記事

12月FOMCの焦点、「労働市場のスラック」について

FF金利先物相場は利上げ確率を高水準で織り込んでおり、仮に議長が利上げを発表せざるを得ない状況なのであれば、来年からの緩慢利上げ(緩やかな利上げペース)につき、布石を打つようなコメントを残す事になる。コメント内容次第では、為替相場は落胆利上げと捉える可能性も残される。(仮に利上げした場合)

先日の11月雇用情勢では、失業率に占める自主的離職率が増加しており、逆に失職者(非自主的)は減少している。(下図 失業率と自発的離職率/ERC)



失業率自体の中身を確認する上で、この事象は一見、良い意味合いが込められているように見えるが、あくまで労働人口の中における失職の内訳であり、労働参加率の低下は米国における人口動態のベースを考慮したとしても深刻な問題となっている。良い失業率の低下、つまるところ「労働市場のスラック解消」はあくまで失業率の低下と労働参加率の上昇がセットになっていなければならない。(下図、



前回記事で11月の失業率の低下は「悪い低下」(スラック拡大)だと指摘させていただいたが(上図、※1※2)、現実に目を向けても「労働市場のスラック」は保護主義の源泉ともなっており、経済成長の数字とはまた別に深刻化している事があらゆる指標からわかる。(以下、3ヵ月平均LMCI・GDP成長率・FFレート /ERC)



LMCI(労働市場情勢指数)の直近の数字はプラス圏で1.5ptとなったが、8月0.0pt、9月0.1pt、10月1.4ptと過去の利上げ局面と比較しても極端な低水準にある事は否めない。上図は3ヵ月平均(四半期別)だが、リーマンショック以降、当統計がマイナス圏に陥った事は3度あった。今は何とかそこから抜け出ようといている状況にある。過去2度のマイナス圏ではQE発動で乗り切ってる事がわかる。(上図、※1※2) 

つまり労働市場に限っていえば、いかにU3失業率が低下していようとも、緩和政策が必要であるような現況となっている。がしかし経済成長がプラス圏にある事も関係し、冒頭で述べたように短期金利先物相場は(QEとは逆の)利上げが織り込まれている。

経済成長や企業利益、そして株価が高水準をつけている事が非効率的な政策(利上げ)を招いたとしても、議会選含む米大統領選が国民生活のひっ迫度をそのまま表しており、雇用関連統計をよく見れば「スラック」が依然として大きい事がわかる。米国の場合、「ブレーキ」の根拠は物価見通しだけではなく、雇用の見通しも含まれる。数名のFRB高官は、メジャーな指標が現実が覆い隠してしまっている状況に悩んでいる。

あわせて読みたい

「FOMC」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 新党で延命する議員は害

    橋下徹

  2. 2

    野田聖子氏の文春砲を扱わないTV

    小林よしのり

  3. 3

    共産と協力へ 前原氏は支離滅裂

    和田政宗

  4. 4

    小池新党は選挙対策「互助会」か

    中村ゆきつぐ

  5. 5

    核放棄で北に6兆円 報道の思惑

    NEWSポストセブン

  6. 6

    iPhone iOS更新で使える11の裏技

    ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)

  7. 7

    難民「射殺か」 武器使用は可能

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  8. 8

    北におびえ足並み乱す韓国大統領

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  9. 9

    フジ「ENGEI」 古臭い設定の謎

    メディアゴン

  10. 10

    小池新党は若狭氏の舵取り次第

    早川忠孝

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。