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カメラと銃は似ている。悲惨な映像が安易に出回ることに慣れてる場合じゃない

東京デザインウィークにて大変痛ましい事件が起きた。木製の展示品が燃え5歳の少年が命を落とした。

神宮外苑イベント火災:火の回り早く、5歳児逃げ遅れる – 毎日新聞
燃えた展示物は日本工業大工学部建築学科の学生を中心につくるクラブ「新建築デザイン研究会」が制作した。木製の枠を積み上げたジャングルジム状の作品で、高さ約3メートル、幅約5メートル。中におがくずを入れ、複数のライトで照らしていた。同署はライトの熱でおがくずが発火し、ジャングルジムに燃え移った可能性があるとみている。

後から見れば、どう見ても燃えそうな展示物だ。キャンプファイヤーのような木組みに、発火しやすい木屑をふんだんに使っている上に、中にランプを仕込んでいる。中から出火した可能性が高そうだが、詳細は原因は今後明らかになるだろう。とにかくご遺族の心境を思うといたたまれない。

すでに今年で31回目を迎えるこの時期の定番のイベントでもあり、当日も多くの来場者がいたこともあってか、ネットには事故の動画や写真が数多くアップされている。この手の事件があった時にソーシャルメディアなどを介して、多くの現場の記録が出回るのはすでに日常茶飯事になっている。
とりわけ、今回の場合、少年を救出しようとしている瞬間の動画が出回っている。あまりにも痛ましい映像だし、少年の父親にとってあまりにも酷な記録映像だ。

映像の暴力性と記録性

映像とは本来大変暴力的なものだ。映像作家の小谷忠典のドキュメンタリー映画に「LINE」という作品がある。この作品が捉える対象は監督自身の父親や恋人、生まれ育った街で、いわゆる自分史を語るセルフドキュメンタリーだ。この映画を厚木の映画館で務めている時分に上映する機会に恵まれたのだが、監督は舞台挨拶時に、カメラを持って父親と向き合うことで、父親との関係が終わってしまうのではないかという恐怖を感じたそうだ。それはそうだろう。肉親とはいえ、私生活をカメラで記録されること自体にいい気分になるはずがない。他人に見せたくないものまで撮影されるとしたらなおさらだ。

撮影することの加害性は、例えば森達也監督の諸作品に共通して見られる意識だ。森監督の場合、映像には本質的に加害性が潜んでいるのだから、それを隠すのではなく、自覚して加害性をも含めて作品にしていく姿勢がある。加害性を意識した上でコントロールすることを常に考えてカメラを用い、何を見せ、何を見せないかについて注意深く考えていく。

しかし、映像のやっかいな点はその記録能力の高さゆえに後天的に、貴重な資料になり得てしまうことだ。だから暴力的であっても、世の中に必要とされる。希少性や資料性はその撮影の瞬間にはどれほどのものか、正確に測ることが難しいものなので、歴史のアーカイブを分厚くする、という視点で映像を考えたら、できるだけ多く撮影しておくべきということになる。

しかし、巷に気軽にあふれる動画も写真もだが、暴力性に無自覚に溢れすぎているようにも思う。そしてそうした動画や写真が溢れかえっている状況が当たり前ということに、慣れてきてしまっている自分がいることにも危うさを感じている。

カメラと銃は形が似ている。英語で撮影することをshootするとも言う。銃で撃つことと撮影するという単語が同じであるのななぜなのか。カメラで撮影するという行為は実は銃を撃つことを同じくらい暴力的な行為かもしれない。カメラは、時には1発の銃弾よりも多くの人を殺すことができるかもしれないが。

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