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人材派遣業、人材不足で市場拡大が続く中、 法改正の影響を受け、小規模事業者の倒産が増加

 人材派遣業は緩やかな市場拡大が続く中、改正労働者派遣法などの影響もあり、拡大ペースが鈍化。小規模事業者の倒産も増加している。

矢野経済研究所は人材派遣事業者などを対象に、人材ビジネス市場に関する調査を実施し、その結果を11月17日に発表した。調査時期は7月から10月にかけて。

 2015年度の人材派遣業(一般労働者派遣業)の市場規模は前年度比5.0%増の4兆1,020億円となり、2年連続のプラス成長となった。2016年度も市場は拡大し、前年度比2.0%増の4兆1,840億円と予想されている。人材派遣業市場の動向をみると、人材不足を背景とした売り手市場が続き、派遣労働者の時給単価も上昇傾向にあるものの、一部の業種ではスタッフの供給量が需要を上回る状況もあり、伸び率は前年度よりも縮小するとみられている。

 関連法の改正も市場に影響を与えている。昨年9月に施行された改正労働者派遣法では、派遣労働者の派遣終了後の雇用を継続させるなど、派遣労働者の雇用安定措置が盛り込まれた。また、2013年4月施行の改正労働者契約法には、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換できる「無期転換ルール」があり、その適用が2018年に迫っている。そのため、企業では人材派遣からアウトソーシングサービスへシフトする動きが活発化しており、人材派遣業市場の拡大を妨げる要因となっていると同社は指摘している。

 一方で、小規模な労働者派遣事業者の倒産は増えている。東京商工リサーチが11月9日に発表した、「労働者派遣業の倒産状況(2016年1月~10月)」によると、企業の倒産件数がバブル期並みの低水準で推移する中、労働者派遣事業者の倒産は前年同期を上回り、10月までに前年同期比8%増の54社が倒産した。負債総額は前年同期比8.2%増の38億200万円だった。負債の規模をみると負債10億円以上の大型倒産は発生しておらず、1件あたりの平均負債額は前年同期と同水準の7,000万円にとどまり、小規模企業の倒産が目立った。倒産の理由をみると、販売不振が35件で全体の64.8%を占め、他社倒産の余波が8件(構成比14.8%)、放漫経営が6件(同11.1%)などとなっている。同業他社との競争のほか、規模間での賃金格差が拡大し、小規模事業者ほど派遣労働者の確保が難しくなっている環境があるという。

 また、昨年9月に施行された改正労働者派遣法では、資産要件の強化や派遣社員へのキャリアアップ支援(キャリア形成支援制度)が義務化されるなど事業継続のコストがかさみ、経営体力が乏しい中小・零細規模の派遣事業者には経営の重荷になっているとみられる。

 市場が成長する中、資本力に乏しい派遣事業者には厳しい環境が続き、淘汰が進む可能性がありそうだ。

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