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【サウジの意地】

OPECと非OPEC が10日、 減産合意に達したことで、サウジアラビアがいっそうの減産に踏み切ることを決めたとBloombergが伝えています。

Saudis Signal Deeper Cuts After Deal With Non-OPEC Countries(サウジ、非 OPEC国との合意の後、いっそうの減産を示唆)はざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。

この中で「サウジアラビアは原油価格を60 ドル以上、恐らく70ドルに近づけようとしている」と指摘しています。

サウジアラビアが予想よりも減産幅を拡大するとサプライズ発表をしたのは、ロシアなどいくつかの非OPEC国が来年、減産を約束した数分後だった。

■ 2001年以来となるOPECと非 OPECの合意と、■サウジアラビアのコミットメントをあわせると、産油国が原油市場から価格コントロールの力を取り戻すために努力を惜しまないことを意味する。

OPECが11 月30日に8 年ぶりの減産合意を発表してから、原油価格は 15%急騰した。その結果、大手エネルギー会社の株価も上昇している。サウジアラビアは、ピークの7月には日量 1070万バレルだった生産を1006万バレルまで減らすことを 11月30日に約束した。

サウジアラビアの Khaid al-Falih石油相は10日の会合のあと「来年1月1日 をもって減産に踏み切り、11月30 日の公約時よりもさらに減産する」と述べた。原油市場の状況によっては、心理的に影響する水準で2015年3月以降一貫して維持してきた日量1000 万バレルをも下回るところまで減産する用意があるというのだ。

Al-Fahih石油相は、非OPEC 国が日量55万8000 バレル減産すると合意した後にさらなる減産を発表した。つまり、 OPEC国の減産合意を待って、いっそうの減産を明らかにした格好だ。

IEA=国際エネルギー機関のデータによると、 OPECが合意した減産規模は、来年、中国とインドで予想される原油の需要増に匹敵する。

OPECと非 OPECの合意は、世界の原油生産の60%を占めるものの、アメリカ、中国、カナダ、ノルウェイ、ブラジルは含まれない

サウジアラビアは長らく、OPECによる減産は非 OPECによる減産を伴う必要があると主張し、11月30日にOPEC全体で日量 120万バレルの減産を行うことで合意した。

サウジアラビアとロシアの石油相はこの1 年、何度も秘密会談を開くなどしてこの合意を目指してきたを明らかにした。ロシアの Novak石油相は、「これは歴史的な合意だ。これほど多くの国が一堂に会して合意したのは初めてだ」と述べた。

ロシアは30年ぶりの高水準となった先月の 1120万バレルから、来年は日量30 万バレルの生産を減らす。メキシコは 10万バレル、オマーンは4万バレル減らす。メキシコは自然減を含み、非 OPECの間で自然減を認めたことで効果を弱めさせるだろう(The use of natural decline as part of the non-OPEC deal is likely to dampen its impact)。

一方、10月に巨大油田の開発が始まったばかりのカザフスタンは、日量 2万バレル減らすというサプライズの動きもあった。

一連の動きは、サウジアラビアは原油価格を60ドル以上、恐らく 70ドルに近づけようとしていることを示唆している。財政赤字の穴埋め、さらに2018 年にサウジアラビアの国営石油会社 Saudi Aramcoの上場を前にした動きだ。

しかし、価格上昇に向けた動きは裏目に出るかもしれない(the move towards higher prices may backfire) 。アメリカでシェールオイルの採掘を一気に増やす可能性があるからだ。

投資家の目は、本当に各国が減産を行うのかというコンプライアンスに向けられる。歴史を振り返るとOPECも非 OPECも約束を履行していないからだ。例えばロシアは2001 年後半に減産を約束したものの、実際には増産をした。

米ホワイトハウスで原油を担当していた元高官の Bob McNallyは「原油価格下落のクラッシュは、恐れおののいた産油国を供給抑制に合意させた。しかし、こうした緩やかな合意は一時的にうまくいっても、ズル(cheating) する国が出てきて失敗に終わるものだ」と語った。

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