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2016年3月期決算、中小企業は増収減益 中堅企業の41%「この数年、景況感は変わらない」

サイトウ イサム[著] / 加藤 秀行[著]

 2016年3月期決算で中小企業の売上高総額は前期比0.9%増、増収企業は48.6%だった。一方、利益総額は11.8%減で大幅に悪化した。

 東京商工リサーチは9月30日、「中小企業の業績」に関する動向調査の結果を発表した。調査は同社の企業データベースから、2016年3月期決算の資本金1億円未満(個人企業、特殊法人を含む)の中小企業と、資本金1億円以上の大企業を無作為に抽出し、13万1,308社の2016年3月期決算を分析したもの。利益は当期純利益を指す。

 資本金1億円未満の中小企業の売上高総額は前期比0.9%増で、増収企業は48.6%だった。増収企業の割合を四半期別決算でみると、2015年9月期が45.0%、2015年12月期が40.2%で、ここにきて改善してきたが5割には届かなかった。一方、中小企業の利益総額は前期比11.8%減で大幅に悪化した。産業別にみると、製造業や卸売業、小売業など大手のコスト削減や消費停滞の影響を受けやすい産業が減収。利益も製造業や金融・保険業、サービス業他が減益で、中でも製造業は3四半期連続で減益となった。

 企業規模別にみると、資本金1億円以上の大企業では中小企業より減収企業が多く、今後の為替レート次第では、大企業から中小企業に業績悪化が波及する可能性があると同社は指摘。状況次第では、中小企業の利益確保が厳しくなる可能性もありそうだ。

 そんな中、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、年間売上規模が約5億円以上250億円未満の日本の中堅企業250社を対象に意識調査を実施し、その結果を「中堅企業調査レポート2016」にまとめて9月30日に発表した。調査時期は5月から6月にかけて。

 3年~5年前から現在の景況感の変化について聞いたところ、「以前より改善」が35%となり、「以前より悪化」の24%を上回った。しかし、「以前と変わらない」が41%で最も多く、景気改善を実感する中堅企業は一部にとどまっていた。今後3年~5年間の見通しについて聞くと「現状と変わらない」が44%で最も多かったが、「現状より悪化」が29%で、「現状より改善」の26%を上回った。国内をみると労働人口減少や個人消費低迷などの懸念があり、多くの中堅企業が今後の経営環境を厳しく捉えていると同社は指摘している。

 このところの業績や将来に対する見通しは企業によって交錯しているものの、少子高齢化や消費低迷を背景に、今後も楽観視できない経営環境にあるといえそうだ。

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