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ユーロリスク再燃の可能性

イタリア政府は憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施する。憲法の改正案は上院議会の議員定数の削減や権限の縮小など首相の権限の強化につながる内容となっている。レンツィ首相は憲法改正はイタリア政治に必要な安定をもたらすと主張、否決された場合には辞任する意向を表明している。

 世論調査では、改正反対派が優勢となっている上に、米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利によってレンツィ首相を取り巻く環境に変化も生じた。イタリアでもレンツィ政権の打倒を目指すポピュリストの運動は勢いを増しつつあり、12月4日の国民投票では憲法改正が否決され、レンツィ首相が辞任するのではないかとの観測が強まった。2017年の早い時期に総選挙実施となる可能性も指摘されている。

 これを受けて今年8月に1%近くまで低下したイタリアの長期金利は一時2%台に乗せてきた(2日は買い戻しの動きが出て大きく買い戻されて2%割れとなった)。イタリアの政治空白の可能性によるイタリアの銀行への懸念も出ていた。レンツィ首相が辞任するような事態となると、資金調達を巡る懸念により、同国内の銀行に破綻のリスクが生じるとされる。

 12月4日にはオーストリアでも大統領選挙が行われる。これは5月の決選投票で開票作業の不備が明らかになったことでのやり直し選挙となる。極右・自由党候補のホーファ国民議会第三議長とリベラル系の前緑の党党首、ファンデアベレン氏の対決となる。最近の世論調査では両候補の支持が伯仲しているようだが、トランプ効果により、EU離脱派でもあるホーファ氏が勝利する可能性もある。

 来年4月または5月にはフランスで大統領選挙が実施される。こちらも極右政党「国民戦線」のルペン党首が有力候補となっている。現職のオランド大統領の支持率は各世論調査で最低を記録し、すでにオランド大統領は大統領選挙への立候補を断念する考えを表明している。トランプ効果の追い風もあり、フランスでも極右政党の党首が大統領となる可能性がある。ドイツも来年9月に総選挙を控えている。

 すでにイギリスは国民投票でEU離脱を決定した。米国ではトランプ氏が予想を覆して勝利し、この流れで行くとイタリアでも国民投票の結果を受けてレンツィ首相が辞任しかねない。フランスでも極右候補が大統領選を制する可能性が出てきており、オランダでも極右候補が台頭している。

 イタリアの銀行の動向も気になるところではあるが、この流れはあらためてユーロシステムの崩壊の可能性を意味する。ギリシャショックの際はかろうじてユーロ崩壊は免れたものの、今後再びユーロリスクを意識せざるを得なくなる懸念がある。

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