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米大統領選・議会選の注目点、早わかりQ&A

米大統領選と議会選は8日、投開票が行われ、最大の焦点である次期大統領が誰になるかが決まる。また上院の共和党支配が維持されるかにも大きな関心が集まっている。上院と同様に共和党が多数派を占める下院でも、民主党が議席増を目指す。さらに、多くの州で知事選が行われ、住民投票も実施される。以下、注目点を簡単にまとめる。

大統領選では何に注目すべきか

 民主党候補のヒラリー・クリントン氏が大統領選勝利に必要な過半数の270人の選挙人を獲得する道はいくつもある。だが共和党候補のドナルド・トランプ氏の道のりはかなり険しく、激戦州で大健闘しなければならないだけでなく、民主党寄りの州を少なくとも1州確保する必要がありそうだ。トランプ氏は1988年以降の大統領選で共和党が勝利したことのない州、例えばミシガン州かペンシルベニア州を奪取しようと狙っている。

 トランプ氏は加えて、世論調査で支持率がクリントン氏に接近しているか、または先行しているフロリダ、オハイオ、ノースカロライナ、アイオワ、ネバダ、ニューハンプシャーの接戦州の大半を制すれば、勝利が見えてくる。この場合、両氏の獲得選挙人は269対269で並ぶ。トランプ氏がメーン州で選挙人1人を獲得できれば、勝利を手に出来る(訳注:メーン州では、選挙人は勝者総取りではなく、比例配分される)。

クリントン氏、トランプ氏の優勢な州の最新予測。濃い青・クリントン氏安全圏、薄い青・クリントン氏寄り、黄色・互角、薄い赤・トランプ氏寄り、濃い赤・トランプ氏安全圏 クリントン氏、トランプ氏の優勢な州の最新予測。濃い青・クリントン氏安全圏、薄い青・クリントン氏寄り、黄色・互角、薄い赤・トランプ氏寄り、濃い赤・トランプ氏安全圏

最初の開票結果が分かるのはいつになるのか

 ケンタッキー、インディアナ両州の一部では、投票は現地時間8日午後6時に締め切られる。したがって、その頃に一部で最初の開票結果が分かりそうだ。しかし、州全体で投票が締め切られるのは、最も早くて米東部時間午後7時(日本時間9日午前9時)になり、州毎の当落予想が報じられるのはそれ以降になる。東部沿岸州のほとんどで投票は午後8時(日本時間9日午前10時)までに終わり、カリフォルニア州は午後11時(日本時間9日午後1時)、最後のアラスカ州は9日午前1時(日本時間9日午後2時)に終了となる。

州別の投票終了予定時間(すべて米東部時間、日本時間はブラス14時間) 州別の投票終了予定時間(すべて米東部時間、日本時間はブラス14時間)

重要州で勝者が決まるのはいつか

 両者が接戦となっている激戦州は十数州で、その他に前回大統領選とは勝者の政党が逆転しそうな州がわずかながらある。民主党の強固な地盤とされるミネソタ州や、共和党が圧倒的に強いテキサス州がひっくり返れば、歴史的な出来事となる。

 投票が締め切られれば、各メディアは出口調査や初期の開票状況を基に、開票作業が終了する前に大統領選や議会選の当落予想を出す。レッドステート(共和党が伝統的に優位に立っている州)のアラバマ州や、ブルーステート(民主党州)のメリーランド州などは、投票締め切り後の非常に早い段階に当落予想が出されそうだ。激戦州については、勝敗予測が明らかになるのには時間が掛かる可能性がある。

 大まかに言えば、オハイオ、ペンシルベニア、フロリダなどの激戦州では、勝者予測が出てくるのに最大で数時間は掛かるとみられている。2012年の場合、AP通信が大統領選の勝者予測を報じたのは、ペンシルベニア州が午後9時48分(日本時間9日午前11時48分)ごろ、オハイオ州が午後11時17分(日本時間9日午後1時17分)で、バラク・オバマ大統領の再選確実を伝えたのは午後11時38分(日本時間9日午後1時38分)だった。バージニア州の勝者予想が出たのは日付が変わってからで、フロリダ州は接戦のため、公式結果の発表までに4日間掛かった。

上院選では民主党が過半数獲得を狙う 上院選では民主党が過半数獲得を狙う

上院選はどうなるか

 共和党は現在、上院で定数100議席のうち54議席を占め、改選は24議席だ。民主党の改選議席は10議席。ネバダ州で民主党が議席を守り、なおかつクリントン氏が大統領に当選すれば、民主党が上院の過半数を獲得するのに必要な議席数は残り4議席となる。これは上院の採決で可否同数の場合、副大統領兼上院議長に就任するティム・ケーン氏が決裁票を投じる権利を持っているからだ。重要州は、ペンシルベニア州とネバダ州で、ペンシルベニア州は現職パット・トゥーミー氏(共和党)とケイティー・マギンティー氏(民主)が対決。現職のハリー・リード民主党上院院内総務が引退するネバダ州は、キャサリン・コルテッツ・マスト氏(民主)とジョー・ヘック(共和)氏が争っている。

下院はどうか

 下院は定数435議席で、全米各地に広がる三十数議席が接戦選挙区となっている。選挙アナリストによれば、民主党は5~20 議席を上積みするものの、下院の支配権を確保するのに必要な30議席には届かないとみられている。注目されるのは、カリフォルニア州の現職ダレル・アイサ氏(共和)対ダグ・アップルゲート氏(民主)、バージニア州の現職バーバラ・コムストック氏(共和)対ルアン・ベネット氏(民主)の戦いだ。

下院選で民主党は5~20 議席を上積みするものの、下院の支配権を確保するのに必要な30議席増には届かないとみられている 下院選で民主党は5~20 議席を上積みするものの、下院の支配権を確保するのに必要な30議席増には届かないとみられている

州知事選の行方は

 全米の州知事の所属政党別内訳は、共和党が31州、民主党が18州で、アラスカ州は無党派の知事だ。今回改選されるのは12州で、このうち7州が接戦となっている。共和党が現行の勢力図を維持しそうだ。民主党が期待できるのはせいぜい現状維持で、うまくいけばノースカロライナ州やインディアナ州などの1~2州を奪取できるかもしれない。バージニア大学の選挙予測専門家のラリー・サバト氏は7日、31対18の現状が維持されそうだと予想した。

住民投票にはどのようなものがあるのか

 政治関係のオンライン百科事典バロットペディアによると、9州で合法大麻の範囲拡大が住民投票に掛けられる。このうち5州では、娯楽としての大麻使用の合法化、4州では医療用大麻の合法化の是非が問われる。ワシントン、メーン、コロラド、アリゾナの4州では最低賃金の引き上げが検討される。ワシントン、メーン、カリフォルニア、コロラドでは銃関連の規制も住民投票にかけられる。合計すると、住民投票は162件に上り、このうち71件は住民が提案したものだ。

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