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日清食品のヒットから見る、即席麺の未来

野村証券 アナリスト 藤原悟史 構成=衣谷 康

日清食品の「カップヌードルリッチ」が好調だ。今年4月の発売後1カ月で600万食を販売。売れすぎたためか、現在はあまり店頭で見られなくなったが、日清はシリーズの第2弾、第3弾を考えているだろう。

日清の狙いは明確だ。カップ麺の主要な消費者ではなかった女性やシニア層をターゲットにして、新たな需要を掘り起こすことだ。昨年、カロリーと脂質を抑えた「カップヌードルライトプラス」を投入して女性の心をつかんだ。リッチではシニア層を意識して開発したが、結果として女性も含めた大ヒットとなった。

国内ではトップシェアの日清だが、海外展開では競合他社に遅れをとっている。海外の即席麺市場では、北米は東洋水産が強く、シェア70%前後。日清は20%程度だ。南米のメキシコでも東洋水産が90%と圧倒的に強い。エースコックはベトナムでの売り上げが全社売上高の47%(2015年12月期)。海外で即席麺というと、カップ麺より袋麺が主流で、日清の商品は価格が高いと捉えられている。

しかし、日清は「カップヌードル」をグローバルブランドとして確立することを目指し、海外M&Aなど投資を加速している。東洋水産は、現状では海外展開に成功しているが、新たな投資はあまり行っていない。今後の成長余力という点では、日清に軍配が上がる。

またグローバルで苦戦しているとはいえ、中国市場は好調だ。ほかの新興国も、中国のように経済成長で中間層が増大することで、袋麺より高付加価値なカップヌードルを購入する消費者が増えると見ている。

カップ麺というジャンルを創造した日清は、リッチだけでなく、トムヤンクン味やパスタスタイル、カップヌードルごはんなど、新機軸の商品を開発し続けている。その挑戦的な姿勢こそが他社との最大の差別化ポイントと言えるだろう。

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