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ロッテリアの看板商品はなぜ「エビバーガー」「チーズバーガー」なのか

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文=圓岡志麻

1973年創業、ハンバーガー業界第3位。ファミリー層をメインターゲットとするロッテリアは、2009年に投入した絶品チーズバーガー、味付けポテトの「ふるポテ」、ハロウィンの限定商品など、商品力、イベント性に“おもてなし”を加えた、総合的な戦略でハンバーガー戦争に臨む。

マクドナルドは1971年、モスバーガーとロッテリアは1972年。「マクドナルドの復活は本物か」(http://president.jp/articles/-/20514)で取り上げた、日本のハンバーガーチェーン上位3社は、ほぼ同じ頃に創業している。本特集では3社がそれぞれどのような戦略なのか、個別の記事で明らかにしていきたい。

今回取り上げるのは、3位のロッテリアだ。2005年に企業再生会社リヴァンプと資本提携して経営再建に取り組んだことは当時大きな話題になった。経営改革が進んだとして2010年にはリヴァンプとの資本提携を解消、ロッテリアホールディングスの佃孝之社長が社長に就任した(現社長は谷林義幹氏)。グループ支援もあり、現在財務面は良化してきている。

メインターゲットはファミリー層だというロッテリア。商品力、イベント性+“おもてなし”という同社の戦略について、以下くわしく聞いていこう。


ロッテリアの看板商品「エビバーガー」(写真は2016年バージョン)

「エビバーガー」「絶品チーズバーガー」が生まれた理由

ロッテリアは1973年、アイスクリームショップのアンテナショップとしてスタートした。看板商品は、1977年から続くエビバーガーだ。発売当時は、エビといえば“腰が曲がるまでの長寿”を意味する縁起物で、高級食材のイメージが強かった。高度成長期は脱していたものの、みんなの口に毎日のように入るものではなかっただろう。そんな万人が憧れる高級食のエビをファーストフードに使って、ロッテリアの歴史はスタートしたのだ。

その後エビバーガーは時代時代のニーズに合わせて改良を重ねてきており、現在は14代目だという。プリッとした食感のエビをサクサクの衣で包み、野菜やソースとともにバンズに挟んだエビバーガーはまさに、エビのおいしさを最大限に味わうことのできるバーガーとして、今もロッテリアのトップスターと言える。

「しかし、ハンバーガーといえば本来は肉の料理です。エビだけでは足りない、ビーフの4番バッターが欲しい、ということで、2007年に絶品チーズバーガーを発売しました」(ロッテリアマーケティング部小島啓太氏)


「絶品チーズバーガー」(380円)

絶品チーズバーガー(380円)は“世界一おいしいチーズバーガー”をコンセプトに開発されたバーガーだ。パテには、肩ロースと肩バラ肉という部位指定の肉を使用。ロッテリアの他のバーガーでは2~3ミリのところ、最大8ミリという粗挽きにし、肉の食感を強調している。また、ペッパーやオレガノといったスパイスを加えたほか、店舗のキッチンで塩を振る“ひと手間”によって、肉のおいしさをより引き出した。

ファーストフードチェーンとしては、本来ならパテそのものに塩を練り込むほうが、調理工程が単純化され効率的だ。しかし味に奥行きがなくなり、肉の風味が感じにくくなる。そのため、店舗で1品ずつ調理する方法を選んだ。

また主役のチーズには、ゴーダチーズとチェダーチーズという2種類のナチュラルチーズを採用。時間が経つと味が変わりやすいが、プロセスチーズより味わいにコクやパンチがあるため、管理が難しいナチュラルチーズを敢えて使用した。

このように、ファーストフードの域を超え、満を持して発売された絶品チーズバーガー。発売以来長らく、エビバーガーと人気を競い合ってきたが、2015年ついに売上げがエビバーガーを超えたという。

ポテトやシェーキ、チョコレート商品で特色を出す

以上、エビバーガーと絶品チーズバーガーがロッテリアの2本柱となっている。さらにロッテリアの特徴は、それを取り巻く“脇役”とも言うべきサイドメニューが非常に充実していることだ。

脇役商品のなかでも、消費者の支持率が高いのがポテト。フレーバーのパウダーとともに紙袋に入れ、ガサガサと振って自分で味つけして食べる“ふるポテ”が人気で、これまでにさまざまなフレーバーが発売されている。カルビーのスナックとコラボした期間限定フレーバーが発売されたこともあり、時期に応じて季節性や話題性を演出する商品でもある。


ポテトでも季節性や話題性を演出。2015年7月には、カルビーのポテトスナックとコラボした商品を期間限定発売した。

また“ロッテリアならでは”とも言えるのが、スイーツの品揃えだ。もともとロッテグループの一員として、チョコレートやアイスクリームに強く、シェーキ(ミルクシェイク)や、ジェラートを浮かべたフロートドリンクなどが人気。さらに最近では、ロッテブランドの商品を活用した商品が「20~30代の女性に飛び抜けて好評」(小島氏)なのだという。例えば、ロッテのチョコレート菓子のブランドである、ガーナミルクチョコのシフォンケーキ(350円)やチョコレートパイ(150円)などだ。これらの商品では特徴的なガーナの赤いパッケージを踏襲しており、ブランドカラーを全面に押し出している。いつもはスーパーやコンビニで買うしかない出来合の商品の味を、店舗で、できたてで楽しむことができる。魅力あるブランドにさらに「手作り」の価値が加わり、消費者の購買意欲を刺激していると言える。


今年の冬は、ロッテ・ガーナチョコレートとのコラボ商品を提供。左上から時計回りに、ガーナシェーキ、ガーナカップシフォンケーキ(ジェラート添え)、ガーナパイ、ガーナホットチョコレート、同(マシュマロ入り)

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