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シェア1本で1,000ドルもアリの世界出現

ネットで時々遭遇する怪しい儲け話へのお誘いではありません。今、米国ではFacebookで多数のフォロワーを抱えるセレブにお金を払って記事をシェアしてもらうシステムが動き出していて、そのトップクラスならありうるかも、という話です。

そのトップクラスというのが、日系2世で米国の俳優ジョージ・タケイ(George Takei)氏このシステムを紹介したDigiDay日本語訳もあります)が、真っ先にあげた人物です。SFテレビドラマシリーズ、スタートレックに出演したので米国ではとても有名なようで、Facebook上のフォロワーはなんと992万人に達します。

膨大なフォロワーを抱えるセレブがFacebookのタイムラインでシェアした記事を紹介すれば、フォロワーの相当数がその記事へ飛び、そのサイトのアクセス数は急増、広告収入増大につながります。だからニュースサイトなどはセレブにお金を払うことを厭わなくなっている、というわけです。

そこでタケイ氏の場合です。彼のタイムラインを24時間、遡って見てみました。

24時間にアップされてfeedは計23本。全て他のサイトの記事を紹介するシェアのみです。ほぼ1時間に1本のペースでアップされ、それぞれに一言コメントが付いています。(いつ、寝てるのかな?)

で、そのそれぞれに対するengagementの数が凄い。例えば6時間前に「手のひらで顔を覆いたくなった」というコメントを付けた<オバマとトランプ初会談>の記事では、「いいね」が5万1千、シェア9,914、コメント6,361でした。他のシェア記事についても最低でも「いいね」が500程度はあります。4桁に届かなかったのは7件のみ。あとは数千から数万です。

こうした反応を残さないで、シェアされた記事のサイトに飛んだ人は、その何倍もいると考えても不思議ではないし、何せ、フォロワーが約1千万人もいるのですから、その1%が、リンク先へ飛んだとすれば10万アクセスを生むことになります。

DigiDayの記事では、こうしたフォロワーを多数抱えるセレブとサイトを運営するPublisherとを仲立ちするネットワークがあり、「ある消息筋によると(sources say)」と出処をぼかしていますが、「1visitをわずか1セントで買っている」とあります。

ですから、これから先は全くの仮定ですが、ひとつのシェア記事が10万アクセスを生めば1,000ドルになるというわけです。タケイ氏のように24時間、満遍なくシェア記事を23本もアップすれば、当たり外れはあっても、1日の売り上げは相当なものでしょう。

しかし、実際には寝ないで発信を続けることは不可能ですし、有名人がそんなに暇なわけもありません。そこで、出版社側からの依頼を受け、シェアすべき記事を各セレブの個性や読者層に合わせて適宜、配信するサービスも存在しているのです。(Providr,Cybrid Media,FanBread,Social Edgeなどのサイトをご参照ください)

こうなると、なんだかセレブを名義を借りた一種のステマみたいな気もしないでもありません。しかし、情報が溢れかえるネット時代には、こうしたセレブのシェア記事は一種のキュレーター的役割を果たしているのかもしれません。

そうした役割について、今年7月にこのブログで紹介した「ファンによるファンのためのスポーツサイト」を標榜するMinute MediaのRich Routman社長は「Social Influencer」と呼んでいます。同社の運営する2つのスポーツサイトは、世界700人のSocial Influencerを擁し、ソーシャルメディア経由のユーザーは1億1500万人に達し、年率300%の伸びだとしています。

そこで、話は思い切り飛ぶのですが、これを新聞ジャーナリズムの再建に使えないものかと夢想しました。

今回の米大統領選。昨日もNYタイムズが結果を読み違えていたことに関して釈明文を公表しましたが、日本でも先輩の中村仁さんが「トランプ勝利は大手新聞と世論調査の敗戦」とブログで書かれたように、新聞が民意を汲み取れず、世論に影響も及ぼせない実態があらわになってきました。

その一つに要因は、ソーシャルメディア経由のニュースにスマホで接する傾向が強まる状況では、論説や深い分析記事などは流通せず、多くの人の目に触れなくなっていることのように思います。

そこで、新聞社はお金を払ってでも、フォロワーの多いFacebookユーザーに大事な記事をシェアしてもらうことを考えてもいいのではないか、と夢想したわけです。

政治関連だから、普段から政治を論じる人物に頼むのではなく、例えば、女性に人気のある人気ブロガーの北斗晶さんにFacebookでも活躍してもらい、適宜、シェアしてもらうとかの工夫をすれば、経済や国際といった硬い記事も広く世間に浸透していくことが期待できるのではないか、ということです。

ま、本当に思いつきに過ぎないけれど、米国では、かってワシントンポストが所有していたこともある硬派のオンラインマガジンSlateもこの種のネットワーク企業Social Edgeのクライアントだそうですから、日本の新聞社もスマホ、Facebook時代に真剣に向き合ってもらいたいのです。

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