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ASKA タクシー車内映像報道の違法性

タクシー会社チェッカーキャブは、本日11月30日午後、28日に覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたASKA容疑者の直前のタクシー車内の映像を、テレビ各局に提供したことを認めて謝罪した。

しかし犯罪映像でもない安易な映像提供は、個人情報保護法に違反する。謝罪だけでは済まない事態というべきである。

報道の自由や国民の知る権利を前提としても、今回のタクシー内の私的な会話の映像に「公益性」があるとは言い難く、報道機関の報道の在り方としても問題が残り、ASKA容疑者やその家族が、BPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てをするまでもなく、当然に、BPOの審査入りがあり得る事態だろうと思う。

 →BPO放送倫理検証委員会=被害者からの申し立ては不要=つまり職権  窓口:視聴者からの意見

 問題があると指摘された番組について、取材・制作のあり方や番組内容について調査。放送倫理上の問題の有無を、審議・審理し、その結果を公表します。

 →BPO放送人権委員会=被害者及びその利害関係人からの申し立てが必要 窓口:申し立て方法

  「放送によって人権侵害を受けた」との申立てを受けて審理します。

個人情報保護法の主位的所轄官庁は消費者庁である。しかもタクシー利用者も消費者である。二重の意味で、個人情報保護法を所管する消費者庁はただちに調査に入るべきである。

またタクシーを所管する道路運送法上も、こうした個人情報のずさんな管理には問題がある。同法を所管する国土交通省は、タクシー会社との関係では、個人情報保護法は、消費者庁と共管官庁である。

つまり国土交通省は、個人情報保護法及び道路運送法に基づき、タクシー会社チェッカーキャブに対し報告徴求を促し、そのうえで、「どうして今回の個人情報が流出したか」の経緯も含めて公表し(この点が解明できなければ再発防止策が構築できない。)、個人情報管理徹底の行政指導が必要な事態である。

場合によってはタクシー事業の業務停止、許可取り消しもありうる深刻な事態というべきである。

ネット上では、今回の映像に対する批判があいつぎ、タクシーの車内映像をマスコミに流したタクシー会社の詮索が始まっていた矢先に、今回、先に謝罪がなされた形だが、今回の問題は、謝罪だけではすまされない。

しかも今回の謝罪も、「どうして今回の個人情報が流出したか」の経緯が公表されておらず、中途半端なものであるし、録画の理由も、「これには、防犯の観点の他、万が一の事故などの原因解明に活用することで、「安全・安心」の更なるレベルアップにつなげる目的もございます。」などと、「客」=消費者保護の視点が全く抜けている。

ドライブレコーダでの録画は、犯罪防止だけでなく、運転手とのトラブルがあった場合にも、それを確認し対処する、お客のためのものでもある。実際、明らかな遠回りや乱暴な言葉遣いなど、消費者にとって、悪質なドライバーを駆逐させる効果も大きいし、実際、録画が、消費者の苦情の根拠となって、タクシー代金が返還されたケースも既に出ている。

つまりドライブレコーダでの録画に対する、タクシー会社の会社優先の管理の発想が、今回の個人情報の安易な流出を許したのではないかとも懸念される。

消費者庁及び国交省は、早急にタクシー会社に対して調査を入れ、今回の事態が発生した経緯や原因などを公表し、再発防止策を講じさせるべきである。

現代社会においては、ドライブレコーダは、レンターカーなどにも広がっており、一般消費者にとっては、その管理の徹底は、焦眉の課題になっていることもあり、なお一層、所轄官庁及びその担当大臣の役割は大きい。

※注 こうした紀藤の意見の一部は、J-CASTニュースにも取り上げられていますが、ちょっと詳しめに書いてみました。

ASKAタクシー映像 放送TV局「BPO審議入り」の指摘 - Yahoo!ニュースJ-CASTニュース 11/30(水) 17:33配信

[参考]

チェッカーキャブ

・株式会社チェッカーキャブの謝罪文=下線は紀藤

この度のチェッカーキャブ加盟会社の車内映像がテレビ等マスコミ各局にて放送されている事態につきまして」

お知らせ


2016年11月30日 この度のチェッカーキャブ加盟会社の車内映像がテレビ等マスコミ各局にて放送されている事態につきまして   

この度、チェッカーキャブ加盟会社の車内映像がテレビ等マスコミ各局にて放送されている事態となっております。

チェッカー加盟各社の車両では、ドライブレコーダーによる車内外の様子を記録しております。これには、防犯の観点の他、万が一の事故などの原因解明に活用することで、「安全・安心」の更なるレベルアップにつなげる目的もございます。

映像の活用は、法令又は条例の規定に基づく場合を除くほか、事故・トラブル等の確認及び事故分析、原因究明、ヒヤリハット情報の収集 、安全運行に資するための研修教材の作成及び安全運転教育への活用 、ドライブレコーダー導入車両による安全運転指導の実施などへの活用にとどめ、記録映像は運行 管理統括部長などの管理者が厳重に管理することとしております。

また外部への映像提供にあたっては、刑事訴訟法の規定に基づく捜査機機関からの文書による照会に応じて提供する場合、ならびに事故やトラブルの状況及び原因を明らかにするために、その当事者、保険会社、捜査機関に提供する場合のみとしております。

現在、マスコミ各社にて放送されている映像は、当グループ加盟の1社よりマスコミへ提供されたものでございますが、これは上記のような映像提供の事案には当たりません。映像提供を行った社に対しては、グループとして厳罰をもって対応し、記録映像の管理徹底を図らせる所存であります。

放送された映像の関係者の皆様におかれましては、大変なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。また、平素よりチェッカーグループをご利用いただいております皆様におかれましても、多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを重ねてお詫びいたします。

当グループでは、これまでも記録映像にあたっては、加盟各社に対し厳格な取り扱いを求め情報管理の徹底に努めてまいりましたが、このような映像提供が発生したことを踏まえ、今後は更なる厳格化をはかって再発防止に全力で取り組んでまいります。

平成28年11月30日

株式会社チェッカーキャブ代表取締役社長
チェッカーキャブ無線協同組合理事長

安田敏明

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