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見えてきた、トランプ政権の方向性

 なんでもかんでも米国優先の保護主義に走るのか、ある程度は国際社会との協調を図るのか、トランプ次期米大統領の政策に世界中が注目している。

 そんな中すこし見えてきたのが、金融ビジネス寄りの政策色が濃くなりそうだということだろう。 財務長官など金融関連の重職に、次々と米大手投資銀行ゴールドマンサックス社の幹部が登用されている。

 良くいえばマーケットの声を聴く、悪くいえば金融バブルを再現しかねない政策を、次期政権はどんどん打ち出してくるのだろう。

 マーケットの声を聴くといっても、最近はマーケット参加者の大半が短期指向となっている。 それもあって、マーケットが発信する情報といっても、短期のディーリング売買が主体となる傾向が強い。

 短期のディーリング売買では、迅速性と資金力が大きな力を持つ。 果たして、どこまで経済合理性を反映した価格形成となるかは、大いに疑問である。

 ひと昔前までは、マーケットの一角を長期投資家がどっしりと抑えていたから、長期視野の企業経営をサポートする価格情報もマーケットからは発信された。

 残念ながら、企業経営すなわち経済の現場を反映した価格情報は、どんどん片隅に追いやられている。 その横で、目先のディーリング売買から形成される、マネーゲームの価格情報でマーケットはあふれ返っている。

 一方、金融バブルの再来はいくらでも想定できる。 イエレンFRB議長が慎重に出口戦略を進めているが、それは次のバブル発生とインフレ襲来を未然に防ごうとする政策である。

 ところが、次期政権で金融主体の政策を打ち出してくれれば、金融をバブル気味に持っていって大儲けしようという連中にとっては大歓迎となる。

 上手い具合に、米国の大手銀行はリーマンショックの不良債権処理を終えて、どこも身軽になっている。 その横で、ヨーロッパの銀行はいまだに金融バブルの後始末に追われている。

 米国の大手銀行はどこも、世界マーケットで攻勢をかける絶好の立ち位置にある。 そこへ、トランプ政権が金融寄りの政策を打ち出せば、まさに米国一人勝ちの図式である。

 それはそのまま、米国優先を唱えるトランプ政策の成功例となる。 そして、米国の金融界は大儲けする。 トランプ氏の出身母体である不動産業界にも追い風となる。

 まあ世の中、そうそう上手くは運ばないもの。 おそらく、金融バブルと長期金利の上昇とが入り混じった、収拾のつかない混乱にマーケットは翻弄されることになろう。

 米国の長期金利は、トランプ政権の財政出動増加を読み込んで早くも上昇に転じている。 それは、経済合理性を反映したマーケットらしい動きである。

 そういったごく自然体の金利上昇を抑え込みながら、次期政権が金融ビジネス優先の政策を推し進めるとすれば、それだけ強引に金融バブルの種を蒔き続けることになる。

 しかし、今度の金融バブルは長期金利の上昇すなわち経済合理性との戦いを伴っている。 ひどい混乱となるのだろうが、本格的な長期投資家にとっては別にどうってことない話。

 われわれ本物の長期投資家は、どんなに大きな経済混乱の波をも乗り切っていく。 なぜなら、常に経済合理性を意識した行動に徹しているからだ。

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