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【トレーダージョーズ】、非常識な無条件返品!日系の小売業がアメリカで失敗する理由?

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■トレーダージョーズでは無条件の返品保証を謳っている。「食べてみたが不味かった」などの不満があれば、購入日に関わらず、返品理由も聞かれることもなく、レシートがなくても100%返金に応じてくれるのだ。この話は本当なのだろうか?トレーダージョーズで実際に返品を試したことがある。

用意したのは半年前に購入して未開封のシリアル、半年前に賞味切れとなったワサビ・マヨネーズ(3分の1程度を消費)、約2年前に賞味期限となった未開封のマヨネーズ、3年前に購入し現在は販売中止となったハーブティ(半分以上を消費)、そして3年前に賞味期限が切れたチキンブロスの5点だ。すべてトレーダージョーズのプライベートブランド商品とはいえ、扱いさえ止めている商品から確実に腐っている食品を、レシートなく返品できるのか?を試したのだ。

 返品で向かったのはトレーダージョーズ・マンハッタンビーチ店。レジ横にあるカスタマーサービスにトレーダージョーズのエコバックに入った5点を「返品」と告げて差し出すと、スタッフは何も言わずエコバックから商品を出し、1点1点の商品番号を返品シートに記入するだけだった。期限切れや販売中止品についても聞かれないどころか、レシートの有無や返品理由、どこの地区のトレーダージョーズで購入した等も聞かなかった。

スタッフは「この返品シートをレジ係りに渡して、返金をもらってください」との指示のみ。返品からわずか90秒。レジ係りに返品シートを渡したら、カスタマーサービスのスタッフと確認後に返金してもらった。ここでも何も聞かれず、わずか90秒で返金手続きが済んでしまった。返金総額は購入金額と同じ12.25ドル。トレーダージョーズの返品ポリシーにあるように無条件、100%の返金だった。捨ててもいい商品をトレーダージョーズでは返品できるのだ。

 トレーダージョーズは極端な例かもしれないが、多くのチェーンではレシートを見せることで返品は可能だ。逆にアメリカでは返品ができないお店は異端となるのだ。

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トレーダージョーズの返品実験で用意したのは半年前に購入して未開封のシリアル、半年前に賞味切れとなったワサビ・マヨネーズ(3分の1程度を消費)、約2年前に賞味期限となった未開封のマヨネーズ、3年前に購入し現在は販売中止となったハーブティ(半分以上を消費)、そして3年前に賞味期限が切れたチキンブロスの5点だ。普通なら捨てるような商品さえ返品できるのかを試した。

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レジ横にあるカスタマーサービスにトレーダージョーズのエコバックに入った5点を「返品(returns)」と告げて差し出すと、スタッフは何も言わずエコバックから商品を出し、1点1点の商品番号を返品シートに記入するだけだった。期限切れや販売中止品についても聞かれないどころか、レシートの有無や返品理由、どこの地区のトレーダージョーズで購入した等も聞かなかった。

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スタッフからは「この返品シートをレジ係りに渡して、返金してもらってください」と言われた。返品からわずか90秒だ。レジ係りに返品シートを渡したら、カスタマーサービスのスタッフと確認後に返金してもらった。ここでも何も聞かれず、わずか90秒で返金手続きが済んでしまった。

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返金総額は購入金額と同じ12.25ドル。トレーダージョーズの返品ポリシーにあるように無条件、100%の返金だった。捨ててもいい商品をトレーダージョーズでは返品できるのだ。トレーダージョーズの事例は極端だが、返品はアメリカの商売では(条件こそ違えど)常識と言っていいだろう。



⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。3年前に賞味期限切れとなったチキンブロスは、数年前に帰国した友人が置いていったものでした。「まぁ、そのうち使うだろう」と冷蔵庫に保管していました。保管していたことをすっかり忘れたため、冷蔵庫の奥で熟成したようで、容器の紙パックが少し膨張していました(笑)。

食べられる状態でなくてもトレーダージョーズでは返品可ということです。アメリカの流通では、強調しても強調しきれないぐらい返品は重要なんですね。これと同様に食品店でのサンプリングがあります。スーパーマーケットのデリで結構、自由に試食できるのです。トレーダージョーズはスタッフに云えば、自由に食べさせてくれます。無論、開封した食品は売り物にはなりません。それでも自由にサンプリングさせてくれるのです。

ところでアメリカに進出した日系小売企業で、こういったアメリカのマーケット事情を理解しているところはあまり多くありません。で、彼らの多くは失敗しています。



⇒アメリカ市場で成功していない背景には進出前にアメリカのマーケット事情をしっかり研究していないことがあるのです。アメリカに進出する日系小売企業は必ずと言っていいほど日本で上手くいっています。日本で成功しているから、多くが自分たちでマーケットを調査しないのです。日本の取引先を通じて現地支社に問い合わせたり、提携相手からアメリカの情報を得ようとします。

なぜなら、調査コストが全くかからないからです。現地支社や現地提携相手はアメリカで一緒に仕事をしたいと考えています。彼らにとってはアメリカ進出企業は将来の大切なお客さんなんですね。無料報酬で現地視察に随行してくれたりするのです。利害関係になっているので、アメリカのマーケット事情でいい面ばかりを強調することになるのです。

少なくとも悪い面はできるだけ見せないようにするのです。アメリカに進出してもらったら大口のお客さんになりますから、接待のようにサービスをしてくれるのです。で、アメリカに進出したら成功するように夢を見させます。



⇒ところが実際にアメリカで事業を始めてみると、これまで見えてこなかったマーケットの影の部分が見えてくるようになります。その一つが寛大すぎる返品制度です。日本では非常識な返品も現地客は当たり前のようにしてくるのです。で、現地に派遣された日本人はやっと理解できるようになるのですが、本社の役員は知りません。

知らないどころがなぜ廃棄処分コストが莫大になるのかと文句をいってきます。で結局、本社の命令によって、返品条件を厳しくします。返品条件が厳しいことを知らないお客はお店に返品してきます。「開封したら返品は無効」「新品と同様でなければ返品不可」で、お店とお客の間でひと悶着あるのです。

文句タラタラ客はイエルプにクレームを書き込みます。このお店の返品は厳しい広まれば、誰も冒険までして買い物しません。商品が割高で返品が厳しければ現地のお客から共感は得られません。トレーダージョーズは腐った商品でも返品OKなんですよ。それは食品だからウチと違うといっても理解されません。

 マーケットを自分で調べず現地で失敗が続くというパターンはこれまで何度も目撃した日系小売企業のあるあるです。

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