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OPECの減産最終合意でトランプ相場は継続

 30日のOPEC総会では、減産を巡り利害の対立を抱えるサウジアラビアとイランが土壇場で歩み寄り、9月末のアルジェリアの臨時総会で合意した内容に基づき減産で一致した(日経新聞)。

 サウジ、イラン、イラクの意見が噛み合わず、特に全加盟国に減産協力を求めるサウジと減産の適用除外を求めるイランが対立していた。このため30日の総会での減産合意は難しいとの観測から原油先物は売られていた。WTI先物は45ドル近辺まで下げた。

 総会直前の30日朝には加盟国の閣僚らによる非公式会合が開かれたことで、合意は難しいとの観測がむしろ強まっていたが、それだけ減産に向けてサウジを中心に何とか減産合意に持っていきたいとの意識が強かったようである。

 イランへの譲歩に難色を示してきたサウジの態度の軟化が、加盟国を8年ぶりの減産での合意に導いた格好となった(日経新聞)。

 これを受けて原油価格は急上昇、指標となっているWTI先物は30日から12月1日にかけて買い進まれて50ドルの大台を回復した。トランプラリーの原動力となっている米長期金利も上昇しも米長期金利は2.4%台に乗せてきた。これは原油価格の上昇による物価上昇という要因だけでなく、ADP全国雇用者数が予想を上回るなど経済指標も影響した。12月13、14日に開かれるFOMCでの利上げ観測がさらに強まった格好となった(すでに100%以上の利上げ予想ではあるが)。

 外為市場でドルは上昇し、特にドル円は一時114円台後半まで上昇した。ドル高ではあるが、ユーロ円も121円台をつけるなど円安の動きともなっていた。

 ただし、30日から1日にかけての米国株式市場はアマゾン・ドット・コムやフェイスブック、グーグルの持ち株会社アルファベットといった代表的なネット関連株が大幅安となったことで、ナスダックは下落した。銀行株や石油関連株の上昇で12月1日のダウ平均は上昇し、過去最高値を更新した。

 これはトランプ次期大統領が、米国を代表する大手企業であるアップル、グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、マイクロソフトなどに対して、米国の雇用面、海外投資などに絡んで改善を求めることが予想され、対立色を強めるのではとの観測が背景にある。

 つまりトランプラリーという相場のなかでは、これらハイテク企業の株は売られやすくなり、規制緩和などの観測による銀行株などが買われた格好となった。

 新政権が現実にどのような政策を行うのかはまだはっかりしていない。ここにきてやっと財務長官や商務長官の人事が発表されたが、この人事からもTPPは反対するであろう程度しか読み取れない。

 それでも期待感を背景に2012年末のアベノミクス相場のような展開があらためて再開した。チャートを見る限り、ドル円は115円をいずれ突破して120円あたりまでの上昇もありうるか。日経平均は昨年12月以来の2万円が目処となる。そして米国の長期金利は2014年はじめにつけた3%もいずれ意識される可能性がある。

 原油価格の上昇や円安は物価上昇要因となる。これに株高も組み合わされば、日銀にとっては願ってもない動きとなろう(決してこれは日銀の金融緩和によるものではないが)。しかし、米長期金利の上昇が今後続き、原油高などによる物価の上昇観測が強まれば、日本の国債の利回りも当然、上昇圧力を強めることも予想される。それをどのように日銀はコントロールするのか、というよりもコントロールできるのか、このあたりも今後の焦点となる。

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