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米10月小売売上高は好調、ハリケーン“マシュー”も味方に

Retail Sales Surge Two-Month In A Row.

米10月小売売上高と、米10月鉱工業生産をおさらいしていきます。

米10月小売売上高は前月比0.8%増と、市場予想の0.6%増を上回った。前月の1.0%増(0.6%増から上方修正)を合わせ、2ヵ月連続で増加。過去2ヵ月分の増加率は、2014年の年初以来で最高示す。米10月新車販売台数が1,790万台と2015年10月以来の最高に接近し動きと、整合的だ。自動車を除いた場合も0.8%増となり、市場予想の0.5%増を超え4ヵ月ぶりの高水準に並ぶ。国内総生産(GDP)の個人消費のうち26%を占めるコア小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は0.9%増と前月の0.3%増を超え、4月以来で最大の伸びを記録した。米7〜9月期GDP速報値での個人消費は2%台へ鈍化したが、10~12月期に加速する可能性が高まりつつある。

内訳をみると、主要13カテゴリー中で11項目増加し、前月の9項目を上回った。今回はガソリンスタンドが牽引したほか雑貨、建築/庭園が強い。一方でアップルの新型スマートフォンiPhone7が発売開始を迎えたが前月に続き電気製品が減少し、効果は見られず。そのほかヘルスケア、一般小売が足を引っ張った。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・雑貨類→2.4%増>前月は2.0%増、6ヵ月平均は0.7%増
・ガソリンスタンド→2.2%増<前月は3.0%増、6ヵ月平均は0.8%増
・非店舗(オンライン含む)→1.5%増>前月は0.9%増、6ヵ月平均は0.7%増

・スポーツ衣料/書籍/趣味→1.3%増>前月は1.2%増、6ヵ月平均は0.2%減
・建築材/園芸→1.1%増<前月は1.9%増、6ヵ月平均は1.2%増
・自動車/部品→1.1%増<前月は1.8%増、6ヵ月平均は1.1%増

・食品/飲料→0.9%増>前月は0.6%増、6ヵ月平均は0.3%増
・ヘルスケア→0.8%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.6%増
・服飾→0.6%増>前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.3%増

・一般小売→0.4%増>前月は0.9%減、6ヵ月平均は0.3%減
(*百貨店は0.7%減>前月は0.8%減、6ヵ月平均は0.7%減)
・電気製品→0.2%増>前月は1.9%減、6ヵ月平均は0.5%減

(マイナス項目)
・外食→0.7%減<前月は0.7%増、6ヵ月平均は0.2%増
・家具→0.9%減<前月は2.0%増、6ヵ月平均は0.1%増

前年比は、コア小売売上高が上振れし希望の光。

retailsales
(作成:米国勢調査局よりMy Big Apple NY)

——米大統領選の直前とはいえ、米10月小売売上高は全般的に上向きホリデー商戦への望みをつなぎます。ハリケーン“マシュー”がフロリダ州周辺を直撃した影響で、建築/園芸が伸びたことも後押し。バークレイズは、米10~12月期の個人消費が前期を超え2.7%増になると予想しています。トランプ旋風で株高が進むなか、消費にも資産効果が現れるでしょうか。

▽米10月鉱工業生産

米10月鉱工業生産指数は前月比±0%となり、市場予想の0.2%以下にとどまった。前月の0.2%の低下(0.1%の上昇から下方修正)に続く低下は免れたが、軟調な流れを維持している。稼働率は75.3%と、市場予想の75.5%に届かず。9月の75.4%並びに2015年10月以来の力強さを示した8月の75.9%も下回り、リセッション前の80%は依然として遠い。

内訳をみると、製造業(全体の78.47%)が前月から回復した。米10月新車販売台数が1,800台の大台に迫ったものの、自動車が大幅上昇。自動車を除いた製造業は0.1%の上昇と、伸びを縮小させている。機械やコンピューター・電子機器がそれぞれ好調だった。一方で公益(全体の10.76%)は平年を上回る気温を背景に2ヵ月連続で低下し、全体の足を引っ張った。鉱業(全体の10.76%)は、原油先物が40ドル台で安定推移するなか、プラス圏を回復している。

・製造業 0.2%の上昇=前月は0.2%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の上昇
自動車 0.9%の上昇>前月は0.3%の上昇、6ヵ月平均は0.7%の上昇
機械 0.1%の上昇>前月は1.4%の低下、6ヵ月平均は0.1%の上昇
コンピューター/電気製品 1.2%の上昇>前月は±0%、6ヵ月平均は0.6%の上昇

・公益 2.6%の低下>前月は3.0%の低下、6ヵ月平均は±0%
電力 2.4%の低下>前月は3.0%の低下、6ヵ月平均は0.1%の上昇
天然ガス 4.3%の低下<前月は2.2%の低下、6ヵ月平均は0.9%の低下

・鉱業 2.1%の上昇>前月は0.4%の低下、6ヵ月平均は0.5%の上昇

鉱工業生産、前年比は14ヵ月連続で低下も下げ幅は縮小。

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(出所:FRBより作成、My Big Apple NY)

――米10月鉱工業生産が予想以下だったとはいえ、主犯は公益です。今年は前年を大きく上回る気温に恵まれ、11月の米大統領選でもコートいらずの陽気だったため、暖房需要が低下したのでしょう。ホリデー商戦の冬物衣料にしわ寄せがいきかねません。

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