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社会全般に甘え体質がはびこっている

 日本の社会や経済全体を見るに、この20年余りじわじわと活力を失ってきたのは誰も否定しまい。 その原因は、よくいわれるように少子高齢化が世界最速のスピードで進んでいるからだけではなさそうだ。

 早い話、60歳以上の高齢者が個人金融資産の60%強を保有している。 預貯金資産だけでも500兆円を大きく上回る。

 その10%だけでも自分のために、あるいは社会への還元につかえば、経済活動はいくらでも活性化する。 結果として、社会全体の富は増えるし、年金や医療財政も健全化できる。

 どうして、お金をつかえないのか? そういうと、皆が口をそろえて将来が不安だからという。 上に書いたように将来不安など、どんどんお金をつかえば即座に一掃してしまえるというのに。

 ところが現実は、将来が不安だからと預貯金を抱え込むことしか考えない。 高齢者のみならず、日本全体でお金をつかおうとしない。 それが、経済も社会もジリ貧の道をたどり、将来不安が増すという悪循環を招いている。

 高齢者に戻るが、日本の高齢者の多くは、与えられることに慣れきって、そもそも自分から動こうとはしない。 現役の頃は頑張って働いたとはいえ、終身雇用で給料がもらえるのは当たり前としてきた。

 いまは年金をもらい、必要ならば介護を受ける。 現役の頃に社会保険料を支払ってきたから、それだけの権利がある。 もらえるのは当然のこととしている。

 もらえて当たり前としてきたことが、どうやら崩れていく気配を感じるようになってきた。 それでも、高齢者の多くは国になんとかしてくれと頼むばかりで、自助努力というと預貯金を後生大事に抱え込むだけ。

 このままいくと、いつかは本当にもらえなくなるぞ、今のうちに何とかしなければとは考えない。 それでいて、将来不安だけは語っている。

 これは高齢者だけの話ではない。 そういった甘え体質が日本の社会全般に根深く浸み込んでいる。 政官民にはびこっている利権や既得権はいわずもがなだが、人々の間で「もらえるものはもらっておけ、後は知らないよ」の考えが充満している。

 そういった社会現象を批判しても始まらない。 はっきりしているのは、このままいくと年金や医療財政はパンクするだろうし、社会も経済もどんどんひどいことになっていく。

 いずれ大変なことになるのだろう、それが分かった人はさっさと自助努力を倍増させることだ。 国も制度も当てにできそうにないのなら、国民一人ひとりが自助努力を重ねていくしかない。

 それが、経済や社会の原点である。

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