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三菱の苦悩

「三菱の苦悩」というタイトルで皆さんはどの三菱を想像されたでしょうか?自動車でしょうか?航空機でしょうか?重工でしょうか?どれも苦戦しています。私には苦戦こそしていなくても銀行も同じ色と匂いを感じます。それは古くて保守的、非開放的で顧客を寄せ付けない分厚い壁でしょうか?

三菱グループの中の旗艦的存在といえば重工です。三菱自動車も三菱航空機も重工の息がたっぷりかかっているといってもよいでしょう。私は学生時代、三菱ギャランに乗っていました。当時、三菱の車はエンジンに定評があったからです。「なんて言っても飛行機作っていたのだから」。これは大きな売り文句であり、ブランドであったと思います。事実、今でも飛行機のエンジンを手掛けるロールスロイス社は自動車の雄として君臨しています。

その三菱自動車は内部崩壊劇を複数回にわたり経験してしまいました。「三菱のプライドとしてこの目標は達成せよ」という厳命に対して社員ができる能力に限界はあります。「こんなことは外に出せない」とスリーダイヤのプライドで墓場まで持っていくつもりだったあの秘密は墓をほじくり返され、あっさり発覚します。

似たような話は東芝でもそうでした。ちなみに東芝の苦悩はまだまだ続いています。多くの問題は法廷闘争にそのステージを移していますが、特に株主代表訴訟で新日本監査法人に損害賠償請求を起こしたことで東芝と新日本という対立軸ができて新事実が出やすい状況が生まれました。東芝はまだ当面、頭が痛い思いをするはずです。

さて、三菱自動車は日産に安く売り渡すことでプライドを維持する方策に出ました。伸び悩む日産にとっても濡れ手に粟、まさにウィンウィンの状況だったといえます。

三菱地所レジデンシャル。デベロッパーしては非常に高い評価を誇る同社がこれまた三菱地所設計という同様に高い評判の会社と組んだ青山の高級マンション。図面にある貫通孔が施工されておらず、完成間近にして引き渡し不可能となり、購入者とは手付の二倍返しで契約解除します。建物は壊してやり直しという致命的事件を起こしたのは2014年でした。

では本命、三菱重工。今回は何が問題だったかといえば大型客船事業での2300億円という巨額赤字であります。12万トン級客船2隻を受注したのは2011年。戦艦大和が6万5千トンですから12万トンが如何に巨大でとてつもない受注だったか、私も想像の域を越えます。

その重工、10月半ばに「大型客船事業ギブアップ宣言」を出しました。もうやらないそうです。私なら2300億円の血と汗を流したのに終わりにするのか、と思い、がっかりしています。この発想は私には三菱自動車の時と同じでYES-NOゲームに見えるのです。もっとやり方はあったのではないでしょか?

実は三菱はオプションの一つとして今治、大島、名村の三菱より大きい造船所と提携話もありました。仮に提携となれば世界で2番ぐらいの順位になっていたはずです。特に上位はすべて韓国の財閥系造船所が占めている中で日本のアピアランスそして、客船を作るノウハウは確保してもらいたかったと思います。

最後、私は非資源部門を伸ばしたい三菱商事にも焦りが見えている気がします。特にコンビニ部門では店舗数でファミマがセブンに肉薄する中、商事系のローソンは大きく引き離されました。ローソンが華やかだったのはカリスマ社長、新浪さんがいた時ですが、氏がサントリーに移ってから急速に商事色が強まります。そして、ローソンを子会社化してしまいます。更に三菱食品との距離をより接近させ、三菱色一色にしています。私には内向き政策そのものだと思います。

三菱は金曜会を通じてグループの極めて大きな結束力を維持しています。しかし、それが有効な時と害になる時があることは頭に入れておいた方がよいかもしれません。三菱のビジネスの進め方が韓国財閥的な抱え込み式である限りにおいて外界との遮断がより強烈となり、日進月歩から「秒進分歩」の時代に立ち向うにはフットワークが重過ぎる気がします。

今の時代は結束を緩め、独自色を出しながらも緩い連携をとることでお互いが切磋琢磨するスタイルであります。重厚なドアの向こうで秘密会とはフリーメイソンではあるまいし、ちょっと違う気がします。プライドの塊の社長さんが集まれば恥につながることは絶対に言えません。これは今の時代、負の効果しかないでしょう。大きな企業の集まり故に持てる力をもっと発揮してもらいたいものです。私ならドアは透明、そしてオープンな屋外でやりますがね。

では今日はこのぐらいで。

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