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【米知日派の分析】

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知日派の代表格のGerald Curtisコロンビア大学名誉教授の日本外国特派員協会でのお話、とってもおもしろかったです。

」を主張するトランプ政権の成立は、むしろ日本/安倍首相が自由貿易における世界のリーダーになり、対ロ・対中

■「保護主義」と「同盟軽視関係を改善させるチャンスである。

■プーチン大統領を敬愛するトランプ大統領の誕生は、安倍首相の対ロ交渉能力を低下させるかもしれないが、プーチン・トランプの仲介役となり得る。

■国内世論を抑えて四島返還でない合意をまとめられるのは、歴史上、ロシアではプーチン大統領のみ、日本でも安倍首相のみだろう・・・などが勉強になりました。

以下は、メモです。


(首相官邸HP)

トランプの登場は不透明感(uncertainty )をもたらし、国際政治の不安定(instability )つながっている。アジアにいたっては、トランプ登場前から不安定だったので、よりいっそう混乱する。

トランプの外交政策はとかくこう言われている。

■ロシアのプーチン大統領と関係改善

■中国との対立から通商戦争が勃発

■移民政策の転換

■日米同盟の形骸化

一方で、トランプは原則がなく、ナルシストである。そして、トランプはアメリカのソフトパワーに大打撃である。日本の学生から「アメリカに留学したいが、安全か?」「日本人などアジア人がニューヨークで差別されないか?」と聞かれ、衝撃を受けた。

日系アメリカ人の強制収容をトランプは批判しなかった。それどころかトランプ陣営は、イスラム教徒を規制するために日系アメリカ人の強制収容を参考にするとまで言った。

[日米関係]

11月8 日の大統領選挙の 2日前、在ワシントンの日本大使館がトランプ陣営に「トランプが勝利したら、直ちに安倍首相から祝意を伝えたい」と連絡をしたところ、先方はえらい喜んだそうだ。

あわせて、ペルーのAPEC に出席する前にNYに寄って会談したいとも申し入れた。トランプは "that would be awesome(ちょーうれしい) " と言ったそうだ。

NYでの会談はget to know you meetingだったのだろうが、予定の 45分をこえた90分の会談ではゴルフ以外についても話したでしょう。 一方で、間違いなく 話さなかったのは、日本が予算を増額しない限り駐留するアメリカ軍を撤退するという選挙公約

安倍首相は「トランプ氏は信頼できるリーダー」と述べた。個人的には言い過ぎだと思うが、仮にトランプが米軍のことを話したら、こうした反応にはならない。もちろん日米同盟の重要性については話したのだろう。

安倍首相はトランプに高価なドライバーを贈ったが、何かほかにお土産があったわけでない。そして、就任する前の大統領に対して、日本の立ち位置を説明した。決して、アメリカに日本の立ち位置を聞きに行ったわけではない。ここに大きな変化がある。

私は、トランプ政権下での日米関係について楽観的である。確かに、日本に対して防衛費の増額を求める圧力はあるだろう。しかし、それは仮にクリントン政権が誕生した場合も同じだっただろう。それに、防衛能力を引き上げたい安倍首相にとっては願ったり叶ったりの要求だ。

次の国家安全保障補佐官になるMichael Flynnは先月来日した際に菅官房長官に対して「日米関係に変化はない」と伝えたということだが、それはその通りだと思う。トランプ大統領になってもアメリカに強い組織があり、その最たるものがペンタゴン=国防総省である。

日米同盟をめぐる環境は変わった。これまではアメリカがもの申して決断をして、日本が負担をする関係だった。今や、日本は自らの考えを持ち、アメリカもそれに対応しないといけない。安倍首相のトランプ大統領へのメッセージはそういうものだろう。日米同盟は日本にとって不可欠だが、アメリカにとっても不可欠だ。

トランプは決して「日本は自国で防衛しろ」とは言っていなかった。トランプが言ったのは「日本はもっとカネを払え」と言ったのだ。これではまるで傭兵 (mercenary army)のようだとして、反発を招いた。アメリカにとって日米同盟かが不可欠でなければ、いくらカネを払われても日本を防衛しない。日本を防衛することはアメリカの防衛にとって重要なのだ。

[日米経済関係]

トランプの話を聞いているとまるで彼の精神が貿易摩擦が激しかった1980 年代に凍結されたままのようだ。ただし、その頃と大きく異なるのは日本の企業が積極的にアメリカに工場を建設したこと。

例えばトヨタ自動車が工場を持つ全米 9つの州は、いずれも州知事が共和党で、多くの上下両院の議員も共和党だ。トヨタは全米で210 億ドルもの投資をして雇用を生み出している。

次期副大統領のペンスはインディアナ州知事を経てインディアナ州出身の議員だ。そのインディアナ州には、ホンダ、トヨタ、富士重工が工場を持っている。仮にトランプが日本叩きを始めたら、こうした州の知事や議員が何をやっているだ!と騒ぎ出すだろう。

TPPについては、安倍首相は非常に一貫している。日本では11月 10日に必要な法案が衆議院を通過し、30日後には成立する。大統領選挙の前後は「TPPはもう絶対にやれない」と申し上げてきたが、今週に入って「絶対に」を落として「TPPはやれない」と申し上げている。

安倍首相は、共和党の主流派がトランプの気持ちを変えることを期待している。トランプの顔を立てて、一部修正するにしても、共和党の多くの議員がTPPを支持し、ペンス次期副大統領が自由貿易推進派であることから薄い望み( slim hope)を持っている。

ここは日本にとってはチャンスである。トランプが保護主義的な提唱をする中で、自由貿易を支持する側のリーダーに安倍首相はなれる。

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