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技能実習制度がもたらす人権侵害 労働力の安価な利用は止めよ 国力の低下を直視するときがきた

 政府は、介護や建築現場での労働力の不足を補うということで外国人労働者の受け入れの検討を始めました。
外国人労働者受け入れ 介護や建設、政府検討 2国間協定で枠」(日経新聞2016年10月27日)
「政府は27日に初会合を開く「働き方改革実現会議」で、外国人労働者の受け入れを検討する。介護や育児、建設など人手不足の分野で外国人労働者を受け入れるため、法整備をめざす。あらかじめ分野ごとに受け入れ数を決めて管理する制度を設け、単純労働の外国人受け入れに事実上、門戸を開く。」

増え続ける技能実習生


 単純労働への外国人受け入れは、何故か国内には担う労働力がないということを前提としています。
 日本の人口は減少に向かってはいますが、未だに多くの人口があります。高齢化が著しいといいながら高齢者も職を求めています。
 そういう中で至るところで労働力の不足が叫ばれているのです。
介護だけじゃない トラック運転手が不足 日本はあらゆる分野で劣化している

 一番、著しい人材不足は言わずと知れた第一次産業です。
 そこでは技能実習生を大量に受け入れ、実質低賃金労働者として搾取しています。
 その技能実習生が所在不明となるケースも少なくないようです。
消えた中国人 5年間で1万人超 昨年の失踪外国人が最多 治安に影響も」(産経新聞2016年10月31日)
「働きながら技術を学ぶ「技能実習制度」で来日した外国人の失踪が昨年5800人を超え、過去最多に上ったことが30日、法務省への取材で分かった。全体の約半分が中国人で、現行制度成立後の統計によると、平成23年からの5年間で計1万人超が失踪している。多くが不法滞在となっているとみられ、国内の治安にも影響を与えかねないことから、捜査当局は警戒を強めている。」

 しかし、実際に置かれている技能実習生の実態からみれば、逃げ出したくなるほど劣悪な労働環境ということから考えるべきでしょう。
 あたかも逃げ出した方が悪い、治安悪化だなどというのは安易に安価な労働力として利用、搾取しておきながら、あまりに図々しすぎやしないでしょうか。
 地方の大学や専門学校などが中国人留学生を大量に受け入れたものの少なくない「留学生」が所在不明になるというのとは全く意味が違います。
 技能実習生を敵視するくらいなら、このような制度を続ける資格はありません。
 私自身は、技能実習制度は廃止すべきと考えていますが、少なくとも現在、過酷な労働環境に置かれている技能実習生を敵視するのは筋違いです。

参照
「外国人実習生」が置かれた過酷な無法地帯…移民政策にもつながる「根の深さ」」(弁護士ドットコム)

 このような中で建設現場や介護にも外国人労働者を導入しようというのですから、既に日本は独自にそういった面での生産力が危機的な状況にあるということです。
 24時間営業のコンビニや外食産業も、特に東京などの大都市では外国人労働者なしには成り立たなくなっています。便利さは外国人労働者を搾取することによってのみ成り立っているという現実を私たちは直視しなければなりません。
 しかし、未だに日本政府も右翼系の議員は「大国」意識が抜けず、「一流」と思い込んでいるのだから滑稽です。

 かつて民主党政権下で蓮舫氏が「2番ではダメなんですか」と発言したことが思い起こされます。
 右翼勢力は、ここぞとばかり非難していましたが、私は現状の国力からみるならば「2番」でしか目標になり得ないという現実を見つめるという意味では私は清々しく思いました。

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