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外食のお勧め「和風定食」の落とし穴 - 佐藤達夫

 生活習慣病を予防する食生活の基本は、1:栄養素バランスがよくなるように食材を選択すること、2:量的に過不足がないように適量を食べること、の2つだ。「栄養素バランスがよくなる食材選択」というのは、正直いって素人には至難の業。それをカバーするための1つの手段として私が提案しているのは「なるべく多種類の食品を食べる」であることはこのコラムの第1回で書いた。そしてその原則を外食にも適応しようというのが前回の内容。

 今回は「外食の上手な利用法第2回」として、もう少し具体的な「注文の仕方・食べ方」を紹介する。ただし、下記のアドバイスは「健康が気になるので、食生活をできることから改善したい」と考えているビジネスパーソン向けのもの。健康は人生の目的ではなく手段なので、「今はもっともっと自分にとって重要なことがある。食べ物のことなんか考えている場合ではない」という人は無視しても大丈夫。それでも若いうちは、すぐに健康を崩すようなことはないだろうから(中高年になってそのツケは、多分、回ってくるけど)。

「一皿物」をなるべく避ける

 主食(ご飯・パン・麺類)と主菜(メインのおかず=肉や魚であることが多い)が同じ器に盛ってある料理を「一皿物」と(私が)定義している。場合によっては副菜(小さなおかず=野菜や芋や海藻等であることが多い)もいっしょに盛ってある。具体例をあげると、カレー、ラーメン、カツ丼、スパゲティ、チャーハン、寿司等々。

 お吸い物が付いている鰻丼や漬物が付いてくる牛丼も、皿数は多くなるが回転寿司も、お皿には載ってないがハンバーガーも、「一皿物」に含める。こう見てくると、手軽な外食は一皿物がとても多いことに気がつく。

 一皿物は、前回に書いた外食の特徴(野菜が少ない・食塩が多い等々)を見事なくらいすべてを持ちあわせてある。

できれば「加熱野菜の一品」を添える

 一皿物では、上に書いた理由から食物繊維(野菜に多く含まれている)が不足する。一皿物が続く場合には、副菜をときどきは(副菜は小さなおかずの割にはそこそこ高くて毎回だと経済的にはツライかもしれないので)追加注文したい。もっとも手軽なのは「生野菜サラダ」だろう。でも「生野菜」は見た目よりも量的には少ないので食物繊維がとりにくい。できれば、ほうれん草のお浸しやゆでブロッコリーや切り干し大根の煮物を、ウルサクいうと野菜ではないがひじきの煮物や海藻サラダや白和えや納豆などで、食物繊維を補うようにしたい。

 生野菜サラダを食べるときにはマヨネーズやドレッシングをかけすぎないように、くれぐれも注意したい(これらが悪いわけではないが、かけすぎはよくない)。

食材数が多い「定食物」を食べる

 一皿物の対極にあるのが、いわゆる「定食」。主食、主菜、副菜、汁物、漬物がセットになっている。基本的には、皿数が多くなるほど口に入る食材数が増える(皿数が増えるほど価格が高くなるけど・・・・)。また、「何を食べたか」が目で見て確認できることも、定食物の特長。見過ごされがちだが「食べるのに時間がかかる」という点も、定食物の特長。

 定食物が続く場合は、日ごとに「主菜」を替える。肉の主菜(しょうが焼き定食など)と魚の主菜(さば味噌煮定食など)を交互に食べるとよい。もしメニューにあれば、1週間に1度くらいは豆腐類の主菜(麻婆豆腐定食など)も取り入れたい。

 気がつく人なら日ごとに「調理法」にも変化を持たせたい。「生物」(刺身定食など)、「焼き物」(焼き肉定食など)、「揚げ物」(天ぷら定食など)、「蒸し物」(シュウマイ定食など)、「煮物」(かれいの煮つけ定食)などを順番に注文すると、栄養的な偏りを少なくすることができるし、味に変化もつくので飽きない。

和風定食がお勧め

 定食物を食べる際の注意事項もいくつかある。

 近ごろ流行(?)のダブル主食(ご飯と麺類という2つの主食がセットになっている)定食は避けたい。確かに2つとも少なめにはなっているのだが、両方併せると「主食の全体量」が多くなる。とりわけ体重を減らしたい人は御法度。体重コントロールをしてない人でも、ダブル主食は食塩のとりすぎになることが多いので、勧められない。

 主食はなるべく「味つき」ではないもの(白飯)を選ぶ。色がついてはいても玄米が混ざっていたり、雑穀類であるのなら(しかも好きなら)いいのだが、たとえば五目ご飯のように主食に味がついていると、やはり食塩のとりすぎにつながりやすいので、避けたい。たとえば中国風定食では、餃子チャーハン定食よりは餃子ライス定食のほうが好ましい。

 こう紹介してくると、同じく定食物でも「和風定食」がお勧めであることがわかる。一日のうちに2回以上の外食をする場合は、そのうちの1回は和風定食にしよう。洋風+洋風、洋風+中国風、中国風+中国風という組み合わせは避けたい。洋風の中にはハンバーガーを含むし、中国風の中にはラーメンを含む。

塩分摂取量を抑える工夫を

 食材の数が多いし、主菜の選択肢も多いことから、和風定食がお勧めなのだが、和風定食には「塩分摂取量が多くなりがち」という欠点があることを肝に銘じよう。塩分摂取量を減らすためには以下のような点に気を配る。

・主食(ご飯)を大盛りにしない。ご飯には塩分が少ない(パンや麺は塩分をたくさん含んでいる)が、食事量全体が増えると塩分摂取量が増える。

・漬物や佃煮は、できれば残す。定食には“おまじない”のように佃煮や漬物がついてくる。これらが悪いというわけではないが、完食しなければならないという物ではないので、できれば、残す。

・汁物は具だくさんの物を。お椀はなるべく小さな器を選ぶ(汁に塩分を多く含む)。

・食卓でかけるしょうゆやソースは必ず「まず味見をしてから」、不足であればかける。

・ちくわ、かまぼこ、さつまあげなどの水産練り製品に気をつける。これらには食塩がたくさん使用されてある(これらはしょうゆをつけずに食べる)。

外食の機会を減らす努力も

 外食をする場合は、その特徴を自覚して利用することが大切。財布との相談になるが「不足しがちな野菜類」を補足すること、逆に「過剰になりがちな塩分」を制限すること、の2つをつねに心がけよう。

 しかし現実的には、ここに書いてあることを外食店で実行するのは、かなり面倒だろう。基本的には「外食する回数を減らす」努力も怠らないようにしたい。

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