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パチンコ違法/適法論争に終止符?注目の質問主意書提出

今月、民進党の緒方林太郎議員が衆院に2つの質問主意書を提出。内閣送付が行われています。以下、衆院webサイトからの転載。
賭博及び富くじに関する質問主意書
一 海外にサーバーが存在するオンライン・カジノであり、開帳を始めとするすべての手続きが海外でなされるものに、日本国内からオンラインで賭博に参加する行為は刑法第二編第二十三章の罪に該当するか。

二 海外で販売されている富くじを日本国内から購入する行為は、刑法第百八十七条第三項における富くじを授受した者に該当するか。
右質問する

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風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問主意書
 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二条第一項第四号において、風俗営業の一類型として「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」と規定されている。これを踏まえ、次の通り質問する。 

一 まあじやん屋、ぱちんこ屋以外に何が含まれるか。

二 射幸心とは、何を意味するのか。

三 射幸心の「幸」には、直接的又は間接的に金銭的利益を得る幸せは含まれるか。

四 平成二十六年六月十八日の衆議院内閣委員会で、政府参考人が次のように答弁している。「刑法上賭博等が犯罪とされておりますのは、賭博行為が、勤労その他の正当な原因によらず、単なる偶然の事情により財物を獲得しようと他人と相争うものであり、国民の射幸心を助長し、勤労の美風を害するばかりでなく、副次的な犯罪を誘発し、さらに国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがあることから、社会の風俗を害する行為として処罰することとされているものと承知しております。」ここで言う「射幸心」とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二条第一項第四号の「射幸心」と同義か。

五 「そそる」の有無を判断する基準は何か。また、上記答弁の「助長」との違いは何か。六 ぱちんこ屋で景品を得た後、その景品を金銭に交換している現実を政府として把握しているか。七 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定されるぱちんこ屋は、刑法第二編第二十三章における罪の違法性を阻却する必要はないのか。
右質問する
一つ目の海外に本拠をおいて提供されるオンラインカジノおよびオンライン宝くじへの国内からの参加に関しては、2013年に私自身と友人の渡邊雅之弁護士(@三宅法律事務所)が企画をして実現した質問主意書と同一の質問内容であり、正直、「過去ログみろ」もしくは「ググレカス」以外の感想はないのですが、2本目のパチンコに関する質問は非常に秀逸なものであります。
【参照】ファイナルアンサー: オンライン賭博は違法であるhttp://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8134166.html
パチンコで行われている景品買い取り行為に関する違法性を問うた質問主意書としては、2015年の通常国会においても民主党(当時)の小見山議員から同趣旨のものが内閣送付されております。ただ、当時の小見山議員の質問は、その「書きぶり」があまりにも漠としていた故に、所管の警察庁からは風営法の解釈論のみでお茶を濁されてしまい、肝心のそれらが刑法賭博罪にあたるのか?に関する回答にまで至る事ができなかったという残念な案件でありました。

以下、当時の状況を書いたエントリからの転載。
「パチンコ賞品の買取行為は直ちに違法にはなりません」(by 安倍政権)http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8869930.html
[…]上記のように、風営法との兼ね合いのみに焦点を当てたのではなく、その他の法律も含めて「違法であるか/ないか」の見解を求めていたワケで、政府は小見山議員の質問に対して巧妙に「すれ違い答弁」をしていることが判ります。当然ながら、これは意図的に行っているものでしょう。(これを意図せずやってるのなら、この答弁書を作った官僚は日本語が大変不自由な人であるということになります)

というか、三店方式が風営法の定めに反していないなんてことは最初から判ってるわけで、むしろ小見山議員が本当は聞かなきゃいけないハズの刑法第185条に定められる賭博罪との兼ね合いに関して、政府は回答を避けたというのが実態であると言えます。この答弁書も警察庁単独で作成されたものであり、刑法を所管する法務省は関知していない事になっているハズです。
一方、今回の緒方議員の質問主意書はというと、後半の質問六・七において、「ぱちんこ屋で景品を得た後、その景品を金銭に交換している現実を政府として把握しているか」からの「ぱちんこ屋は、刑法第二編第二十三章における罪の違法性を阻却する必要はないのか」という質問の畳み掛けが、シンプルかつ必要十分な質問内容であり、お見事! その辺は流石、元官僚議員と言うべきでしょうか(緒方議員は元外務省職員です)。

パチンコでの景品買取行為への認知確認をした上で、そこに刑法賭博罪の違法性阻却は必要ないのか?と質問しているわけですから、普通に答えるのなら警察庁の風営法の解釈論で逃げることは出来ず、法務省刑事局が出張ってきて刑法賭博罪の適用論議を行わなければいけません。

もしこれで「違法性阻却は必要ない」との法務省判断が出れば長らく続いてきたパチンコ違法/適法論争においてパチンコ業界の完全勝利。一方、それと異なる回答が出て来た場合には常々パチンコ換金の違法性を訴えてきた「嫌パチンコ派」の方々にとって有利な回答となり得ます。(必ずしも「勝利」と言えるとは限らないが)

果たしてどのような回答が出るのか。はたまた、警察庁はまた何かしらの理屈をコネクリ回して法務省の刑法解釈の明示を避ける方向で動くのか。先日、全く別の事案の流れにおいて消費者庁消費者委員会から刑法解釈論に関する意見書が提出されたのに際し、「パチンコ業界に「終了のお知らせか?」というエントリを書いたばかりでありますが、いよいよこの論争も最終局面に突入したなと思うところ。

「パチンコ違法/適法論争」に終止符が打たれるかもしれない注目の政府答弁を息を凝らして注目して行きたいと思います。

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