記事

民放キー局のジリ貧化を食い止めるには何か必要?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

***

民放キー局は、なだらかな左下がり、ジリ貧の道を歩んでいる。今になってそのスピードは鈍化しているが、着実に見る人が少なくなっている状況は変わっていない。しかし、このジリ貧はいつか、止まる。その止まったときにどういう状態にあるかで民放同士の勝負は決まる。

民放キー局は通常、地上波デジタル放送、BSデジタル放送、衛星放送であるCSチャンネルの3つを運営している。明らかに放送行政へのおつきあいでやっているCSチャンネルを除いて考えてみよう。

どの局も最も力を入れているのが地上波デジタル放送であり、BSデジタル放送は残念ながら費用を掛けないで作ろうと言うことに徹しているようである。しかも、地上波デジタル放送もBSデジタル放送も総合編成であり、どんなジャンルの番組もやっているが、BSデジタル放送は「ぬるい地上波デジタル放送」というくびきから逃れられていない。ここにとどまっていては展望は開けない。

【参考】テレビは何を失った?「テレビ衰退」6つの理由

地上波デジタル放送とBSデジタル放送という2つのメディアを跨いだ大幅な編成替えが必要であると考える。筆者が最も有力な方法であると考えるのは、地上波デジタル放送を「流しっぱなしのテレビ」。BSデジタル放送を「選んで見るテレビ」に変える戦略である。

具体的に言えば地上波デジタル放送をニュース専門局にする。アメリカで言えばCNNや、FOXニュース(FOX News Channel、FNC)のようなチャンネルにする。ペイテレビには出来ないかも知れないが、無料放送で良い。

このチャンネルには調査報道番組、大型ニュースショー、定時ニュース番組、ニュース解説番組、経済情報、スポーツニュース、ワイドショー、地方局制作の物を大幅に取り上げるドキュメンタリ番組が軒を連ねる。目指すは視聴者が「流しっぱなし(で見てくれる)テレビ」である。

一方、BSデジタル放送にはエンタテインメント系の番組を集約する。ドラマ、歌番組、トーク番組、紀行番組、バラエティ、カルチャー番組、等、録画鑑賞に堪えることがここにラインナップされる番組の条件だ。目指すは「選んで(見てもらえる)テレビ」である。

テレビマンからは「そんなことは出来ないよ」との声が聞こえてきそうだが、テレビのジリ貧が、止まったときにこの形態により近くなれたテレビ局が勝負に勝つのではないか。

ここまで筆者が言い切るわけだが、マーケティング的な証拠は欲しいですか?

あわせて読みたい

「テレビ業界」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    雷雨で強行 花火大会運営に絶句

    かさこ

  2. 2

    ひろゆき氏語る「奴隷のやめ方」

    サイボウズ式

  3. 3

    コンビニで現金払いする人は迷惑

    内藤忍

  4. 4

    玉木議員が加計めぐるデマに反論

    玉木雄一郎

  5. 5

    自民議員「政権の賞味期限近い」

    NEWSポストセブン

  6. 6

    同窓会では会社の名刺を出すな

    シェアーズカフェ・オンライン

  7. 7

    フォアグラ人気の裏に残酷な現実

    オルタナS編集部(若者の社会変革を応援)

  8. 8

    幻すぎて正体不明のゲーム機発見

    krmmk3

  9. 9

    東芝決算後も続く上場廃止の危機

    片山 修

  10. 10

    韓国の都合に合わせるのはやめよ

    深谷隆司

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。