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株式の公表情報は正しいのか

最近の株式市場が問題になっているのが「売りの情報」である。上場企業のマイナス情報を公表して、「今の株価が高すぎる」と公言し、売り込む状況を作る行動である。

何の自己利益誘導的なものがない「売り推奨」であるのなら、問題ない。しかし、その情報を流した者が事前に「売りポジション」を作っていたのならどうなのか。もちろん、根も葉もない情報なら、たとえば「不渡手形を出した」という類の情報なら、金融商品取引法の「風説の流布」にすぐに該当してしまう可能性が高い。しかし、現実の出来事に対して解釈が必要な情報なら、それを風説の流布と判定することは困難である。

このような事例が、伊藤忠商事とサイバーダインで生じた。どういう情報なのかはネットを調べればすぐに出てくるだろう。伊藤忠商事については減損処理に関する会計的判断の伴う問題であり、外部からは判断できない。サイバーダインは主力製品の機能に関する疑義であり、これも外部からは判断できない。これらの点に関して海外投資家が、簡略化してしまうと、「問題があるのに、正しい情報が示されておらず、今の高い株価に疑義がある」と、日本の投資家に「注音喚起」したのである。

この注意喚起が正しいのかどうかは、僕自身も外部者であるため、何も言えない。とはいえ、一般の投資家として留意すべきなのは、これらの情報が「何故提供されたのか」を推理することである。理由として考えられるのは、1つは「正義の味方」である。もう1つは、売りポジションがあって、そのポジションで「儲けたい」からである。

前者の理由に関して、その情報の受け手として考えないといけないのは、「その情報の提供者が、本当に正義の味方なのかどうか」である。この点、今回の情報の提供社は歴とした投資家である。投資家の本来の目的は儲けることにある。とすれば、正義の味方である可能性は「眉唾」となる。

後者の理由の場合、信じることはまったくできない。

ということで、この手の情報について、情報発信者の氏素性を簡単でもいいから調べることが肝要である。そもそも、そんな内部情報をどのようにして得られるのかも疑わしい。また、その情報の確度が高いとすれば、公的機関でないかぎり、その情報はお宝である。わざわざ一般大衆に公表すること自身がえらく怪しい。

ということで、第三者を装った情報は、まずは疑うのが鉄則であり、逆にそのまま信じるのは愚の骨頂である。まあ、その疑わしい情報に便乗し、空売りし、売り込まれた段階で買い戻すという、いわゆる「提灯的な投資手法」はあるだろうが。

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