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イヴァンカ様の主要取引銀行、ドイツ銀行が泥沼から抜け出しつつある

ドイツ銀行(ティッカーシンボル:DB)株が出直りの兆しを見せています。

DB

同行は欧州の景気回復が遅れる中、自己資本不足の懸念からボコボコに売られていました。

しかしここに来てどうやら「どうみても売られ過ぎだ」と考える投資家から見直しが入っている様子です。

先週末、イタリアで憲法改正に関する国民投票があったのですが、「NO」が勝ち、レンツィ首相が辞任する方向になっています。

イタリアの政局は、また混迷することが予想されるわけです。

しかしこのようなネガティブな材料が出たにもかかわらず、今日、ドイツ銀株は+5.85%と元気でした。最近の高値、$16.67と、ほぼツラの水準です。ここを上に抜けると、値運びが軽くなることが予想されます。

10月末に発表されたドイツ銀行の9月期決算では、コスト削減が予想より捗っていることがわかりました。その理由は三つあります。

まずペイ・ミックスがシフトしていること。具体的には若手行員に関しては固定給部分を増やし、コストの安い若手の確保で他行に負けないような措置が取られました。

その一方で稼ぎ頭の行員たちのボーナスの支給にあたっては、現金部分を減らしました。そしてドイツ銀行の株(=ストック・オプション)で払うことを強化しました。これは当期のコンペンセーション費用を低く抑える効果が出ます。

三番目の改変としてベスティング(=ストック・オプションの賦与)のタイミングを遅らせました

これらのことから、今期のコンペンセーション&ベネフィットは28.6億ユーロと、去年同期の32.5億ユーロからかなり下がりました。

その一方で総従業員数は10.1万人で、これは去年同期の10万人より若干増えています。

9月期決算ではウォール街のライバル各社も債券のトレーディングが好調でしたが、ドイツ銀行の債券/FX部門もトレーディングは好調でした。米国では長短金利差が拡大しつつあり、これがメガバンクの収益性の改善に寄与すると見られていますが、欧州でも極端にアゲンストの風だった金利環境は改善の途上にあります。債券部のセールス&トレーディング部門の売上高は20.7億ユーロでした。これは去年同期の18.2億ユーロより増えています。

同社はリスク資産(RWA)の圧縮に努めています。9月末の時点でのリスク資産は3850億ユーロで、これは6月末の4020億ユーロより少なかったです。これはおもにグローバル・マーケッツ部門におけるセキュリタイズ・トレーディングのビジネスの縮小が原因です。またエマージング・マーケットでのトレーディングを縮小し、ロンドン、ニューヨーク、フランクフルトなどの金融センターにおけるコア・プロダクツへ集中したことのあらわれです。今後はこのシフトによりドイツ銀行の債券部の業績のブレは比較的小さくなると思われます。

同行はビジネスをシンプル化し、さらにリスク資産を殺ぎ落とし自己資本を充実することで、カウンター・パーティーとしての信頼を取り戻すことを目指しています。9月期、同行のリクイディティー・リザーブは横ばいを維持しました。

同社のファンディング、9600億ユーロのうち、今期は280億ユーロだけが新しく借り直されましたが、そのファンディング・コストはCoCo債に対する不安から倍増しました。これは良くない展開ですが、同行の自己資本に対する不安は、いまのところ収まっていると言えます。

ドイツ銀行はポストバンクのIPOの計画を温めていますが、未だこのディールは動き始めていません。その理由は、現在、ポストバンクでも大きなコスト削減プログラムを実施中であり、その間、ポストバンクの損益計算書への負担が大きくなり、利益は圧迫を受けます。この状態でIPOしても良い値段で値決めに持ち込むことはできません。それがポストバンクのIPOを後回しにしている理由です。

住宅抵当証券の不適切販売を巡る米国司法省との示談問題では、司法省の方から140億ドルの罰金が提示されました。この罰金が最終的に幾らになるか? が注目されています。

なお現在の司法長官は民主党の指名したロレッタ・リンチであり、来年には共和党のドナルド・トランプが指名する、ジェフ・セッションズに替わります。共和党は「ドッド・フランク法は、とんでもない悪法だ」と考えているので、来年まで交渉を延ばした方が、ドイツ銀行にとって有利な条件で示談が成立すると思われます。

なおドイツ銀行はイヴァンカ様のお気に入りの銀行です。

いよいよドイツ銀にも運が回ってきた……最近の同社の株価を見ると、そう感じます。

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