記事

米国を再び偉大な国にしよう??

次期大統領に当選したドナルド・トランプ氏の選挙スローガンは、「Make America Great Again」(米国を再び偉大な国にしよう)でした。



言うまでもありませんが、「再び偉大な国にしよう」、ということは現在は偉大な国でないことになります。偉大さからはほど遠い現在のアメリカを表すものとして、マイケル・スナイダー氏は、こんなことを指摘しています。

・約70%のアメリカ人の預金残高は1000ドル以下だ。ほとんどの人たちは、給料ギリギリの生活をしている。
・クレジットカードの支払いが遅れている人たちの数が、2012年以来最高に達している。
・約35%の米国人には、180日以上遅れている借金の支払いがある。
・米国の世帯が抱える借金の総計が12兆3000億ドルという巨大な額に達した。 言い換えると、国民一人当たりの借金額は3万8千557ドルだ。
・2007年以来、米国企業の債務額は2倍に膨れ上がっている。
・オバマ政権が誕生した時、米国の抱える債務額は10兆6000億ドルだった。その額は今日、 $19,842,173,949,869.58.に大きく増えている。
・持ち家率は8年連続で下降となり、現在のレベルは、ほぼ50年ぶりの低レベルだ。
・政府機関で働く人の数が、製造業で働く人の数を超えた。現在、米国の公務員数は、製造業に従事する人の数を1000万人ほど上回っている。
・ニューヨーク市のホームレス人口が、史上最高の6万252人に達した。
・約20%の成人した若い世代は、親の家に相変わらず住んでいる。
正に、国民と政府は借金で首が回らない状態です。

「米国を再び偉大な国にしよう」、を唱えるトランプ次期大統領は、インフラの大幅改善を約束しています。「中国のモダンな空港と比べたら米国の空港はボロボロだ。高速道路は穴だらけだ」、と何度も語っていたトランプ氏ですから、膨大な資金を投入して公共設備を改善することでしょう。もちろん、国を偉大にするためには強い軍事力も必要ですから、防衛費も大幅に増やされることでしょう。ということで、トランプ政権下では政府が抱える債務は大幅に増えそうです。

予想される来月の金利引き上げとトランプ政権下における債務増大を受け、米国債が売られ、利回りが急速に上昇しています。この結果、住宅ローン金利も最近上昇していますが、早速こんな事が報道されています。


チャート:ゼロヘッジ

下降している赤い線は住宅ローンの申し込み数、上昇しているのは住宅ローンの金利です。
住宅ローン金利が4%に迫り、この数ヶ月間で、住宅ローンの申し込み数は30%も下がった。(ゼロヘッジ)
多くのアナリストは、こんな事を語っていました。
住宅ローンの金利が上がり始めれば、これ以上の上昇となる前に家を買っておこう、という人たちがローンの申し込みに殺到する筈だ。
言うまでもなく、今のところそんな様子を見ることはできません。繰り返しますが、70%のアメリカ人の預金残高は1000ドル以下なのですから、家を買いたくても必要な頭金を払うことはできません。

借金だらけのアメリカですから、米国経済には低金利が必要です。しかし、来月の金利引き上げは間違いなし、と言われています。既に住宅ローンの金利が上昇しているように、金利引き上げとなれば、クレジットカードの金利も上昇します。上記したように、クレジットカードの支払い滞納者数は2012年以来最高ですから、ここでのクレッジトカード金利上昇は米国市民に大きな痛手となるでしょう。

決して楽観できない米国の将来ですが、国民の気持ちは明るくなっています。世論調査会社のギャラップ社によると、大統領選挙前マイナス10だった経済信頼感指数は、選挙後プラス3に大きく好転です。米国民は、トランプ氏の提唱する、「米国を再び偉大な国にしよう」に大きな期待をしているようです。

(参照した記事:U.S. Economic Confidence Surges After Election

11 Very Depressing Economic Realities That Donald Trump Will Inherit From Barack Obama

Mortgage Applications Crash 30% As Borrowing Rates Surge

あわせて読みたい

「アメリカ経済」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    タモリ「鶴瓶は偽善」盟友に本音

    メディアゴン

  2. 2

    貴乃花が相撲協会を拒否するワケ

    PRESIDENT Online

  3. 3

    都議のボーナスに1500万円予算増

    おときた駿(東京都議会議員/北区選出)

  4. 4

    「怒鳴って当然」高齢者の言い訳

    NEWSポストセブン

  5. 5

    現役医師が日経の印象操作に苦言

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    詩織さん被害訴え はるな愛号泣

    女性自身

  7. 7

    二階氏の重用は「無口だから」

    NEWSポストセブン

  8. 8

    ミサイル導入への批判は非現実的

    木走正水(きばしりまさみず)

  9. 9

    北の漂着船が持つ一触即発の火種

    WEDGE Infinity

  10. 10

    美濃加茂市長判決で司法の闇見た

    郷原信郎

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。