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結婚時、保険は掛け捨て型と積立型のどちらがいいですか?

出口治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久

僕がサラリーマンだった高度成長期は、長期金利が8%を超えていました。「72のルール」を知っていますか。これは「72÷金利」が「元本が倍になる年数」という公式です。

――金利が8%なら、9年で元本が倍になった時代があったのですね。

金利が高い時代は保険に限らず、積立型がお得です。では、金利が1%の場合は何年かかりますか?

――72年です。生きている間には倍にならないかもしれません。

0.1%なら720年、0.01%なら7200年もかかって石器時代に戻ってしまいます。つまり、低金利やマイナス金利の時代は、積立型の保険ではなく、保険の本質を考えて、掛け捨て型を選ぶべきです。

――「保険の本質」と言われてもわかりません……。

健康保険を支払っている人の中に健康で1年に一度も病院に行かなかった人がいたとします。その人は、「健康保険料がすべて掛け捨てになって損するから」と、わざと階段から落ちて、病院に入院することで取り戻そうとするでしょうか?

――さすがにしないでしょうね。

そうでしょう。保険でお金を取り戻すという発想自体が間違っています。貯蓄ではなく、いざというときに備えるために掛け捨てるのが保険の本質です。

――では、結婚して掛け捨て型の保険に入るときは、何がいいですか。

まず検討すべきは死亡保険です。もしパートナーが死んでしまったらいくら必要かを考えます。

――妻が専業主婦の場合はいくらぐらいの保険金が必要でしょうか?

あなたの手取り年収の2、3年分の保険金が一つの目安です。そのお金を生活資金に回して時間を稼ぐうちに、次の仕事が見つかると考えて。

――妻が働いているケースではどうでしょうか?

400万~500万円あれば当座何が起こっても十分だと思います。すぐに子どもをつくろうと思っていたら、子ども1人につき1000万円をプラスしてください。さらに、その子どもを私立の学校に入れたければ、2000万~3000万円を目安に考えてください。

――そのほかに入るべき保険はありますか?

死亡保険の次は、就業不能保険を検討しましょう。商品の種類にもよりますが、掛け捨てで200~3000円掛けておけば、いざというときには毎月10万~15万円の保険金がもらえます。

保険料は手取り月収の3~5%以内に留め、その範囲内で死亡保険と就業不能保険を選ぶといいでしょう。

Answer:保険の本質は貯蓄にあらず。掛け捨て型の死亡保険と就業不能保険を選びましょう

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長 

1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。経済界屈指の読書家。

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