水力45%、バイオマス24%という回答が並び、原子力8%、石油7%、石炭5%となっています。

2015年8月23日午後1時から午後2時の間、電力需要の実に83.2%が再生可能エネルギーからまかなわれました。

また3月20日、部分日食が起きて全土で太陽光発電の出力が急激に変化した日でも電力供給には問題がなかったそうです。

こういう情報を経産省が知らなかったとしたら、エネルギーの所管官庁として無知と言わざるを得ませんし、知っていてあえて黙っているのだとしたら、それはもう、うそつきの部類に入るのかもしれません。

きちんとしたデータに基づいて、しっかりと議論して、国民の支持を得ながらエネルギー政策を決めていこうという意思が経産省には無いようです。

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