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【ウォルマート】、GS併設型コンビニをピックアップ拠点!テザリングでロングレール?

161204ウォルマート@ハンツビル01

■車から降りずに生鮮品等を持ち帰れるグローサリー・ピックアップを拡大中のウォルマートはコンビニエンスストア型のピックアップ拠点をテスト展開している。コロラド州デンバー郊外のソーントン(1650 E 104th Ave, Thornton, CO 80233)地区にオープンした「ウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュール(Walmart Pickup with Fuel)」は、コンビニエンスストアにガソリンスタンド(GS)が併設された店舗だ。午前5時〜午後11時の営業となるコンビニは110坪の店舗面積。卵やミルク、パンなどのステープルズ商品にサンドウィッチやコーヒー、ソーダ類など、コンビニと変わらない品揃えでウォルマート価格となっている。GS併設型コンビニのウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュールは、生鮮品など食料品のピックアップ拠点なのだ。同店舗のピックアップ時間は午前8時〜午後8時。午後1時までの注文なら当日ピックアップも可能となる。ウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュールが極めてユニークな点は、サプライチェーンにある。顧客がネット注文した生鮮品は近隣のスーパーセンターでピッキングを行い、冷蔵トラックでウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュールに運び、ピックアップ専用の冷蔵ケースに保管する。つまり、スマートフォンを使って他の端末をインターネットに接続する「テザリング(Tethering)」のように、スーパーセンターがコンビニへのハブ(物流の中継地点)となっているのだ。ウォルマートは、コンビニのような小型店をネットスーパーの物流拠点にし、一方でスーパーセンターをフルフィルメントセンターとして機能させることで、ウォルマートが掲げる「物流エコシステム」を完成しようとしているのだ。

 ウォルマートはグローサリー・ピックアップを現在、500店舗まで拡大しており、今年末には600店舗展開の計画を発表している。一人一台の車を所有するアメリカは車社会。コンビニに給油に行くとき生鮮品もピックアップできれば時間の節約にもなり便利だ。大商圏となるスーパーセンターの隙間にネイバーフッドマーケットやウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュールのフィルインで、ウォルマートの実店舗網はネット展開の強力なエコシステムとなる。

トップ画像:アラバマ州マディソン地区(7520 Hwy 72 W, Madison, AL 35758)に今年4月6日にオープンした「ウォルマート・ピックアップ・ロケーション・ウィズ・フュール(Walmart Pickup Location with Fuel)」。店舗の前にはガソリンスタンドがあり、店の横にはカーブサイド・ピックアップとなるパーキングスペースが見える。

161204Wal-Mart Pickup With Fuel

こちらはコロラド州デンバー郊外のソーントン(1650 E 104th Ave, Thornton, CO 80233)地区にオープンした「ウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュール(Walmart Pickup with Fuel)」。



161204ウォルマート物流エコシステム

ウォルマートが3年前に構想した物流エコシステム。ウォルマートの物流エコシステムは、メーカーから入荷した商品を店へ出荷する「ディストリビューションセンター(DC)」と、オンライン注文1件ごとに商品をピッキングして自宅や店(サイト・ツー・ストア用の店内でのピックアップ)も発送する「フルフィルメントセンター(FC)」が物流拠点になる。さらにスマートフォンを使って他の端末をインターネットに接続する「テザリング(Tethering)」のように、スーパーセンターがウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュールなど小型店(構想当時はエクスプレスだった)へのハブ(物流の中継地点)となるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートはオムニチャネル・リテーリングをシームレス・ショッピングと呼んでいます。シームレス・ショッピングとは継ぎ目(seam)のない買い物です。日本人にとって最も馴染みのある「継ぎ目」とは、電車に乗っている時に感じる「ガタンゴトン、ガタンゴトン」の振動です。これは車輪がレールの継ぎ目を通過する時の音なんですね。鉄製であるレールは夏に膨張するため、レールの継ぎ目にわざと隙間を作っています。隙間を作らないでおくと、熱でレールが延びてつかえてしまい、曲がってしまい脱線事故となります。最近は技術の進歩でロングレールを敷設していることで「ガタンゴトン」が減っています。ロングレールで継ぎ目がなくなれば「ガタンゴトン」の騒音や揺れが減って、乗り心地が良くなります。継ぎ目がなくなるシームレスとなればストレスフリーです。実は買い物の継ぎ目にはいくつかあります。一つはレジ待ちとレジ会計です。

16年11月28日 - 【オムニチャネル】、世界最先端のショッピング事例!ショッピング革命は大袈裟でない?

⇒「最新!リアルとネットが融合するオムニチャネル戦略セミナー」で先日、視察研修の参加者にサムズクラブのスキャン&ゴーで実際に買い物をしてもらう機会がありました。スキャン&ゴーはスマートフォン・アプリで商品バーコードをスキャンし、アプリ決済することでレジを通らずに買い物ができる画期的なアプリです。参加者の1人はアルコールを含んだ商品(ウィスキーボンボン)を買ったため、レジで会計しなければなりませんでした。レジを素通りする参加者とレジに並んだ参加者の対比で、スキャン&ゴーの威力を見せつけられたのです。レジ待ちがいかに買い物の継ぎ目(ガタンゴトン)で、ストレスであったかを実感できたのです。スキャン&ゴーは、他のお客から見たらまるで万引きしているみたいであり、倉庫に商品を取りに行くようなシームレスでストレスフリーな感覚です。そのシームレスなショッピングを提供しているウォルマートが新たなシームレス・ショッピングをテストしています。

⇒ガソリンスタンド(GS)併設型コンビニエンスストアでネット注文ピックアップ拠点です。ウォルマート・ピックアップ・ウィズ・フュール(Walmart Pickup with Fuel)がユニークなのは、コンビニはネット対応できるほど十分な品揃えでないため、近隣のスーパーセンターでピッキングした生鮮品等を冷蔵・冷凍輸送してGSコンビニでピックアップできるようにしている点です。これはまさにテザリングです。テザリングとはスマートフォンなどを外部モデムとして利用してPCなどをインターネット接続させる機能です。スーパーセンターをネット注文のサプライチェーンの中継地点として利用することで、小型店にも注文品が継ぎ目なく流れるようなものです。ネット注文のサプライチェーンでも、大型店から小型店までウォルマートの店舗網が生かされることになるのです。将来的には、例えば「ネット注文した商品の総額が100ドル以上なら、ガソリン給油サービス(ガソリン代は別)が無料」になれば、さらにシームレスです。

 ネット注文した商品をトランクに詰めてもらい、ガソリンまで入れてもらう...ショッピングのロングレールです。

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