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株はなぜ上がったのか?

ドナルド・トランプが当選したと報じられると日経平均やS&P500先物は「ぎゃぁぁぁぁぁ!」という急落を演じました。

ところが……

株はどっこい戻しました。

いや、それどころか、ズン、ズン、ズン、ズン、ズン、ズン……と、爆走機関車の如くラリーしておるのです。
「えー、どうしてぇ~?」
カギは「トランプ減税」ですね。

トランプはこれまで7段階になっていた税率を、12%、25%、33%の3段階に簡素化すると発表しています。

当選直後にトランプの選挙チームがシグナルした最初のメッセージは「まず減税から」ということでした。

これで株式の投資家は、断然、いきり立ったわけです。

アメリカの株式投資家は減税が大好き!

だから「減税」と聞いただけで、全ての迷いをかなぐり捨てて、
コノ、コノ、コノ、コノ、コノーッ!
と全力買いしたわけです。

あ、説明し遅れましたが、提案されている減税案は裕福層だけが得する仕組みになっています。
嬉しいじゃア、ござんせんか!
これで投資家のトラ様に対する疑心暗鬼は、すう~っと氷解したわけです。

トラ様は、まず2名の重要人事を発表しました。

首席補佐官に元共和党全国委員長を務めたラインス・プリーバス、そして首席戦略官兼上級顧問にスティーブン・バノンを抜擢しました。

このうち我々投資家にとって重要な人事はプリーバスです。

なぜならプリーバスはポール・ライアン下院議長と同郷で親友だからです。

ライアンは長く下院歳入委員会を仕切ったオトコです。

下院歳入委員会は、下院で最もパワフルな委員会であり、およそ法案を通過させるために「どのボタンを押せば良いか?」ということに関しては、ライアンより詳しい人間は居ません。

逆にいえば、ポール・ライアンと仲良くできなければ、トランプは苦しむということです。

そのポール・ライアンとドナルド・トランプは、選挙戦期間中、反目し合いました。

だから今回、トランプがプリーバスを首席補佐官に任命したということは「ごめん、俺が悪かった。ついては税制改革は、あんたらでやりんしゃい」と宣言したも同然なのです。

だから、この人事を見た瞬間、株式の投資家は
コノ、コノ、コノ、コノ、コノーッ!
とまたいきり立ち、全力買いしたわけです。

ところで今回の法案は5兆ドルも連邦政府の歳入が減る、トンデモ法案です。
無責任だす。


もちろん、海外利益の本国送金を促し、それに対して1回きりの課税をするという欠損穴埋め策がビルトインされています。

しかし首尾よくそれが実現される保証は、ありません。

なぜなら、現在の実効税率を調べると:
アマゾン 12.5%
アムジェン 13.6%
アルファベット 16.0%
アップル 16.4%
クウァルコム 16.6%
IBM 17.2%
てな感じで、すでにこれらの企業の税率は低いんです。だから「いま海外利益を米国に戻したら、1回きり、10%の税率で、大目に見てやる」と言ったところで「サンキュー。バット、ノー・サンキュー」です。

つまり株式市場の参加者は今回のトランプ減税がシリアスに無責任な提案であることを重々承知しているし、アメリカの財政の健全性はメチャクチャになることも熟知している……

だからこそ、株をかっているのです!

明るい未来に賭けているんじゃ、断じてない。
生活防衛だす。

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